果たしてUFOは出現したのか、あるいは…?!
「UFOラインでUFO遭遇チャレンジツアー」……れっきとした、正規の旅行企画である。その名のとおり、四国は石鎚山系の尾根を走る「UFOライン」、そこでUFOを呼ぼうという、すこぶる真面目なツアーが9月初旬に開催された。
なんとゲストが、あの「世界の謎と不思議に挑戦する」スーパーミステリーマガジン、月刊『ムー』の三上編集長。だったら私もお客として参加したいくらいなんだが、なぜか同じくゲストとして呼ばれてしまったのだ。畏れ多すぎ。というわけでへこへこしながら、UFO呼びに四国へ行ってきました。
さあ皆さん心をひとつに
まずはUFOを呼ぶシーンから。深呼吸して、お茶でも淹れてリラックスしながらご覧ください。
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1日目:ライトなUFOファンだけどいいのですか
ではこの集まりに至った経緯を追っていこう。
このUFOツアー、開催はつい先日だったが、企画立ち上げは2019年から画策されていた。近畿以西で最高峰の石鎚山、その地域を盛り上げるべくさまざまなツアーやイベントを企画している株式会社ソラヤマいしづちさんから、宇宙グッズをいろいろ出している私にある日突然企画が持ち込まれたのである。それにしてもなぜ私に、と驚きつつも、真剣にUFO呼ぼうってんだから、絶対ここはYesだ。この機会を逃したら、きっと一生ないなUFO呼ぶ機会。
しかしながら例のコロナで、延期に次ぐ延期を余儀なくされていた。それがついに、なんとか今年、開催が叶ったというわけだ。
さて今回イベントの大部分は、UFOライン沿いの山中にある「山荘しらさ」で行われる。現地スタッフさんに連れられて早朝、麓の愛媛県西条市から車で向かうが、この天気である。
この日ははるか先島諸島に、台風11号「ヒンナムノー」が停滞していたあおりで、暴風雨と本当に少しの晴れ間(or薄曇り)が交互にやってくる事態。まずい、これはまずい。UFOってたぶん台風の時とかは、あんまり来なさそうじゃないか。
実は昨年の6月に現地の下見に訪れたのだが、そのときも空は真っ白だった。私はだいたい取材のときは晴れる、と思っていたが、どうも四国の山には通じないらしい。よくわかんないがさすが四国。
そもそもなぜ石鎚山でUFOか。石鎚山といえば山岳信仰や修験道で知られるが、昔から「山のほうに大きな光が落ちる」など、さまざまな目撃例が後を絶たない地なのである。1990年には偶然「W字の形」のUFOも撮影され、地元紙に載り話題になった。
そしてUFOライン。本当は高知県の「町道瓶ヶ森線」なのだが、ここでくだんのUFO写真が撮られてから、当時の「山荘しらさ」管理人をされていた方が『雄峰(ゆうほう)』と『UFO』をかけてUFOラインという愛称をつけたのだという。シャレてますな。
そのUFOラインを行った先に、本日の宿兼イベント会場「山荘しらさ」はあった。名前のごとく、ではないけども周囲は真っ白さ。
後から総勢11名のお客様もバスで到着し、まずは三上編集長のトークショーである。私も聞き役として列席だ。うかうかと「わーい私もお話聞ける」ってなテンションで臨んだのだが、ほらこういう時って、気の利いた返しとか必要よね。しかし圧倒的な知識量と引き出しスピードに、ほぼあいづちマシーンとなってしまったよ。
石鎚山に眠るという聖櫃の話からユダヤ、旧約聖書の話にまで及び、そして地理地質的なこととして火山のあるところにはUFOが多発する、神社等パワースポットでのUFO目撃例の多さ、そこから四国の構造線のことなど……某実験施設で、建物が浮いた話とか……アメリカは真剣にUFO研究をアップデートしているが、日本はまったくなってない、などなど、書いてる今も頭の中が核融合状態。プラズマを発しそう。
そしてトークの次は、ついに来た、UFO召喚タイムである。折からの雨風が少し収まったタイミングで、山荘のデッキに集合だ。
事前に我々は、UFOコンタクティーで知られる秋山眞人氏のツアー特別レクチャー動画で、UFOを呼ぶ心得を学んでいる。それに乗っ取り、まずは参加者諸氏の体験談を聞く。親子で(!)連れ去られた経験を持つ女性や、昨夜の夢で何かの文字がずっと映し出されていた男性、動画に撮ったUFOを見せてくる女性など、多くの方に目撃経験が。こんなツアーあるだろうか。
だんだんと迎える雰囲気が出てきたところで、三上編集長の掛け声とともに、輪になって天に呼びかけることとなる。そう、あの掛け声「ベントラ、ベントラ、スペースピープル」だ。
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この3度の掛け声を発しているときの私の思いといえば、「孤独のグルメ」井之頭五郎風に独白すると、
・1度目:おお、本当に呼ぶんだな我々は。そうかこれをしにきたんだよな。今道路から我々を見た人がいたら、どう見えるかな……
・2度目:いや集中しなくちゃな。写真も撮りたいが。しかし自分の発声、少し照れるな。
・3度目:声が霧の中を抜けて空に登っていくのは快感だな。そうか、こういう快感が天に伝わるといいのかな。
という感じで、最初はこの状況に軽く唖然・茫然としていなくもなかったが、3度斉唱するころには「もう、なすがままに!」という方向へ変化していった気がするのである。細かく分析したつもりが、余計わかんなくなっちゃったぞ。
2日目:さまざまなアプローチでUFOにアピる
明けて2日目、外は昨日以上の荒々しさ……。
本来ならこの日は近くの山に軽いトレッキングをし、山頂の開けた場所でUFOを呼ぶという予定だったのだが、数日来の雨で地面が危険と判断し、早々に中止とされていたのである。
そこで私の出番です。かねてより作っていた「UFOブローチ」のワークショップだ。UFOアブダクションをモチーフにし、怪光線の部分が反射板になっているという、怪しいながらも夜道安全な品でございます。
まあこういう毛色の変わったプログラムも良いだろう、ということの他にこれには意味がある。この「UFOに絵付けする」という芸術作業を通してUFOのことを思い続けると、UFOというものは確実に我々に近づいてくるものなのだという。
と、この作業を見回っている間に、雨が止んだり窓の外が明るくなってきたりして、スタッフと「これはまさに、芸術のたまもの!」と盛り上がっていたのだけど、さあ召喚チャレンジという段階になってこの天気。
すると、どうだろう。この2日間で最大の晴れ間が!
うーん、なかなかスカッと晴れないので、踊ることにした。「天岩戸」方式である。こういうリラックスした気分も、UFOに効くとのことだからして!
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ひととおり、後悔のないよう何度かの唱和を経て、今回のUFO召喚儀式を終えた。果たしてUFOは現れたのか?この足早な雲の向こうに、強風にあおられながらもじっと佇んでいたのだろうか。
淡い雲の向こうに太陽がうっすら透けたとき、太陽だ!と思わず撮っていた写真があるのだが、びっくりした。肉眼では、輝きを失って輪郭だけの太陽に見えていたのに。
「もうこれがUFOってことで、いいね?」と寺田さんに送ったところ「間違いないですね!」とのことだったので、UFO、呼べました。
小さい頃は、ドラえもんでUFOを呼ぶ話とか、ケイブンシャ大百科でUFOや宇宙人の話を読んで、UFOを呼びたいと空に念じかけたものである。それが成長するに連れ、空さえ見上げることも少なくなっていた。
でも創作物などで見るような召喚の儀式に、潜在的に「輪になってあんなふうに大勢でUFO呼ぶの、ちょっとやってみたい……」と憧れてはいたのだ。ここまで読んでいる皆さんだってそうだろう。そうとおっしゃい。
それが、今この四国の山中で叶っている。最初は照れもあったが、数を重ねるうち、空の挙動に一喜一憂するのが(しかも目的がUFOだ)、大人としてとても新鮮で痛快な体験だった。この荒天にもかかわらず、参加の皆さんの楽しみっぷりもすごく、逆に一体感が生まれたように思う。また来年もあれば、必ず遭遇するよう初手から全力で行こう。アマノウズメのコスプレしたっていい。
取材協力:株式会社ソラヤマいしづち
撮影協力:ムー編集部
おまけ
全てのプログラム終えたあと、三上編集長が黙って何やってるかと思えばUFO撮っていた。
【告知】
大阪「CASO」でのソフビ展示即売会「ソフコン」に妄想工作所として出展します。UFOキャラのソフビ持っていきます。
10月16日(日)11:00〜18:00 入場料500円