コロナ禍以降、テレワークやハイブリッドワークが定着したこともあり、モバイルノートの選び方が大きく変化。大多数のビジネスマンがオフィスと自宅のどちらでも仕事をこなし、PCを持ち運ぶ必要性が増した。そのため、外回りやデスクワークの頻度に関係なく、Web会議などを軽快にこなせる優れた性能を備えつつ、自宅とオフィスの間で軽快に持ち運べるモバイルノートが広く求められている。
そのような、優れた性能を備えつつ軽快に持ち運べるモバイルノートとしての基準となるのが、最新世代の高性能プロセッサを搭載し、重量が1kgを下回る、というものだ。
Intel製CPUでは、第12世代Coreプロセッサが基準となる。高性能コアの「P(Performance)コア」と、高効率コアの「E(Efficient)コア」という2種類のCPUコアを内蔵する「ハイブリッドアーキテクチャ」を新たに採用し、従来と比べてマルチスレッド処理性能を大幅に高めるとともに、電力効率も高められている。これによって、処理の重い作業を快適になせるだけでなく、バッテリ駆動時間にも有利なCPUとなっている。
また、AMD製APUでは、第4世代Ryzenシリーズ以降を基準としたい。RyzenはCPUのマルチスレッド処理能力に優れるだけでなく、内蔵グラフィックスの描画性能に優れる点も大きな特徴。3D描画のゲームもかなり快適に動作するため、プライベートの時間にゲームも楽しみたい、というユーザーに魅力となる。
そして、1kg切りの重量という部分は、13型前後のモバイルノートで数年前から絶対的な基準となっている。
ここ数年の1kg切りモバイルノートは、ただ軽いだけでなく安心して持ち運べるように、各社が落下や強い外圧が加わることを想定した厳しい堅牢性試験を行なうだけでなく、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠するテストもクリアした、いわゆるミリタリースペックの堅牢性を備える製品が多数を占めている。
つまり、高性能プロセッサ搭載の1kg切りモバイルノートは、テレワークやハイブリッドワーク用のメインマシンとして申し分ない性能と、安心かつ軽快に持ち歩ける携帯性を両立する製品がほとんどとなっているのだ。
今回、そういった基準を満たす最新モバイルノートを10機種紹介するので、購入の際の参考にしてもらいたい。
※記事中の価格は掲載時点のものであり、変更される場合があります。
- 880gと軽量の14型ノートASUS「ExpertBook B9 B9400CBA」
- 24時間のバッテリ駆動を謳う13.3型ノートDynabook「dynabook G9/V」
- 世界最軽量634gの13.3型ノートFCCL(富士通)「LIFEBOOK UH-X/G2」
- 縦に広いWUXGA解像度の14型ノートLG「LG gram 14 14Z90Q-KA78J1」
- 高性能を引き出す独自機能付きの12.5型ノートVAIO「VAIO SX12 VJS12590211B」
- テレワーク向け機能搭載の1kg切り12.5型ノートデル「Latitude 7330 Ultralight」
- 10万円台前半で1kg切りの13.3型ノート日本HP「Pavilion Aero 13-be」
- 着脱式バッテリが使える頑丈設計の12.4型ノートパナソニック「レッツノート SR CF-SR3HDNCR」
- 広色域パネル採用のクリエイター向け14型ノートマウスコンピューター「DAIV 4P プレミアムモデル」
- 2,160×1,350ドットと画面が広い13型ノートレノボ・ジャパン「ThinkPad X1 Nano Gen2」
880gと軽量の14型ノートASUS「ExpertBook B9 B9400CBA」
米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠する優れた堅牢性を備えつつ、約880gと非常に軽いボディを実現。しかも、14型フルHD液晶と1kg切りモバイルノートとしては大きなディスプレイを搭載するため、作業の快適性に優れる。
CPUはPコア×2,Eコア×8の10コア12スレッド処理に対応。メモリは標準で16GB搭載、SSDは容量512GBでPCIe 4.0対応の高速モデルを採用するなど、充実した基本スペックも魅力となっている。
顔認証カメラと指紋認証センサーを同時搭載しセキュリティ性と利便性を両立。また、AIノイズキャンセリング機能などのテレワークに便利な機能も搭載。タッチパッドをテンキーとして利用できる「Number Pad」の搭載も、利便性を高める便利な機能だ。
24時間のバッテリ駆動を謳う13.3型ノートDynabook「dynabook G9/V」
CPUにTDP 28WのCore i7-1260Pを採用するとともに、メモリも標準で32GB搭載と、充実したスペックが魅力。それでいて重量875gと900g切りの軽さと、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠する優れた堅牢性を両立。駆動時間も最大24時間と長く、1日外出して作業を行なう場合でもバッテリ残量をまったく気にする必要がない。
ディスプレイは、鮮やかな発色で省電力性にも優れるシャープ製「IGZO液晶」を採用しており、モバイルノートのディスプレイの中では頭ひとつ抜け出した表示性能を備えている。サイズは13.3型、表示解像度はフルHDと、こちらも必要十分だ。
このほか、Thunderbolt 4だけでなく、HDMI出力、Gigabit Ethernet、microSDカードスロットなど、ポート類を豊富に搭載する点も、ポイントが高い。
世界最軽量634gの13.3型ノートFCCL(富士通)「LIFEBOOK UH-X/G2」
13.3型ディスプレイ搭載モバイルノートとして世界最軽量634gの圧倒的な軽さが最大の魅力。カバンに入れても存在感を忘れてしまうほどの軽さで、毎日ノートPCを持ち歩く人にとって、負担を大幅に軽減できるのはうれしい。しかも、約76cmからの落下試験や200kgfの面加圧試験、35kgfの1点加圧試験、振動試験などをクリアする優れた堅牢性も兼ね備えており、安心して持ち運べる。
しかも、ただ軽いだけでなく、スペックも充実。CPUはCore i7採用で優れた性能を発揮し、メモリは16GB、内蔵ストレージは512GBのPCIe SSDと申し分ない仕様を実現。さらに、USB Type-Cだけでなく、Gigabit Ethernet、HDMI、SDカードスロットなどポート類も非常に豊富で、利便性に優れる点もうれしい部分だ。
駆動時間は約11時間とやや短いものの、ほかの追従を許さない軽さはその点を補ってあまりある魅力となるだろう。
縦に広いWUXGA解像度の14型ノートLG「LG gram 14 14Z90Q-KA78J1」
重量は999gと1kgをわずかに下回る程度だが、スペック、ディスプレイサイズ、堅牢性、駆動時間など、トータルバランスに優れる点が最大の魅力。
中でもディスプレイは、アスペクト比16:10、WUXGA(1,920×1,200ドット)表示対応の縦長14型液晶を採用。作業効率に優れるとともに、DCI-P3カバー率99%の広色域表示にも対応。動画や写真の編集作業も本来の色をしっかり確認しながら行なえる点は、クリエイターにとってうれしいポイントだ。
また、CPUがCore i7-1260Pで、メモリは16GB、内蔵ストレージが1TBのPCIe SSDと、モバイルノートとしてもトップクラスの仕様を実現しつつ、駆動時間が約26時間と非常に長い点も大きな魅力。外出して作業を行なう機会の多い人でも、この駆動時間ならバッテリ残量を気にせず作業が行なえるだろう。
そのうえで、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠する優れた堅牢性も兼ね備えているため、安心して持ち運びが可能だ。
高性能を引き出す独自機能付きの12.5型ノートVAIO「VAIO SX12 VJS12590211B」
VAIO独自技術「VAIO TruePerformance」により、CPUの持つ高い処理能力を持続的に発揮させることで、より高い性能を引き出せる点が大きな特徴。一般ビジネス作業はもちろん、映像処理などの高負荷な作業も快適にこなせる。また、豊富な拡張ポートを備え、アダプタ不要で周辺機器を接続し利用できる利便性も、ビジネスユーザーにとって大きなポイントだ。
12.5型液晶採用による小型ボディに、900g台前半の軽さ、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠する優れた堅牢性と、モバイル性能も申し分ない。
直販のカスタマイズモデルでは、CPUにより高性能なCore i7-1260Pを選択したり、メモリ最大32GB、容量2TBのPCIe SSDの搭載など、用途に応じてスペックを自由にカスタマイズ可能だ。このほか、ローズゴールドやアーバンブロンズなど、ボディカラーを全5色から選択できる点も、個性を追求したい人にとってうれしい部分だ。
テレワーク向け機能搭載の1kg切り12.5型ノートデル「Latitude 7330 Ultralight」
日本ユーザーからの要望を受けて開発された、デルの法人向けノートPC初の1kg切りモデル。ボディにマグネシウム合金を採用することで、軽さと優れた堅牢性を両立しており、安心・軽快に持ち運べるボディとなっている。ただ、最大限の軽さ追求のため、生体認証機能や背後からの覗き込みを感知すると画面を見えなくするプライバシー機能などが省かれている点は少々残念だ。
スペック的には、CPUがCore i5-1245U、メモリが8GB、内蔵ストレージが256GBのPCIe SSDと法人向けモバイルノートとして必要十分で、ポート類も必要なものはしっかり備わっている。
テレワーク向け機能として、AI処理でマイク音声や相手の音声からノイズを除去するノイズキャンセリング機能、Web会議アプリに最大限のネットワーク帯域幅を与える機能、無線LANと有線LANの同時利用でネットワーク帯域を高める機能などを用意。このあたりは法人向けモデルらしい特徴だ。
10万円台前半で1kg切りの13.3型ノート日本HP「Pavilion Aero 13-be」
CPUにAMD製APU、Ryzen 5 5625Uを採用しており、CPU処理能力だけでなく、描画能力の高さが魅力。3D描画機能を活用するビジネスシーンアプリも多いため、ゲームをプレイしないとしても魅力がある。そのうえで、957gの軽さと、300kgの天面加圧に耐える優れた堅牢性を実現しており、モバイル性能も申し分ない。
ディスプレイとしてアスペクト比16:10の13.3型WUXGA(1,920×1,200ドット)液晶を採用している点も特徴の1つ。縦の表示領域が多いため作業効率を高められる。パネルは非光沢IPS液晶なので、広視野角かつ鮮やかな表示が可能なのもうれしい。
直販モデルでは、上位CPUのRyzen 7 5825Uを選択したり、メモリ16GB、512GBのSSDなど、スペックを強化することも可能。しかも、しっかりとした仕様を備える本格的なモバイルノートとしては、比較的安価な価格も大きな特徴。ビジネスユーザーはもちろんのこと、学生が利用するノートPCとしても最適だ。
着脱式バッテリが使える頑丈設計の12.4型ノートパナソニック「レッツノート SR CF-SR3HDNCR」
レッツノートシリーズの中核を成す12型クラスの最新モデル。アスペクト比3:2の12.4型ディスプレイの搭載が最大の特徴で、小型軽量ボディと優れた作業効率を両立。また、厚み20mmを切る薄形ボディを実現しつつ、従来同様の優れた堅牢性も確保。常に安心して持ち歩ける安心感はシリーズで一貫した魅力だ。
そのうえで、CPUの性能を最大限引き出す独自技術「Maxperformer」、AIセンサーで背後からの覗き込みを検知すると即座に画面をロックするセキュリティ機能、テレワークを快適にこなせるカメラ映像の補正機能やAIノイズ除去機能なども搭載。新時代のビジネスシーンにしっかり対応できる豊富な機能を備える点も、大きな特徴となる。
そして、モバイルユーザーとして見逃せない点が、着脱式バッテリを採用している点だ。バッテリを複数持ち歩くことで簡単に駆動時間を延ばせられるため、電源を確保できない場所で長時間作業を行ないたい場合でも安心だ。
広色域パネル採用のクリエイター向け14型ノートマウスコンピューター「DAIV 4P プレミアムモデル」
クリエイター向けでありながら、1kgを切る軽さが魅力。クリエイター向けということで、高性能CPUのCore i7-1260Pを搭載するのはもちろん、メモリは最大64GB、内蔵ストレージは最大2TBのSSDを搭載できるなど、仕様面も充実している。
ディスプレイは、アスペクト比16:10の14型WUXGA(1,920×1,200ドット)液晶を採用。sRGBカバー率100%の広色域パネルを採用するとともに、HDR技術「Dolby Vision」もサポートしているため、この点でもクリエイターにとって納得の仕様となっている。しかも、4K×3系統の映像出力が可能で、本体のディスプレイと合わせて4画面表示も実現可能。多画面環境でデスク作業も快適にこなせられる。
もちろん、こういった充実したスペックと表示性能に優れるディスプレイは、一般ユーザーやビジネスモバイルユーザーにとっても大きな魅力となるだろう。
2,160×1,350ドットと画面が広い13型ノートレノボ・ジャパン「ThinkPad X1 Nano Gen2」
ThinkPadシリーズとして最軽量のモデル。第1世代よりやや重量は増えているものの、それでも1kg切りと十分な軽さを実現している。
重量は増えているが、そのぶん性能が大きく向上。CPUに第12世代 Core i7 Pプロセッサを採用し、メモリは最大32GB、内蔵ストレージは最大1TBと、充実した仕様となっている。標準で5G対応のワイヤレスWANも搭載しており、外出先でも場所を問わずネットアクセスが可能なのもうれしい。
ディスプレイは、アスペクト比16:10の13型2K液晶を採用。フルHDより高解像度かつ縦長のため、快適な作業が可能だ。もちろん、ThinkPadシリーズおなじみの快適に利用できるキーボードやスティック型ポインティングデバイスのTrackPointも搭載。効率良く作業をこなしたいビジネスマンにおすすめの製品だ。
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