複合FinTechの力で、世の中に貢献する!PAY ROUTE 土屋執行役員が語る、3つの事業と求める人材

キャッシュレス化が一般的になった現代において、安心かつ安全な決済システムの需要が高まっています。この社会的課題の解決に貢献しているのが、次世代決済サービス「ROUTE PAY」を提供する株式会社PAY ROUTEだ。今回は、同社の執行役員でありビジネスイノベーション本部長の土屋政紀氏に、これまでの経歴、社風、そしてどのような人材を求めているのかについてお話を伺った。

■飛躍のための転職が、多岐にわたる業務経験へ
土屋執行役員は大学卒業後に大手情報通信企業に入社した。人事部において、組織再編や人事異動、配置転換、昇給・賞与から勤怠、各種手当、さらには新制度の策定、新卒および経験者の採用など、人事業務全般を担当した。入社7年目の時期、社内で新規事業の計画が持ち上がり、自ら志願してその新設の事業本部への異動を申し出た。その後、マーケティング本部でビジネスコンサルティングの推進やM&Aを活用した新規事業、経営企画室での事業改革やグループ再編を経て、経営に関わる重要な役割を果たす。

「当時、40歳代の初め頃に統括部長に抜擢されました。最年少だったと思います。役割が広く経営中枢に携わる仕事が刺激的でした。」と、土屋執行役員は当時を振り返る。

株式会社 PAY ROUTE 執行役員 ビジネスイノベーション本部長 土屋政紀氏

若くして統括部長の地位にいた土屋執行役員は、自身のさらなる成長を目指して、困難を伴う「転職」という道を歩み始める。大手情報通信企業で20年間にわたり培った経験・ノウハウを活かし、IT企業を中心に、コンサルティング会社も含める4社で新規事業の立ち上げ・推進を経験した。多くの事業で成果を上げた経験を持つ彼は、転職先でも事業企画、事業開発、コンサルティング、マーケティング、パブリックリレーションズなど、多岐にわたる分野で活躍してきた。そして、現在の企業にたどり着いた。

「大手情報通信企業でお世話になった先輩から『これから成長するであろうベンチャー企業があり、土屋さんの力を活かせるのでないか』とのアドバイスを受け、現在の会社の社長を紹介いただき、意気投合し入社しました。ベンチャー企業では、実際にあらゆる業務を同時に手がける必要があるんです(笑)。様々な企業で多岐にわたる業務経験を積んできたことが私の強みであり、一貫して仕事をこなす能力が、当社にとっても大きな利点となっていると思います。」と、土屋執行役員は照れながら明かしてくれた。

企業の組織構築の知識だけでなく、戦略策定にも長けていたのが入社の決め手であったようだ。

■複合FinTechの力で、世の中に貢献する
同社は一言でいうとFinTech企業。「複合FinTechの力により、安心で笑顔の溢れる世の中をつくり続ける」をパーパスとし、クレジットカード決済事業、オンライン決済事業、セキュリティ開発事業、決済ソリューション開発事業を主業とした企業だ。『Visaインターナショナル×国内クレジットカード会社』より正式に認可されたアクワイアリング・エージェン ト(通称:AA)として、クレジットカード加盟店業務を行う Visaの加盟店総合窓口となっている。

会社のバリューとして、次の3つを掲げている。
・『シンプルにこだわりを』… 誰もが“わかりやすい” サービスを提供する。
・『常にチャレンジ』… 今、チャレンジを繰り返し、“これだ!”を見つける。
・『新しい常識を創造』… ID/パスワードレスにより、新しい常識をつくり広める。

具体的な事業としては、次の3つがあげられる。
・ROUTE CODE(ルートコード)
・ROUTE PAY(ルートペイ)
・スクウる。

〇ROUTE CODE(ルートコード)
個人が特定できてしまうであろう固定の番号等との紐づけを一切せず、ID/パスワードレスを可能にする特許技術。クレジットカード情報もアプリ上に一切保存されないことから、安心・安全な次世代決済サービスを実現できる。

〇ROUTE PAY(ルートペイ)
ID/パスワードが不要である自社決済サービス。その「ROUTE CODE」を採用した次世代決済サービスだ。クレジットカード情報とID/パスワード情報が完全に切り離されているため、万が一、ID/パスワードが流出した場合でもクレジットカードを不正利用されることはない。

通常決済との比較

QRコード決済との比較

〇スクウる。
各種イベントにおける教員の業務効率化、管理ミスの排除、同時に保護者の安心・安全なスマホ決済を実現する、部活動管理システムだ。部活動におけるお金の流れをキャッシュレス化、見える化することができる。

導入前と導入後の比較

キャッシュレス決済を手掛ける会社が学校関連のビジネスを展開していることは、注目すべき点だ。「スクウる。」というプロジェクトが誕生した背景についてうかがった。

「部費の集金業務の非効率性や現金を扱う危険性もありますが、部活動におけるお金にまつわる不祥事が各メディアから報道され社会課題となっています。その社会課題に焦点を当て、部費を現金で集めるのではなく、キャッシュレス化してしまおうという考えから、『スクウる。』が生まれました。」と語ってくれた。

「スクウる。」を利用することで、これまで現金・アナログ管理だった部活動の集金管理をキャッシュレス・デジタル化できるだけでなく、部活動における、お金の管理を事務局で一本化することができるため、学校の部活動運営の全体把握ができるようになる。
また、部活動内のチーム編成に応じて、チーム別での集金も可能等、各学校、部活動の業務に沿ったカスタマイズも可能だ。これらによって金銭面でのズレの確認、承認の進捗の確認もできる。

■自主的に仕事を遂行できる人に最良な会社
「スクウる。」のような新たなサービスを展開できる同社は、どのような人材を求めているのだろうか?

「簡単に言えば、私たちはビジネスプロデューサーです。当社は何か物を売るために、人数を揃える会社ではありません。当社の決済サービスを利用して顧客のビジネスモデルを一新したり、新規事業を立ち上げたりすることができる人材です。アイデアやスピードが人材として重要だと考えています。」とのこと。

同社はキャッシュレス決済を強みとしており、決済とITを組み合わせた形でサービスを提供している。単純な課題解決は他社のサービスにも見られるが、同社はそれを超え、自社の独自技術やサービスを活用し付加価値を加えることで、DXの観点からお客様のビジネスを見据え、新しいビジネスを創造できる人材を求めている。

「少し誇張した表現かもしれませんが、当社は命令を下す文化がない会社です。私自身、命令された経験も、命令を下したこともありません。自分が何をすべきかを明確に理解しており、先に述べた目的に従って自主的に行動します。」と、土屋執行役員は驚くべき企業文化を明らかにした。

企業文化を語る、土屋執行役員

同社で働く魅力についてうかがった。

「規定は存在しますが、自由が保障されています。自分のやりたいことを実現でき、会社全体に協力的な文化が根付いています。アイデアを共有し、決定すれば迅速に行動に移すことができます。トップダウンは、上位層からの命令のイメージが強いですが、当社の場合はそれとは違い社長自身が現場に降りて直接関わり、一緒にビジネスを進める完全フラットなスタイルです。そのため、意思決定やアクションが非常に迅速です。」と、他社にない社風を明らかにした。

大手企業では、企画書の作成後、その承認に時間がかかる。最速でも2~3ヶ月は必要となることが一般的だ。しかし、同社ではフラットな組織体制により、役職よりも役割を重要視し、迅速に実行に移ることができる。このアプローチによるフットワークの軽さと、社内での足の引っ張り合いがないという文化も、その一因といえるだろう。

最後に今後の展開についてうかがった。

「3つあります。1つ目は既存事業であるクレジット決済、オンライン決済をしっかりと継続して拡大していくこと。2つ目は既存の決済サービスとITを組み合わせたかたちで、新規事業をFinTechとして推進していくこと。3つ目はワールドワイドでビジネスを展開することです。これら3つの事業を全方位型で同時に推進しています。実は、現在も海外での事業を展開中で、副社長が海外へ出張しているところです(笑)。」と、語った。

「FinTech」という言葉は世界的に流行していることから、同社は「複合FinTech」という用語を積極的に使用している。同社の特許技術を活用した決済サービス、そしてこのサービスをITや決済プロセスに組み込むことにより、独自のFinTechソリューションを展開するという意味だ。

今後の展開を語る、土屋執行役員

IDとパスワードの漏えいによるクレジットカードの不正使用が絶えず発生しているが、クレジット決済がなくなることは考えにくい。この社会的課題を解決できる特許技術を活用した決済サービスを持つ同社は、将来的にさらなる注目を浴びることだろう。

さらに、新規事業について革新的なアイデアがあっても、その事業をスタートさせることを前提に進められる企業を見つけることは容易ではない。そうした企業は、ベンチャー企業といえども稀だ。新しいアイデアを考え、実際に現場で活かしたい人にとって、同社は最良な選択肢と言えるでしょう。

株式会社 PAY ROUTE

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木谷哲夫
中央経済社
2024-03-27



清水洋
日経BP 日本経済新聞出版
2023-01-14