職業柄、機密情報を扱うことが多く、持ち物の紛失は絶対に避けなければならない。筆者は人生で持ち物を紛失したことがないのだが、万が一に備えてAnkerの紛失防止タグ「Eufy Security SmartTrack Link(SmartTrack Link)」を導入し、仕事用のリュックに忍ばせてみた。
紛失防止タグは、荷物の紛失を防ぐためにGPSやBluetooth接続などで位置情報を追跡し、スマートフォンやPCなどから荷物の位置を確認できるデバイスだ。
SmartTrack Linkは、本体サイズが約37×37×6.5mmで重量が約10g、価格は2,990円の紛失防止タグとなる。通信範囲は最大80m(室内の場合は約10~15m)で、キーチェーンなどに取り付けるための穴が空いている。
スマートフォンとSmartTrack Linkを双方向で鳴らして置き場所を確認できる機能や、SmartTrack LinkがBluetooth接続範囲を離れると約3分後に通知が届く「置き忘れ防止機能」なども搭載。Androidでも使えるが、Appleデバイスなら「探す」に対応している。
SmartTrack Linkを使うには、専用アプリ「eufy Security」をスマートフォンにインストールし、アプリの指示に従ってSmartTrack Linkをスマートフォンとペアリングして、紛失したくない持ち物に取り付けるだけで使用できる。
ちなみにだが、ペアリングの際にタグから結構な音量のビープ音が鳴るため、静かなオフィスなどで設定すると少し恥ずかしくなるので注意されたい。
筆者は本製品が初めての紛失防止タグとなるのだが、使ってみて便利な機能だと思ったのは、紛失した持ち物を拾った人がタグに記載のQRコードを読み取ると持ち主の連絡先情報を取得できる「紛失モード」だ。
また、タグを鞄に入れているため使うことがないが、キーチェーンなどの小物にタグを取り付けているのであれば、スマートフォンを鳴らす機能も(筆者はよく自宅でスマートフォンを見失うため)便利だと思っている。
このように紛失防止タグは便利な一方、その性質から悪用される場合もある。たとえば、他人の持ち物に忍ばせて位置情報を把握し居場所を追跡するといった監視目的の利用もできてしまう。タイムリーなことに、筆者も本記事を執筆中に、紛失防止タグで誰かに位置情報を追跡された?と思わされる事態に遭遇したので紹介したい。
経緯としては、電車で帰宅中に「探す」アプリから「不明な紛失防止タグが検出された」という旨の通知が突如来た。アプリを開くと地図に自分の通ったルートが赤線で表示され、第三者に自分の位置情報をリアルタイムで送っているらしいということが判明。
ひとまずアプリの指示に従って位置情報の送信を止めたあと、音を鳴らして不明なタグを探そうとしたのだが、音を鳴らすオプションが出てこなかった。
恐らくだが、その日は休日でSmartTrack Linkを所持しておらず、電車に乗っていたという状況から、タグを持っていた人がたまたま自分の近くにしばらくいたために、こうした通知が表示されたのだろう。
Appleが迷惑な追跡について説明している通り、不明な「探す」ネットワーク対応アクセサリをしばらく持ち歩いていると、追跡行為防止のために通知が来るように設定されているからだ。
とは言え、気持ちは悪いので、自宅に帰る前に公園に寄って鞄から荷物をすべて出しタグを探したのだが、案の定見つからず。結局もやもやしたまま帰宅することになった。
この夜から2週間は経っているのだが、幸いなことに今のところ特に問題は起きていない。しかしながら、思っていた以上に恐怖を感じ、怯えながら過ごす日々は中々に応えた。
今回の件は筆者の勘違いだった可能性が極めて高いが、紛失防止タグを悪用された場合の対処法を学べたのは収穫だったかもしれない。そうした意識を持てたというだけでも、SmartTrack Linkの導入は筆者にとって価値があっただろう。
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