今月もやってまいりました。18日は3月の満月の夜。ネイティブアメリカンによる呼称は「ワームムーン」です。ワームとはもちろん芋虫たちのこと。
すでに花粉が舞い始めており、空気中の花粉によって太陽や月の光にハロが発生する花粉光環も、もしかしたら期待できるかもしれません。ワームムーンの詳しい由来や、各地の天気などと共に見ていきましょう。
・クソミミズ
まずはワームムーンの由来から。NASAのHPでは、ミミズの糞が由来だとする説を紹介しています。なんでも温かくなって地面が解けると、ミミズの糞の塊が見られるようになるからだとか。
なかなか最近の日本、主に都市部ではミミズの糞塊を見ることがないと思いますが……例えば、日本にはクソミミズがいます。ミミズに対しクソだと誹謗中傷しているわけではなく、クソミミズというミミズです。
もうちょっと何とかならなかったのかと思わなくもない名前ですが、クソミミズは非常によくうんこをし、地表にそれを積み重ねることで有名です。
そんなクソミミズたちですが、冬が来て寒くなると地面深くにもぐってしまい、地表のうんこの山も見られなくなるのです。クソミミズは日本のミミズですが、他のミミズたちについてもおおむね冬には姿を消します。(潜って越冬するか、成体は死んで卵で越冬するか)
したがって、ミミズのうんこが地表で見られるくらい暖かくなった時期の満月であることを示す意味で、「ワームムーン(ミミズのうんこ由来説)」はなかなか合理的。
また、北米大陸でもっとも古くから暦に関する情報を発信しているThe Old Farmer’s Almanacでは、別の説も紹介されています。そちらによると、ワームムーンのワームは、この時期に冬の間の隠れ家から出始める甲虫類の幼虫だそう。
1760年代に探検家のジョナサン・カーヴァーが、ネイティブアメリカンのいくつかの部族のもとを訪れて記した記録に基づいているのだとか。
いちおう別の呼称も紹介しておきましょう。サトウカエデの樹液(メープルシロップの元)が出始める時期ということで「シュガームーン」。
強い風が吹きまくるシーズンだということで「ウィンドストロングムーン」なんかもあります。ミミズな気分でも幼虫な気分でもないという方はこちらをどうぞ。
・天気は
最後は気になる天気を見てみましょう。ちなみに都内では雨が降りまくっており、全く月など見えそうにありませんが……気象庁によると、全国的に雨!
本州はほぼ全滅です。東北地方では曇りの場所もあるようなので、ワンチャンあるかも。期待が持てそうなのは北海道の一部エリアのみ。その辺にお住まいの方は、是非ともクソミミズに思いをはせるなどしながらワームムーンを楽しんでみてください。
参考リンク:気象庁、NASA、The Old Farmer’s Almanac
執筆&Photo:江川資具
ScreenShots:気象庁