日本マイクロソフトと東京都、DX推進に向けた協定を締結

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日本マイクロソフト株式会社 代表取締役社長の津坂美樹氏と小池百合子東京都知事。なお、オンライン上での電子署名方式による締結は東京都としては本協定が初だという

 日本マイクロソフトと東京都は9日、「東京全体のDX推進に向けた連携・協力に関する協定」の締結式を行なった。式には、小池百合子東京都知事や同社代表取締役社長の津坂美樹氏などが出席した。

 本協定は、東京全体のDX推進に向け、両者が共同して都政現場の業務改善などを実施し、その成果を都内全体に波及することを目指して締結されたもの。連携事項としては「東京のフィールドを活かした先進サービスの創出」、「クラウドインフラをベースとした行政DXの推進」、「都及び区市町村職員の人材育成」、「国内外の行政機関等とのネットワーク構築」の4項目を掲げている。

連携事項

 小池知事は「世界的なデジタル先進企業のマイクロソフトの皆様とパートナーになれてとても心強い」と述べたうえで、具体的な連携として、都庁や区市町村職員へのデジタルツール利活用などの研修や、都庁のICT職員対象にしたマイクロソフトへの1年間の研修派遣を実施し、行政分野で不足しているデジタル人材の育成に取り組むとした。

 加えて、「本協定は、都庁だけでなく各区市町村とも一緒になって、爆速で東京全体のDXを進めていくもの」とし、「グローバル企業としての知見や、クラウドやAIなどの先進技術を持つマイクロソフトとタッグを組むことで、東京全体のDXを加速させていきたい」と述べた。

 このほか、来年度から立ち上げとなる、行政と民間が共同で革新的なサービスを生み出すプラットフォーム「GovTech東京」についても触れた。

本協定による具体的な取り組み(第1弾)

 また、津坂氏は「東京都が目指すデジタルガバメントに貢献する機会をいただいた」とし、これまでICT化などで関わってきた東京都との連携を拡大し、東京都全体のデジタル化の推進を支援するとした。加えて、「クラウドを活用した効率的でセキュアな行政サービスの創出やデジタル人材の育成、海外の関係機関との意見交換など、テクノロジーにとどまらない多面的な支援をしていく」と述べた。

 そして「『地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする』という企業ミッションに基づき、未来の東京戦略ビジョンを実現できるよう一丸となって支援する」とも語った。

(左から)同社業務執行役員 デジタルガバメント統括本部長 木村靖氏、同社執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長 佐藤亮太氏、同社代表取締役社長 津坂美樹氏、小池百合子東京都知事、宮坂学東京都副知事、東京都デジタルサービス局長 久我英男氏

 また、締結式後には、宮坂学東京都副知事と同社業務執行役員 デジタルガバメント統括本部長の木村靖氏による、本協定に関する説明会が実施された。

同社業務執行役員 デジタルガバメント統括本部長 木村靖氏と宮坂学東京都副知事

 宮坂副知事は「東京都は、都民が生活の質を向上できる社会の実現に向けて、デジタルテクノロジーを最大限に利用していく」として、自身の主な業務であった東京都庁のデジタル化を拡張し、GovTech東京で62の区市町村を含めた東京都全体のデジタル化を進めていくとした。

 そのうえで「テクノロジーに優れた知見を持つ企業とのパートナーシップが必要不可欠」と述べ、その最初のパートナーとしてマイクロソフトとの連携協定を決めたとした。そして、クラウドサービスの導入など連携事項を進めていく中で得られた成果を、東京都や日本全体に広げたいと語った。

 木村氏は、「クラウドサービスのポートフォリオとデジタル推進のための人材育成のノウハウ、グローバルな環境に対する知見などを活かして、都民のQOLを向上させる支援をしていきたい」と述べた。また、ChatGPTなどの対話型AIなどを導入した公務員の働き方改革、GovTech東京による東京都から世界へ発信していく取り組みなどにも注力したいとした。

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