ソフトバンクは3月29日、災害時の陸路の寸断などを想定し、ドローンによる孤立地域への物資搬送の実証実験を実施したと発表した。
東京都からの受託事業として2021年12月14日から2022年1月20日まで、あきる野市、八王子市、青梅市内を2ルートずつ計6ルートを飛行。それぞれ片道約1.1～3.5kmを往復し、1ルート当たり約2.2〜7kmを飛行したという。
双葉電子工業が新たに開発したLTE通信モジュール搭載の物資搬送向けドローン「FMC-01DASB」を活用し、LTEで遠隔地からの監視、飛行制御を実施。高圧送電線越えを含む最長7kmの距離を目視外で自動飛行（レベル3）し、20kgの荷物（2Lの水入りのペットボトル10本）を安定して運搬できることを検証した。
また、ドローンが空撮した映像を、監視、飛行制御を実施する拠点のほか、都庁や各自治体の防災拠点などにリアルタイムに伝送。複数の拠点で同じ映像を見ながら、的確な指示や意思疎通が図れることを確認した。
なお、事前に設定した地点へドローンを高精度に着陸させるため、同社の高精度測位サービス「ichimill」と連携したほか、ドローンの安全装置として、日本化薬の産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「Para Safe」を搭載したという。
今後、災害時におけるドローンの活用を進めるとともに、規制緩和を踏まえた、有人地帯における補助者なしの目視外飛行（レベル4）の実現に向けて取り組んでいくという。