危機管理対応のダメな見本:山際太志郎大臣が辞任に追い込まれた理由

アゴラ 言論プラットフォーム

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

辞任に追い込まれた山際氏 旧統一教会総裁との面会写真、迷走あらわ
https://www.asahi.com/articles/ASQBS62ZXQBFULFA02S.html

旧統一教会との関係を巡って追及されていた山際大臣、ついに辞任へと至りました。明日には大臣所信表明演説が行われますから、その前に…ということなのでしょうが、岸田総理も優柔不断だったと言わざるを得ません。

私個人としては国会質疑で山際大臣の件に触れたことはありませんし、過去に特定団体と接点があったからといって即座に大臣や政治家として不適格になるとは思いません。きちんと説明を果たし、今後は改めていけばそれで良いはずです。

しかしながら、山際大臣の対応はさすがに酷すぎました。このプロセスから考えれば辞任は妥当だったと思いますし、むしろ政権側の決断としては遅きに失したと思います。

危機管理対応の鉄則というのは、

・情報はできる限り最初にすべて出す(小出し後出しにしない)
・自分に不都合なことでも丁寧に説明責任を果たす

ことですが、見事にこの真逆へ行ったのが山際大臣です。自主点検が終わった後、報道によって次々と新事実を暴かれて追い込まれていきました。

取材に応える山際大臣 NHKより

ただそれだけなら、まだリカバーできる余地はあったかもしれません。極めつけは「覚えていない」「記憶にない」というあまりにも不誠実すぎる説明・答弁で、この瞬間に山際大臣の強制辞任への道は決まったといっても過言ではありません。

なぜなら岸田総理は旧統一教会との「関係を断つ」と明言しています。しかし自身の行動に対して記憶がなくなるような大臣であれば、当然、関係を断つことなんてできない(少なくとも証明・説明できない)わけです

色々なイベントに行ったりたくさんの人と写真撮ったりすれば、中には記憶が曖昧になっているものも当然あります。政治家も人間ですから。

それにしたって説明の仕方というものがあるし、あの居直りとも言える態度は、国民の不信を招いたと糾弾されるのは仕方ないものだったと思います。

[embedded content]
動画でもコメントしました。

政権には大きな打撃になりますが、いずれにしても喫緊の課題は被害者救済・再発防止に向けた立法です。

当事者の方々からは「少なくとも今の野党案から一歩も後退してほしくない」という後押しの声もいただいています。

消費者契約法の改正というミニマムな対応でお茶を濁すことなく、政府与党には真摯に取り組んでいただき、与野党協議会にて一致点を見出していきたい所存です。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年10月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。