2023年5月19日から21日の期間で開催予定の、G7広島サミット。会場の候補地に挙げられているのが「グランドプリンスホテル広島」だ。実は2016年のG7広島外相会合でも会場として選ばれており、確かな実績がある。
ここに先日泊まる機会を得た私(江川)。せっかくなのでホテルの方に当時の話を聞いたところ、予想外の事実が飛び出した。えっ、アレって政府持参だったのかよ……!!
・立地が最高
「グランドプリンスホテル広島」は、広島駅から南へ車で15分。広島空港からも高速道路の宇品出口からすぐなので、ほぼ高速に直結と言っていいアクセスの良さ。
また、宇品島は本土から橋一本で繋がっており、ホテルは島の端の海辺にある。アクセスは良好でもルートは限られるため、素人目に見ても警備的に非常に都合がいいのが明らか。
2016年のG7で会場として選ばれたのは、その辺の条件の良さもあってのことだろう。2023年のG7でも会場として選ばれるかはまだわからないが、広島県による誘致計画案では主会場に挙げられている。
ちなみに私がここに泊まることになったのは、広島県観光協会によるプレスツアーでの宿泊場所になっていたから。
それにしても驚くほど海ギリギリに建っている。年中波が穏やかな内海の強みか。部屋からの眺めはさぞいいだろう。
受付けをすべく中に入ると、いきなりロビーが映えまくっていた。この空間は結婚式の際に利用することもできるそう。
さて、私の部屋は16階の『プレミアムリゾートフロア「風」ツイン』という、お手頃な価格帯ながらも非常に素晴らしい部屋だった。
それをメインにしてもいいのだが、皆さんが真に気になるのはやはり最上級の部屋だろう。普通は宿泊しなければ入れないのだが、今回は特別に見せてもらえることに。
名称は『プリンスクラブフロア スイートルーム』で、1泊のお値段は279510円……! 2016年のG7外相会合のためにリフォームされ、そして参加国からの来賓が使用した部屋でもある。
それがこちら。総面積にして107㎡もあるなかの、リビング的なエリアだ。私のような低級庶民からすれば、ここだけで20人は泊まれそうな広さ。
備え付けられているTVのサイズが、もはや競馬場のラウンジのモニター。
素晴らしい眺めのバスルームに……
2名1泊3万円くらいのホテルの1室分に該当しそうな広さのベッドルーム。
そして2つあるトイレのうちの1つ。広さが一般家庭の風呂場なんよ。
・ステーキ&シーフード ボストン
さすがは国家の要人を想定してリフォームした部屋。クオリティがダンチだ! 次は実際に会合が行われた場所も見せてもらえるという。それがこちら。
『ステーキ&シーフード ボストン』という、ホテル22階のレストランだ。外務省のHPにも掲載されている、各国来賓が円卓を囲んでの集合写真はここで撮られたもの。ちなみにこの円卓等は実際に使用されたものではなく、ホテルによる当時の様子の再現だそう。
・政府持参
おや、なぜ再現? 別に実際に使ったテーブルを展示しても良いのでは? ホテルのテーブルじゃないのだろうか。気になったので聞いたところ、予想外の事実が発覚した。なんとG7で使用された円卓は、政府が用意したものだったらしい。政府がテーブル持参。
聞くとホテルが持っているテーブルは、どれもG7的にNGだったとか。さすがは国家の政策を左右する会合。
きっと何か特殊な条件を満たすものでなければダメなのだろう。この持参されたテーブルは、会合終了後に政府が持って帰ったそうだ。
ちなみに『ステーキ&シーフード ボストン』は1フロア全部使っているため非常に広い。その広いスペース内で、あえてこの一角という位置取りにも理由があるとのこと。
なんでも、他の場所からでは市内のビル群なり看板なりが背後の窓から見えてしまうため、集合写真で窓の外に海と島しか写らないこのスポットが選ばれたというのだ。
なるほどなぁ。確かにそういうのは意図せずとも宣伝効果が発生するなどして、問題視されかねないものな。G7ともなると、あらゆることに神経質になる必要があるようだ。
ということで、2023年のG7に向けて注目が集まる「グランドプリンスホテル広島」。G7関連の側面ばかりに注目したが、そもそも過去に1度選ばれているという時点で伊達ではない。
ホテルとしてのクオリティはガチだ! 1泊に30万近く出せるセレブな方は、ぜひスイートルームへ。ごく一般的な価格帯の部屋も、部屋からの眺めが最高だぞ! 皆さんも広島観光の際に泊まってみてくれ!
参考リンク:グランドプリンスホテル広島、外務省、広島公式観光サイト
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.