マイクロソフト、自動車での「HoloLens 2」活用でフォルクスワーゲンと提携

CNET Japan

 未来の拡張現実(AR)対応グラスをかけて歩き回るには、依然としてライフスタイルや安全面で未解決の課題が残っている。こうした状況にあって、ビジネスに重点を置いたARヘッドセット「HoloLens 2」を開発したMicrosoftは、車内でのAR活用にも狙いを定めている。


提供:Microsoft/Volkswagen

 Microsoftは米国時間5月5日、Volkswagenとの新たなパートナーシップを発表した。その目的は、高速で走行する車でARヘッドセットが動きを追跡する際に現状抱えている問題を解決することだ。HoloLens 2は、静止している時や歩行中に現実世界をスキャンして仮想オブジェクトを重ね合わせることができるが、動きを速めると追跡できなくなることが多い。Microsoftは、「移動プラットフォーム」モードがこの問題を解決する足掛かりになると考えている。このモードはさまざまな用途に使える可能性があり、ドライバーの訓練だけでなく、自動運転車の乗客がARを利用することも可能になるとしている。

 車とAR技術の境界を乗り越えようと模索している企業はMicrosoftだけではない。Meta Platformsは2021年にBMWとの提携を発表し、未来のスマートグラスを運転中に装着した場合に生じる安全上の問題を調査することを明らかにした。フィンランドの仮想現実(VR)/ARヘッドセットメーカーVarjoはVolvoとの協業で、複合現実(MR)ヘッドセットを利用してテスト車で安全機能をモデル化する取り組みを進めている。また、すでに多くの自動車メーカーの間で、AR機能を搭載したヘッドアップディスプレイをダッシュボードに組み込む動きが広がっている。Volkswagenはすでに一部の車両向けに独自のARヘッドアップディスプレイを開発している。


提供:Microsoft/Volkswagen

 MicrosoftがVolkswagenと共同開発するシステムでは、車とHoloLens 2を連携させることで、車からのリアルタイムの情報を表示および制御でき、動いている外界の一部にホログラフィックARを重ね合わせることができるようになる。この提携は将来の研究に大きな重点を置いているように見えるが、Microsoftの移動プラットフォーム対応AR技術はすでに船舶に応用されており、今後はエレベーターや電車など他の「移動環境」にも適用する計画だとしている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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