日本電気株式会社(NEC)は3月17日、量子アニーリングマシンの実現に向け、超伝導パラメトロンを利用し多ビット化が容易な基本ユニットを開発したと発表した。
今回同社では、独自の超伝導パラメトロンと回路結合技術を活用し、多ビット化が容易に行なえるLHZ方式の基本ユニットを開発。小規模ながら、組合せ最適化問題を量子アニーリングによって解くことに成功した。
超伝導パラメトロンとは、ジョセフソン素子とキャパシタで構成される超伝導共振回路で、回路を共振周波数の約2倍の周波数で変調することにより、0またはπの位相で発振。これらの位相の異なる発信状態の重ね合わせを、量子ビットとして使用することができる。
あわせて、基本ユニットをタイル上に並べて配置した場合に、外部の機器と効率的に接続できる3次元構造技術も開発。この構造による超伝導パラメトロンの動作を世界で初めて実証したとする。
これらの基本ユニットと構造により、高精度な計算が可能な超伝導パラメトロンの特徴を維持しつつ、多ビット化が容易に可能となる。同社では、大規模で複雑な組合せ最適化問題を高速に解ける量子アニーリングマシンの実現に向けて前進したとしている。
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