Ryzen 7 5800XにしたらCPUファンが常時うなりだした
AMDのCPUが安くなっていると聞いて、これはさすがに買い時だろうと判断し、Ryzen 7 5800Xに飛びついた。なんとなくそろそろ新型CPUが発表されるのではないか、みたいなタイミングだったので、その影響で値下がりしていたのだと思う。が、買いたい時が買い時である。新型が圧倒的にパフォーマンスアップしていたとしても後悔はない。ないんだぞ!
それはともかく、Ryzen 5 2600Xからのアップグレードである。2600Xも、筆者のような執筆仕事(その他RAW現像、動画編集、ゲームなど)には十分な性能を発揮していたのだけれど、マザーボードがX570だし、どうやらソケットAM4も今の世代がほぼ最後っぽいので、値下げでコストパフォーマンスが高くなった5800Xを選んでみたわけだ。コア数が増えて仕事の生産性も、もりもり上がること間違いなし!
ところが、CPUを交換してすぐに気付いたのが、CPUファンの騒音。2600Xの時はよほど大きな負荷をかけたときでなければなかったファンノイズが、5800Xにした後はアイドル状態でも聞こえてくる。試しにモニターツールでチェックしてみたところ、CPUの温度はアイドル時で50℃前後だった。ちょっとWebブラウザを操作しただけでガッと温度が上がり、CPUファンがうなり出す。
UEFIで温度に応じたCPUファンの回転制御をしているから、騒音はこの設定内容によるところもあるのだけれど、動画のエンコードをすると下記のグラフのように90℃を超えるような状況になっていた。当然CPUファンは100%全開。それでも温度上昇は止めきれていないので、これよりもっと時間のかかる動画エンコード処理をさせると、サーマルスロットリングによってCPU性能が顕著に落ちる可能性も考えられる。
これは大変よろしくない。CPUに優しくないし、とにかくうるさい。涼しい3月でこれだ。これから春、夏と暖かくなってきたときのことを考えると思いやられる。今のうちにCPUを冷却する方法を本気で考えなければ! ただ、いくら冷えてもうるさいのは困る。静音化を目指すなら簡易水冷を試してみたい。そのうえで径が大きく、同じ回転数でもより大きな風量が得られるファンが良さそうだ。
そんなわけで、多くの製品で採用されている120mmファンではなく、140mmサイズのファンを備えた280mmの簡易水冷システムを探していたのだが、ラジエータはデカければデカいほど冷えやすいはずである。もっとデカいヤツはないものか。もちろんある。140mmファンを3個装着した420mmサイズの簡易水冷システムだ。280mmよりも、360mmよりも、420mmの方がデカいんだから、より冷えてくれるに違いない。
で、その結果選んだのが、420mmの簡易水冷システムの中でも実売2万円(購入時時点)以下という比較的安価な「ARCTIC Liquid Freezer II – 420 Rev.4」(以下、Liquid Freezer II)。とにかくデカい。パッケージからして見たことのない形状だ。そしてなにより今どき珍しく光らないのがいい。地味ながらもキンキンに冷やしてくれそうだ。しかしこの時、安易に420mmを選んだことで、あんな苦難に見舞われるとは思いもしなかったのである……。
冷却効果は期待以上。ノイズは設定変更やケースファン交換で抑えたい
結果としては、420mmサイズのLiquid Freezer IIによる期待以上の冷えっぷりには大満足。だけれど、静音性という面ではまだ改善の余地がありそうだ。
ここまで冷えているのであれば、ある程度温度が上がることを許容して、アイドル~低負荷時のファン回転数をUEFIでより低く調整する選択肢もとれる。また、現在は固定回転になっているケース前後のファン(3個)をPWM制御のファンに交換するのも有効かもしれない。
なんにせよ420mmのデカいLiquid Freezer IIは冷える、というのは間違いなさそうで、これからの暖かくなる季節に向けてとっても安心である。
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