iPhone SEいいよ?
もうすぐ発表されるであろうiPhone 14、楽しみですね! ギズ編集部でも毎日ワクドキみんな盛り上がっています。最近は噂が出まくるので、答え合わせのようになっている発表会ですが、それもまた楽しい。
…で、最新iPhone目前の今言います。iPhone SEもいいんだよ?
ちょっと前まで「iPhone SE使ってる」と言うと、編集部から「???!?!??」という目で見られていました。しかし、最近では最高位機種を使う編集部員でも「わかる。iPhone SEでいいのよ」という声がでてくるように。
誤解を恐れずに言うと「フツーの人はiPhone SEでいい」です。いや、iPhone SEでいいのではなく、iPhone SEがいいんです。これくらいがフツーの人にはちょうどのバランスなんです。ここでいうフツーの人とは、まずガジェット好きではない人(ここでギズ編集部の95%は外れました)。スマホをファッションアイテムと捉えていない人(今、この手の人たちの意識はNothing Phone (1)に向いてます)。そして、スマホを機材として使わない人(カメラマンやゴリゴリの動画配信者はここで外れます)。
インターネットは今やインフラ。スマートフォン=生活必需品と言っても過言ではない現代。上記以外のフツーの人々は、スマホが欲しいのではなく「情報にアクセスできて、写真が撮れて、家族友人とコミュニケーションが取れる箱」が必要なのです。使わないスペックや機能はいらんのです。欲しいのは車ではなく、アシなんです。
そう思っていてもなんとなく、本当になんとなーく、SEではなくiPhone(無印)を選ぶ人はいるはず。iPhone SEを手に取る壁となっているのは、きっと、カメラ、サイズ、ホームボタンにあるのではないでしょうか。実はこれってSEの利点でもあるんですけどね。
壁その1 ホームボタン
見た目のわかりやすい違い、あると思います。ハイスペック機種がホームボタンなしなので、パッと見で安価端末とバレるのが恥ずかしいとか、ホームボタンは古い仕様と思っている人、いると思います。その気持ちもわかります。ただ、ハイスペック=自分が使いやすいとは限らないことを忘れずに。そもそもスマホのレベルでマウントとってくるようなやつはダセェ。
ホームボタンのあるなしで大きく変わるのは、Face ID(顔認証)か、Touch ID(指紋認証)かです。これ、正直、好みの問題。Face IDの方がより直感的だと感じることもあれば、Touch IDの方がスムーズと思うこともあります。
例えば、デスクの上にiPhone置いて仕事している時にメールなどの通知が来た場合、Touch IDなら端末を持ち上げることなく、指ポンで確認できて楽です。(たまーに端末持ち上げずに顔をかざすとアンロックされる奇跡もある。でも稀だと思う。)アクセサリ感覚でクセ強メガネを毎日変えて楽しむ人は、Face IDで認識されないことあるので、毎日変わらない指紋認証の方が使いやすいでしょう。一方で、手荒れがヒドイ人や、水仕事が多いなど指ポンしにくい人はだんぜん顔認証。ね? 人それぞれ。どっちがいいとかじゃないんです。
ただ、物理的にホームボタンがあることで、どうしても端末サイズに対してスクリーンは小さくなってしまいます。これ、迷うところ。次の「サイズ」とも関係しますが、ここは実機を前に納得いくまで悩むしかないです。
ちらっと気になるのは、すでにiPhone SE次世代の噂が出ており、どうやらiPhone XRがベースになりそうだとかなんとか…。ホームボタンがなくなる=Touch IDがなくなる可能性もあります。本当ならば悩みも減りますが、iPhone SE独特の良さもなくなっちゃうから、なんかモヤモヤ。希望としては、ホームボタンなくて全面スクリーンで、サイドの電源ボタンでTouch IDいける仕様ですかね。(え、じゃぁ全機種サイドボタンにTouch IDも搭載しといてほしいんだけど…)
壁その2 サイズ
小さい方がいい、手に馴染みやすいと感じる人は、SE好きなはず。特に、iPhone 14シリーズはminiなしという噂がでていますから、これが本当ならばSEの利点はアップします。
昨今、キャッシュレスが進んでいるおかげで、スマホのみ手ぶら派やミニバッグ派も多く、スマホのサイズ選びは重要。サイズ悩みを解決するには、実機を持ってみるしかありません。実機を握ってどこまで指が届くか試してみるしかありません。
スマホに貼り付けて使うタイプのカードケースなどを使っている人も、実機で確認するのがオススメ。(細かい話になりますが、無印かSEかで、カメラの数が違う=カメラに割かれるスペースが異なるので、端末サイズだけでなく実際の空きスペースを確認しておかないと貼れないことも!)
壁その3 カメラ
SEを迷っている多くの人にとって最大の理由は、やはりカメラにあるのではないでしょうか。SEの魅力のひとつは「搭載されているチップがフラッグシップ端末と同じ」ということですが、これ、フツーの人には「ほーん」くらいの話。一方、カメラと言われるとなんか気になっちゃう。誰だって綺麗な写真が撮りたいですからね。AppleのサイトでiPhone比較しても、カメラの違いはわかりやすいので、目がいきます。
正直、確かに無印iPhone以上を使っている人に写真を撮ってもらうと「!!!キレイ!!!」と思います。ディティールまでしっかり、かつ写真が明るいです。ギズスタッフでiPhone 14シリーズのどれかを購入予定の人はみんな「カメラが…」と、期待を寄せています。
では、iPhone SEの写真は汚いのか? いや、綺麗ですよ。画像がギザギザしててさ…なんてことないですよ。いつの時代のお話ですか! Instagramにアップするなら十分です。どうせ加工するんです。BeRealユーザーなら、むしろ歓迎すべきちょうどいい塩梅の綺麗さでしょう。
スマートフォンが普及するにつれ、カメラは中心的機能としてどんどんスペックアップしていきました。今や高位機種スマホのカメラは機材と呼んでいい代物です。日常の写真を撮る程度のスペックは、とうの昔に超えているんです。だから、高位機種と比較して「カメラがなぁ」と悩むことはありません。だって、高位機種は機材だもん。
そもそもiPhoneでカメラがデュアルになったのは、iPhone 7 Plusから。無印iPhoneがデュアルになったのは、その翌年のiPhone Xから(iPhone 8はシングルのまま)。フツーの人がわかりやすく気になる画素数は、iPhone SE初代からiPhone 7、8、SE第2世代含め、最新のiPhone 13 Pro Maxもカメラの数は違えど、12MPで同じです。ちょっと玄人よりのF値はiPhone 7からf/1.8になっており、iPhone 11まではf/1.8をキープ。iPhone 12無印からメイン広角はf/1.6、Proになるとf/1.5と、やはりハイエンド機種になるほど明るくなっています。つまり、画素数はiPhone SEで問題なし、F値も十分。となれば、フツーの人が「カメラがなぁ」と言っちゃうのは、カメラの数が気になっているからですよね。
カメラの数が多い=レンズの種類が多いということ。超広角(ひろーい範囲が撮影できる)や望遠(ズームで遠くにあるものも大きく撮影できる)があると、撮影の幅が広がります。でも、今話しているのはフツー人の話。怒られそうだけど言います…、フツーの人が日常をちょいちょい撮影するくらいなら、撮影の幅、広がらなくてもよくない? あってもいいけど、なくてもよくない?
なくてもよくない?
そう、iPhone SE最大の魅力は、この「あってもいいけどなくてもよくない?」を省くことで、価格を抑えているところです。これが、車ではなく移動手段を必要とする「フツーの人にはこれがいい」理由です。
カール・ペイ氏の言葉
Nothing CEOのカール・ペイ氏は、Nothing Phone (1)リリース時にあちこちでインタビューを受けていますが、その時、こんなことを言っていました。家電を惰性で選ぶようにスマートフォンも選んでいる現状から、もう一度ワクワクするようなスマートフォンを作りたいと。確かに、Nothing Phone (1)を購入している人は、目的のためにスマホを買っているのではなく、Nothing Phone (1)が欲しいから買っているのでしょう、ワクワクドキドキしながら。Nothing Phone (1)のGlyphもペイ氏のビジョンも、私は大好きです。…でも、みんながみんなスマホにワクドキしなくてもよくない?
現に、私はメガネを選ぶ時、調味料を買う時、洗剤をカゴにいれるとき、ワクドキしません。惰性で買っています。でも、ハンドソープはちょっとワクドキして冒険しちゃう。何にワクドキするかは人それぞれ。スマートフォン=誰もが持つ生活必需品となった今、スマホにワクドキしない人もスマホを持っています。そういうフツーの人に推したい、それがiPhone SEです。
iPhone SEいいよ?
もちろん、ワクドキしながらiPhone SE使うのもいいよ!