クラウドファンディングサービス「Makuake」を展開するマクアケは9月16日、独自ECサイト「Makuake STORE」をリニューアルオープンした。ECへの本格参入を果たした格好で、2025年までに年商（Makuake STORE事業単体のGMV）5倍を目指すとしている。
左からマクアケ共同創業者で取締役の坊垣佳奈氏、ビジネスサポート本部の山下ゆかり氏
Makuakeはこれまでも簡易的なEC機能を備えていたが、複数商品を同時決済できる「カート機能」などを利用できない不便さがあった。新生Makuake STOREでは、「カート機能」や「ゲスト購入機能」を実装。かつ、Makuakeから分離した新サイトとすることで、本格的なECサイトとしての体裁を整えた。
強みは商品ラインアップのユニークさだ。同ストアに並ぶ1万2000点以上の商品は、いずれもMakuakeのプロジェクトでサポーターが応援購入し、その後一般販売に至った商品だ。
「『炎と暮らす』新発想の持ち運び式ファイアーポット」”
「切れ味とデザイン性を兼ね備えたキッチンバサミ」
「燕三条発、刃がないから洗いやすいステンレスおろし金」
なお、他のECでも同じ商品を購入できる場合があるが、同ストアではMakuakeのプロジェクトページにシームレスにリンクし「どんな人が応援していたのか、Makuakeでの実績を参考に購入できる点が、ECとしてのオリジナルな点」と坊垣氏は説明する。
また、「欲しい商品に偶然出会える」（坊垣氏）仕掛けも用意している。「リアルのウィンドウショッピングでは、なんとなく探していて『そうそうこれが欲しかった。実は私にこういうニーズがあったんだよね』的な体験ができる。そういった体験をオンラインで提供する場にしたい」と坊垣氏は話す。
好みの商品に偶然出会える機能として「タグ機能」を用意した。商品を独自の12種類のタグに分類し、気分やムードにピッタリの商品を探せるという。さらに「ワタシ、傘持つのやめました」「ずるい在宅ワークグッズ」など、ユニークな切り口で商品を分類した「プレイリスト」や、各ジャンルに精通した「究め人」が、トレンドや商品選びのポイントを紹介するオリジナル記事も公開する。
タグをもとに商品を探せる機能を実装
各ジャンルの「究め人」が商品選びのポイントを紹介するオリジナル記事も配信
なぜこのタイミングでEC本格参入に至ったのか。坊垣氏によると、コロナ禍でMakuakeにおけるプロジェクト数が飛躍的に伸びたことがきっかけだという。プロジェクト数の増加によって、ECを立ち上げられるだけの商品数を確保できたと判断し、今回の立ち上げに至ったとしている。出店手数料は無料。マネタイズについて山下氏は「決済時に20％の手数料をいただく」としている。
また、Makuakeのクラウドファンディングとのシナジーも意識している。「Makuake STOREに出店するためにはMakuakeでプロジェクトを成功させることが条件。Makuake STOREに出店するために、Makuakeでプロジェクトを実施するといった相互作用も想定している」と坊垣氏は述べた
【9月16日16時41分追記】
当初本文中にて「MakuakeとMakuake STOREの合算で年商5倍をめざす」と記載しておりましたが、こちらは「2025年までに年商（Makuake STORE事業単体のGMV）5倍を目指す」の誤りです。訂正しお詫びいたします。
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