大阪府大阪市 長居植物園に常設しているチームラボによる夜の野外ミュージアム「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」では、2022年12月1日(木)から冬の期間限定で、大池に浮かぶランプが色彩豊かに光り輝くイベントを実施する。
ランプは、光だからこそ発色できる曖昧な色(水の中の光、水草のこもれび、朝焼け、朝空、たそがれ時の空、桃の実、梅の実、花菖蒲、春もみじ)に変化する。これは、近代以前の日本で、絹の表の色と裏の色の組み合わせ(当時の絹は薄く、裏地が透けたため複雑な色彩となった)や、重なる色彩のグラデーションなどの曖昧な色彩に季節の名前をつけた、「かさねのいろめ」と言われる色だ。
来場者がランプの近くで立ち止まっていると、もしくは風に吹かれてランプが傾くと、ランプは色を変えて強く輝き、音色を響かせ、その周辺のランプも次々に呼応する。
「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」のアート空間は、春夏秋冬、植物園の四季と共に移り変わり、今後も季節限定の植物を活かした作品などを展示する予定。また、クリスマス、年末年始も休まずオープンする。
長居植物園は、野球場などを備えた総合公園として1944年に開園した長居公園内にある。1974年の開園から50年経ち、今では多くの野鳥が生息し、オオタカやフクロウも目撃される。オオタカやフクロウは食物連鎖の頂点に位置する生物で、健全な生態系がないと生きていけないと言われている。つまり、大都市の中に、人工的につくられた植物園とその中央の池が、人と共に生態系をつくっており、人も含めた都市の中の人工生態系とも言える。
これまで人間がつくってきたものは、石ころのように、それ自体で安定的な構造を持っている。そのため、外界から遮断され密封された箱に入れても存在し続ける。しかし、生命はそれとは違い、閉じた箱に入れられると存在を維持できません。生命は自ら安定的な構造をもっていない。
生命は、外部から食物として物質とエネルギーを取り込み、物質を排出し、エネルギーを外に散逸させながら、秩序構造を維持している。生命の構造は、そのもの自体ではなく、それらと連続する環境によってつくられている。つまり、生命の存在の輪郭は、肉体の物理的な境界面ではなく、それらと連続する環境も含めた曖昧なものなのだ。
長居植物園で展示する、草木そのものや、ここに生息する鳥のふるまいを使った作品群は、草木や鳥が存在することで、存在している。その草木や鳥は、植物園の森や池、生態系と切り離せず、環境が維持されなければ存在しない。つまり、環境が維持されなければ、作品も消えてなくなってしまう。作品群の存在の輪郭は、作品の物質的な境界面ではなく、周辺の環境に対して連続的で曖昧なのだ。
そして、作品は、吹く風や雨、そこにいる人々のふるまいの影響を受けてインタラクティブに変容し、環境と人々を作品の一部にしていき、人々と作品、草木、森や池、生態系や環境が、境界なく連続していく。
チームラボは、この展示において、人々の意識が、作品そのものから環境に広がっていく場を模索していこうと思っている。
<チームラボ ボタニカルガーデン 大阪>
botanicalgarden.teamlab.art
#チームラボボタニカル
常設
長居植物園 (大阪市東住吉区長居公園1-23)
開催時間:
<11月>
18:00~21:45(20:45 最終入場)
休園日: 11/28(月)
<12月・1月>
18:00~21:30(20:30 最終入場)
休園日: 12/12(月)、12/26(月)、1/10(火)、1/23(月)
※ 開催時間はシーズンによって異なる。
ハイライト動画: https://youtu.be/P0NcRNp3Vjo
長居植物園: https://botanical-garden.nagai-park.jp/
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