【生存確認】新型コロナが5類移行したなか「牛丼太郎」は生きているのか? 1店舗の生き残り茗荷谷へ行ってみた

ロケットニュース24

2023年5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行した。これに伴いマスクをとって生活している人が増え、その日を境にパーテーションを外したところもちょいちょい見かける。

思えばこの3年、マスク必須の暮らしを強いられてきた。中でも飲食店が大打撃というニュースはたびたび目にしてきた……って、そういえば牛丼太郎の最後の砦である「丼(どんぶり)太郎」は元気なのだろうか?

・丼太郎の現在

2012年に経営母体の会社が倒産し、東京の代々木と茗荷谷(みょうがだに)の2店舗を残して全店を閉めた牛丼チェーンの牛丼太郎。残った2店舗は経営者が変わり、名前を「丼太郎」に変更して営業を継続。しかし2015年3月に代々木が閉店し、残すは茗荷谷のみとなった。

んで、当サイトが最後に「丼太郎」を訪れたのは2020年3月中旬のこと。世間がまだコロナに対してどう対応していいか分からなかったときだろうか。その後、マスク不足が騒がれるようになって緊急事態宣言も発令されたんだっけ。

あれからおよそ3年。一度延期になった東京オリンピックだけでなくサッカーW杯カタール大会、さらには記憶に新しいWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)まで開催されるほどに時間が経過した。

ステイホームが続いたことで、もしかしたらもしかして……いや、牛丼太郎の灯火が消えている姿なんて見たくない! ということで生存確認するため……

東京メトロ・丸ノ内線の茗荷谷駅にやってきた


ドキドキしながら歩くこと1分、そこに「丼太郎」は……


「丼太郎」は……


あったぁぁぁぁぁぁ!!!!!


ちゃんと開いてる!!!!!


よかった……ホントによかった……


と思っていたら


2020年と比べて変更点がいくつかあった。目玉の「とくとくセット」がなくなり、代わりに「やっこ定食」が推されていて……

メニューも牛丼(並)が290円から330円、カレー(並)が270円から300円、朝定食も250円から270円といったように値上がりしていた。まぁそれでも安いからさすがなのだが、時代の流れを感じずにはいられない。


・変わらない丼太郎

さて、丼太郎の元気な姿を見てホッとしたところでお腹が空いたのでランチを食べていこう。昼前の時間帯ながら店内はサラリーマン、地元民らしきお爺ちゃん、それから若者と男性メインで賑わっていた。

私は牛丼大盛りセット(560円)を注文。店員さんに食券を渡して10秒くらいで牛丼が出てくる神がかったスピードに懐かしさを覚えつつ、野菜とみそ汁もついてくるところに不思議と安心する。そしてお味の方は……

うむ、これぞ牛丼太郎である。ぶっ飛ぶほどウマいワケじゃないのだが、パサッとした牛肉がどこかクセになって温かい白米との相性がスゴくイイ。少しばかり値上がりこそしていたものの、今でも牛丼はお値段以上!

そして薄めのみそ汁、店内でゆるりと流れるラジオ……気取らずに牛丼をかきこめる環境は相変わらずで何も変わっていない姿がそこにあった。サッと食べられてサッと出られる、でも美味しい。これでこそ牛丼太郎で丼太郎なのだ。

牛丼に七味と紅生姜を加えると、味がグレードアップされるのもまたよき。以前は牛丼を食べる1つの選択肢に過ぎなかった牛丼太郎だが、なくなってから分かる大切さが身にしみる。なんだか大事な人みたいな感覚がしてしまうのは私だけじゃないだろう。

そのせいか今回の食事で印象に残ったのが、食べてお店を出ていく人全員が「ごちそうさん」「ごちそうさまでした」と言っていたこと。たまたまかもだけど、他の飲食店だとそこまで頻繁に見かけない光景だけに、つい感謝を伝えたくなるような何かが丼太郎にはあるのかもしれない。

もちろん、私も同じように「ごちそうさまでした」と店員さんにお礼を告げて店を出た。牛丼太郎、丼太郎よ永遠に。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 丼太郎
住所 東京都文京区小日向4-5-9
時間 平日7:00〜22:00 / 土日祝10:00〜18:00

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

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