岸田文雄首相(65)が長男の翔太郎氏(31)を内閣総理大臣秘書官に起用したことに、野党からは批判の声が上がっている。
松野博一官房長官は2022年10月4日午前の記者会見で、起用理由について「人事は本人の人格、識見を踏まえ、適材適所の考え方で行っているものであり、今回の人事も同様の考え方によりご判断されたものと承知しております」と答えている。
「公私混同でなければと願う」
岸田首相が上記の方針を固めたと報じた10月3日の記事に対し、立憲民主党の蓮舫氏は4日、「人事活性化で子どもを秘書官に。マジか、と思ってしまいます」とし、「なぜ、周りが止めなかったのか。あるいは聞く耳をもっていないのか」と、ツイッター上で疑問を呈した。
立憲民主党の小沢一郎氏も同日、ツイッターを更新し、「難題が山積するこの状況下、岸田総理が出した結論がこれ。恐ろしい感覚」と批判。続く投稿で「この状況下、究極の身びいきのような人事をやって、国民がどう感じるか、全く理解できていない」と述べている。
4日の正式発表を受け、立憲民主党の小川淳也氏は同日、「公私混同でなければと願う。岸田総理ご自身もスタートはお父様の秘書から。やはり世襲政治家一家ならでは、なのか」とツイッターに投稿した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、同日午前の記者会見で、翔太郎氏を「優秀な方だと思います」と評価しつつも、「このタイミングでそういうことをするというのは、客観的に見て感じ悪いですよね」と苦言を呈した。
玉木氏は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題に触れ、「自分の内閣の官僚に対して厳しくやっていないんじゃないのかという中で、今度は身内を秘書官にするということが与える印象ですよね」とし、「正直その印象はよろしくないのではないかなと思います」とまとめた。
一方、立憲民主党の岡田克也幹事長は、同日午後の記者会見で、今回の発表について「特に申し上げることはありません。それぞれのお考えだと思います」とコメント。記者が再び「身内びいき」の観点から質問すると、岡田幹事長は「(総理秘書官は)総理が最も適切だと思う人を選ぶわけで、『身内びいきだ』とか『経験を積ませる』とか、そういう報道もありますけど、総理がどう考えているか分かりませんので、私は軽々にコメントしない方がいいと判断して、先ほどのご返事になりました」と説明している。