【最新版】フルワイヤレスイヤフォン(TWS) おすすめ10選

PC Watch

 完全(フル)ワイヤレスイヤフォン(以下TWS)は、「True Wireless Stereo」の略で、一般的にはイヤフォンのイヤーピースとハウジングのみで構成され、ケーブルが一切存在しないワイヤレスイヤフォンを指す。この場合、通常のワイヤレスイヤフォンはハウジング同士がケーブル接続されている製品を指す。

 TWSの魅力はケーブルが完全に存在しないため、装着して何かを聞きながらの作業の自由度が飛躍的に高まることだ。例えばジョギングなど音楽を聞きながら運動したいような場合、スマートフォンをポケットに入れて有線イヤフォンで接続していると、ケーブルが引っかかって困る場合があるが、TWSならケーブルを気にせず運動しながらでも音楽が楽しめる。

 また、電話会議で使う場合も、有線だと常にスマートフォンを持ち歩く必要があるが、TWSならスマートフォンから離れて周囲の片付けをしたり、飲み物を取ってきたりなど、行動が自由になるのが嬉しいところ。これらのメリットは通常のワイヤレスイヤフォンにとってのメリットでもあるのだが、ハウジング同士を繋ぐケーブルの存在が時に邪魔になることがあるため、こうした取り回しに関してはTWSの方が1枚上手だ。

 筆者も昔からTWSをあれこれと使ってきたが、やはり充電ケース兼収納ケース1つで持ち運べてスマートな点がお気に入りだ。通常のワイヤレスイヤフォンも単体で持ち運べるのだが、カバンにしまっているとケーブルがこんがらがるなど、いざ使おうという時にもたつくことよくあるのだ。

筆者所有のTWSの一部。今回の10選に際して、気になった機種は実際に購入して試してみた

 一方でTWSならではの弱みもある。イヤフォン本体がイヤーピースとハウジングのみで完結するため、耳穴にピッタリフィットしていない場合、落下や紛失の危険があることだ。耳の中に入れていたものが落ちるため、落下した事実にはすぐに気が付けるのだが、落とした場所によっては回収不能になってしまうこともあるので、装着感は通常のイヤフォン以上に注意しておくのがいいだろう。また、ハウジング部に耳掛けを備える製品をチョイスするというのも有効な選択肢の1つだ。

 筆者は過去に1度だけTWSを紛失したことがある。落とした事にはすぐに気が付けたのだが、落とした場所が雨降りの中の側溝だったのだ。どんなに頑張ってもガッチリ固定された深みのある側溝では回収もかなわず、排水が轟々と流れる状況では諦めるしかなかった。こうした落下の危険を考慮して、あえてハウジング同士がケーブル接続された通常のワイヤレスイヤフォンを選択する人もいるが、使う場所を意識していればここまでドンピシャで紛失することはまれだろう。

 近年では家電量販店などに行くと、大々的にTWSコーナーが展開され、オーディオメーカー大手各社の超高級TWSなどが多く販売されるなど、オーディオメーカー各社が力を入れているのが分かる。また、リモートワーク普及の影響もあり、コンビニエンスストアなどでも低価格のTWSが販売されるなど、その普及率はかなり高くなったと感じる。また、Vtuberやアニメなどのキャラクターコラボ商品なども多く登場しており、製品の種類や数は多岐に渡る。

低価格のTWSを探すと大体1,000円前後の商品がAmazonなどでも確認できる。写真は先日「3Coins」の店頭にて見つけて購入してみた1,500円のTWSだ。低価格ながら充電ケースにバッテリ残量表示のディスプレイを備えており、使い勝手は十分だ

キャラクターコラボモデルのTWSも期間限定などで販売されることが多い。写真はとあるVTuberのコラボモデル。コラボモデルの魅力はシステム音声などのデフォルト音声の多くがコラボキャラクターの声で収録されていることだ

 今回の10選では下は数千円から、上は3万円以上とかなり幅広いチョイスとなった。こうなった理由はシンプルで高い物は高いなりに性能が高く、機能も豊富だからだ。特に高価格帯の製品で感じるのは音質もさることながら、機能の作りこみや、実際の使い勝手の良さだ。

 筆者はTWSをいくつか所有しているが、利用していて気になる事の1つが音切れだ。これは個体差や環境にも寄るため一概には言えないが、1万円未満の製品を使用しているとよく発生する傾向にあると感じていた。もちろんスマートフォンを手に持ち画面を見ながらの利用で途切れることはほとんどないし、自宅や会社内などで利用している場合は、多少スマートフォンから距離を離しても何事もなかったように接続が持続するのだが、駅構内など多くの電波が飛び交う場所ではスマートフォンをポケットに入れるだけで音切れが発生するようになるのだが、2万円以上の高級TWSを試してみると、こうした現象が発生せず快適に利用できた。

 また、アクティブノイズキャンセリング機能(ANC)は今回紹介する多くのTWSが備える機能だが、Bluetoothチップに備える機能をそのまま利用している物もあれば、自社開発のプロセッサを搭載して実装している物もある。こうした製品を比較してみると、どちらもPCのファンやサーキュレータの回転音といった常時発生し続けるシンプルな環境音に対しては的確に効果を発揮する。

 一方で高級TWSになると、ソフトウェアがさらに充実しており、より複雑な環境音などに対しても的確なノイズキャンセリングを実現できるように工夫されていて、高級な製品には高級なりの理由があることを再認識できる。

 高級TWSの良さを語ってみたが、音楽を聞いたり電話会議で使ったりといった用途であれば、今回選択した10選のTWSならどれも問題なくクリアできる。また、低価格製品であっても使い勝手はどれも良好なものばかりだ。後は個々の機能などをチェックして気になる機能があればそれを買うのがいいだろう。

ソニー「WF-1000XM4」

ソニー「WF-1000XM4」、価格:2万5,473円、アクティブノイズキャンセリング:あり、防水:IPX4防滴、ゲーミングモード:なし、バッテリ:本体のみ8時間、最大24時間(充電ケース利用)、重量:14.6g、カラバリ:ブラック、プラチナシルバー

 弊誌「Amazonイヤフォン売れ筋ランキング」で上位をキープする高価ながらも売れ筋のTWSだ。昔からノイズキャンセリングを研究してきた同社のノウハウが集約された独自開発の統合プロセッサ「V1」を搭載し、高音質のノイズキャンセルを実現するという。

 高音質のLDACコーデックに対応、「360 Reality Audio」搭載、独自開発のドライバーユニット搭載など音質面でも優位性をアピールするほか、Amazon Alexaに対応するなどのユニークな機能も豊富に備える。

Apple「AirPods Pro」

Apple「AirPods Pro」、価格:2万6,660円、アクティブノイズキャンセリング:あり、防水:IPX4等級、ゲーミングモード:なし、バッテリ:本体のみ4.5時間、合計最大24時間(充電ケース利用)、重量:5.4g、カラバリ:ホワイト

 アップル製の高級TWS。特徴的なのは棒状の物がにょきっと伸びたようなハウジング部の独特のデザイン。専用設計のスピーカードライバーを内蔵し、パワフルな低音を生み出すという。iPhoneやiPadで利用する場合、複数のiPhoneやiPad上でシームレスに接続機器を切り替えられる自動デバイス切り替え機能を搭載するほか、イヤーチップの装着状態をiPhone上でチェックする機能なども備える。

ヤマハ「TW-E5B」

ヤマハ「TW-E5B」、価格:1万4,647円、アクティブノイズキャンセリング:なし、防水:IPX5相当、ゲーミングモード:あり、バッテリ:本体8.5時間、最大約30時間(充電ケース利用)、重量:6.5g、カラバリ:ブラック、ブラウン、グレー、ブルー

 7mmドライバーユニットを内蔵するヤマハのTWS。ハウジング部はヤマハ独自のカーブ構造を採用し、あらゆる耳にフィットする装着感を実現するという。スマートフォンに備えるSiri や Google Assistantなどのボイスアシスタント起動に対応。ゲームプレイ時の音声遅延を低減する「ゲーミングモード」を搭載するほか、外音を取り込みながら音楽と一緒に聞くことができる「アンビエントサウンド」機能を搭載し、周囲の音を意識しながら利用できる。

JBL「ENDURANCE PEAK2」

JBL「ENDURANCE PEAK2」、価格:8,709円、アクティブノイズキャンセリング:なし、防水:IPX7防水、ゲーミングモード:なし、バッテリ:単体6時間、最大30時間、重量:26g、カラバリ:ブラック、ホワイト、ブルー

 JBLのスポーツ用途向けTWS。ワイヤーの入ったイヤーフックを備え、ワイヤーを折り曲げることで自分の耳に適した装着感を調整できるので、運動時などでも快適に装着できる。JBL独自の低音を再現する「JBL Pure Bassサウンド」を搭載する。

ASUS「ROG Cetra True Wireless」

ASUS「ROG Cetra True Wireless」、価格:1万7,825円、アクティブノイズキャンセリング:あり、防水:IPX4防水、ゲーミングモード:あり、バッテリ:5.5時間、最大27時間(充電ケース利用時)、重量:、カラバリ:ブラック

 ASUSのゲーミングスマートフォンブランド「ROG」のゲーミングTWS。音声と映像の同期生を高める低遅延のゲームモードを搭載。10㎜のASUS Essenceドライバーを内蔵。スマートフォン用ソフトは「Armoury Crate」を用意し、ノイズキャンセリング機能のオン/オフ、ゲームモードの切り替えなど、各調整が行なえる。

Razer「Hammerhead True Wireless – 2nd Gen」

Razer「Hammerhead True Wireless – 2nd Gen」、価格:1万1,980円、アクティブノイズキャンセリング:あり、防水:IPX4定格(防滴仕様)、ゲーミングモード:あり、バッテリ:最大15時間、重量:53g、カラバリ:ブラック、ホワイト

 RazerブランドのゲーミングTWS。低遅延60msのゲーミングモード搭載。「RAZOR CHROMA RGB」アプリでハウジング部のLEDの光り方の調整などが行なえる。「Razer Audio」アプリで音質などの調整が可能なほか、アクティブノイズキャンセリング機能のコントロールも行なえる。

Anker「Soundcore Life P3」

nAnker「Soundcore Life P3」、価格:7,641円(ブラックのみ)、アクティブノイズキャンセリング:あり、防水:IPX5防水、ゲーミングモード:なし、バッテリ:本体のみ7時間、充電ケース利用時最大26時間、重量:5.2g、カラバリ:ブラック、オフホワイト、コーラルレッド、ネイビー、ライトブルー

 AnkerのミドルクラスのTWS。臨場感溢れるサウンドが楽しめるゲームモードなどをスマートフォンの専用ソフトからコントロールできる。アクティブノイズキャンセリングも搭載。同社では他にも「Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro」などの上位モデルや更に低価格のモデルも用意するなどラインアップが豊富に用意されている。

Black Shark「Lucifer T4」

Black Shark「Lucifer T4」、価格:4,880円、アクティブノイズキャンセリング:なし、防水:IPX5相当、ゲーミングモード:あり、バッテリ:単体6時間、充電ケース利用最大24時間、カラバリ:ブラック

 ゲーミングスマートフォンブランド「Black Shark」のゲーミングTWS。メカニカルなデザインのハウジングが特徴で、Bluetooth5.2を採用し、45msと低遅延のゲームモードを備える。同社ではノイズキャンセリング機能を搭載する「Black Shark JoyBuds」や、より低価格の「T1」も用意するなど、Amazonストア上で多くのイヤフォンを展開する。

cheero「nyanboard Wireless Earphones powered by Qualcomm®aptX™ audio technology」

cheero「nyanboard Wireless Earphones powered by Qualcomm®aptX™ audio technology」、価格:5,980円、アクティブノイズキャンセリング:なし、防水:IPX5相当、ゲーミングモード:あり、バッテリ:8~10時間、重量:55g、カラバリ:クロ-kuro-、チャトラ-chatora-、ミケ-mike-

 筆者が人生で初めて購入したTWSはcheeroの初期モデルだった。それはともかく今回紹介するのは“耳”が付き、かわいいにゃんこの顔が描かれた充電ケースのTWSで、同社の知名度を高めた「ダンボー」シリーズのテイストを十二分に受け継いだTWSとなっている。充電ケースの耳は単なる飾りで何の機能も持たないが、それがいい。見た目のかわいさでは今回一押しと言える。こんなにかわいい見た目なのに、機能面では低遅延のゲーミングモードを搭載。ハウジング部を覆うラウンドカバーにはフック付きの物を用意し、耳への装着感の向上が期待できる。

impresswatch-6-22 B092LGZHG1 cheero「nyanboard Wireless Earphones powered by Qualcomm®aptX™ audio technology」

「SOUNDPEATS Mini Pro」

「SOUNDPEATS Mini Pro」、価格:6,680円、アクティブノイズキャンセリング:あり、防水:IPX5、ゲーミングモード:なし、バッテリ:5時間、最大21時間、重量:4.97g、カラバリ:ブラック

 2010年創業の低価格TWSメーカーによる最新TWS。低価格ながらアクティブノイズキャンセル機能を搭載。BlueTooth 5.2接続による低遅延の接続機能を搭載。植物由来の繊維から生み出したバイオセルロース製の振動版を採用し、繊細で高解像度の中高域の音声を実現しているという。

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