西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は7月14日、鉄道ルートの光ファイバーを活用したサービスを展開する子会社のJR西日本光ネットワーク株式会社(JRWON)が、大阪~福岡間を接続する「WDM波長提供サービス」と「WDM専用線提供サービス」を2023年初めに開始すると発表した。
現在、国内では東京と大阪にデータセンターやIXが集中しているが、福岡はそれに続く第3のネットワーク拠点として注目されているという。そのため、大阪~福岡間の新たな回線として、耐災害性に優れた山陽新幹線のルートの光ファイバーを活用したサービスを提供することになった。
WDM波長提供サービスは、サービス品目は「75GHz」のみで、サービスクラスは「シングルクラス」、サービスエリア/接続ポイント(予定)は、QTnet福岡第3データセンター、岡山駅、広島駅、NTTテレパーク堂島 第1ビル~第4ビルだ。
WDM専用線提供サービスは、サービス品目が「10Gbps」の場合はインターフェースが10GBASE-LR、「100Gbps」の場合は100GBASE-LR4となる。サービスクラスは10Gbps・100Gbpsともに「シングルクラス」、サービスエリア/接続ポイント(予定)は、福岡市内(QTnet福岡第3データセンターなど)、岡山県内、広島県内、山口県内、大阪市内(NTTテレパーク堂島 第1ビル~第4ビル、エクイニクス OS1/OS3、デジタルエッジ OSA1など)となっている。
用途としては、大阪と福岡間の接続、大阪または福岡エリアと中国地方各地との接続、既設ネットワークの増強や冗長性の確保が挙げられている。
また、JRWONは同じく2023年初めに、ビー・ビー・バックボーン株式会社と共同で、大阪市内のデータセンターを接続する光ファイバーネットワーク「大阪なにわリング」の提供を開始する。大阪~福岡のWDMサービスは、この大阪なにわリングと接続することが考慮されている。
具体的には、大阪側のWDM装置は、NTTテレパーク堂島 第4ビルに設置。このNTTテレパーク堂島 第4ビルと、NTTテレパーク堂島 第1ビル~第3ビル、京阪神OBPビル、エクイニクス OS1の距離は10km未満だ。そのため、福岡側のWDM装置が設置されるQTnet福岡第3データセンターは、NTTテレパーク堂島(第1ビル~第4ビル)、京阪神OBPビル、エクイニクス OS1と、メディアコンバーターを通さなくても接続できるとしている。