誰しも、部下や同僚、友人、家族などと「いい人間関係」をつくりたいと思っているだろう。では「いい人間関係」をつくるには、具体的に何をすればいいか。本書で著者は、相手を「褒める」よりも、「肯定する」よりも、「否定しない」ことがもっとも効果的だと指摘する。
とはいえ、ほとんどの人が「相手を否定するのはよくない」と理解しているのではないだろうか。だが著者によると、人が誰かを否定するとき、多くは無自覚であるという。頭ではわかっていても、無意識のうちに相手を否定しているのだ。
著者の林健太郎氏は、日本を代表する大手企業や外資系企業、ベンチャー企業、家族経営の会社などで、のべ800人を超える経営者やビジネスリーダーに対するコーチングを行ってきた、コミュニケーションのプロである。本書では、そんな著者がコーチングしてきた相手との会話例などもはさみながら、無意識のうちに行われている「否定」がどこからくるものなのかを紐解き、自覚へと導いていく。否定しないコミュニケーションを実現するためのマインドや技術がふんだんに紹介されているのも特徴だ。
本書を読むと、自分が無意識に誰かを否定していないか、胸に手を当てて考えることになるだろう。よりよい人間関係を築くためのヒントに加え、身近な人とのコミュニケーションのあり方を考え直すきっかけをも与えてくれる1冊である。
今回ご紹介した「否定しない習慣」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。