「統一教会とすぶすぶだった安倍元首相」とか、そこそこ教育もありそうな一般の人々が本気で信じて口にしている。どうも安倍さんが信者であるとかそれに近い存在だと勘違いしているらしい。
さすがにそんなことは、テレビでも言っていないのだが、「ずぶずぶ」とかいう表現で印象操作してそういうイメージを与えているらしい。
信者でなくとも教祖に敬意を払うのは、こちらは、世界の常識だ。さらに、日本人は信者でなくなくとも宗教についてけじめがない。教会で聖体拝領をするのは信者だけだが、日本人はそうでなくともありがたく戴いたりする。いくつもの宗教の信者になることも平気だし、とくに政治家はそうだが、安倍さんはそういう関係などでまったくない。
それどころか、まったく相容れないといってもよい。
安倍さんをよく知る人の何人かと安倍さんの宗教って何か議論したら、しいていえば神道だろうという。毎朝、神棚に参ることは欠かさなかったらしい。吉田松陰的なものだ。
安倍家の宗教はなにかといえば、芝の増上寺で葬儀を行ったことでもわかるように、長門市の浄土宗寺院の檀家らしい。
ただ、日本人の多くがそうであるように、八百万の神を崇拝し意味のあるものと考えていたようだ。
仏教関係者で話を聞くのが好きだった人もいるようだが、それは、神仏融合的なとらえ方のなかだったのではないか。
占いとか縁起を担ぐのは興味があって、今月の運勢がどうのこうのというのに、極端にこりはしないが、自信をもって何かをするためにそういう話を好んで聞いたし、予言が当たった人にすごいという感想ももっていた。
それに対して、キリスト教的なものについては、ほとんど接点もないし、思想的な影響も感じられないし、興味もなかった。そういう意味で、キリスト教的新興宗教である旧統一教会に惹かれたりするはずがないのである。
家族では、母親の安倍洋子さんが仏教系新興宗教の真如苑に興味をもっていると週刊誌報道ででたことがある。どの程度、熱心なのかは知らないが、交流はあるらしい。真言宗系である。Newsポストセブンには、以下のような紹介がのっている。
新宗教を取り巻く“逆風”の中で、増加傾向を見せているのが「真如苑」だ。信者数はこの10年で87万人から93万人に増加。このままのペースでいけば10年後には100万人の大台に乗る。
信者の活動は「接心」と呼ばれるカウンセリングがメイン。政治への関心は低く、“厳しい修行”や生活への縛りもほぼない「現代人のニーズにマッチした新宗教」と言われる。
芸能人に信者が多い宗教で、沢口靖子さんなどがよく知られている。
母親が信心してたとしても、安倍さんがとくに関係あったとも聞かない。もちろん、この宗教は旧統一教会とは犬猿の仲である。
昭恵夫人はカトリック系の聖心女学院卒だが、クリスチャンというわけでなさそうだ。
むしろスピリチャルな方向に興味をもっていることはよく知られて、下記のやはりNewsポストセブンにも出ている。
スピリチャルとは、目に見えないエネルギーとしての「Spirit」から生まれる体験の全般で、典型的にはパワースポットを信じるようなことをいう。
私はつゆも興味がないのだが、これが好きな人はいくらでもいるが、極端なことにならない限り、たいした問題は起きない。
安倍さんは、昭恵さんがこの方面が好きなのを微笑ましく見守りつつ、「自分はああいうの興味ないけどね」と親しい人にはいっていた。
いずれにせよ、一体全体、安倍さんが旧統一教会に共感をもっていたなど、およそありえない、というか、そういうものともっとも遠かったことは間違いない。