かつて「週刊プロレス」を愛読していたみなさんにお伺いしたい。あなたは『ワンダ 週刊プロレス缶』と聞いてどうお感じになるだろうか? 率直に私、P.K.サンジュンは「頭がおかしい」「考えたヤツ誰だ」「売れるハズがない」と思わずにいられなかった。ところが……。
インターネット上で見る限り、その『ワンダ 週刊プロレス缶』が売れまくっているらしいのだ。正直に申し上げて「ウソつけよ!」としか思えないが、これはかつて週刊プロレスを愛した人間として確かめねばなるまい──。
・正気じゃない
まずは正気とは思えない『ワンダ 週刊プロレス缶』について説明しておこう。ワンダとはアサヒ飲料株式会社のロングセラー缶コーヒー「ワンダ モーニングショット」のこと。そのワンダに週刊プロレスの表紙がプリントされたのが、ファミマ限定発売の『ワンダ 週刊プロレス缶』である。
今回は、1980年代~90年代にかけて活躍をした往年のレスラーの中から、「週刊プロレス」の現編集長・湯沢直哉氏が12名を厳選。天龍源一郎、橋本真也、船木誠勝、前田日明、小橋建太、ジャンボ鶴田、三沢光晴、藤波辰爾、ジャイアント馬場、豊田真奈美、二代目タイガーマスク、スタン・ハンセンが選ばれている。
ファミマの広報は「当時のプロレスの賑わいを知る方には懐かしく、現在のプロレスのファンの方々には新鮮に映るデザインを楽しんでいただけます」と言っているが、そんなワケがない。そんなワケがないんや。
・普通に頭がおかしい
前半の「当時のプロレスの賑わいを知る方には」の箇所は理解できても、後半の「現在のプロレスのファンの方々には新鮮に映るデザイン」は無理矢理すぎてもはやツラい。個人的には大好きだが、例えば “小橋建太缶” などはまあまあ狂気をはらんでいる。
だもんで『ワンダ 週刊プロレス缶』の情報を知った際も「売れ残り確定」と甘く見ていた。だってそうだろう? 当時、週プロを愛読していた人が多かったとしても『ワンダ 週刊プロレス缶』に辿り着く人がどれほどいるのか? いたとして、何人がわざわざファミマに足を運ぶというのか?
ところがどっこい、冒頭でもお伝えした通り、インターネット上では発売当日から「全然売ってない」「何軒もファミマを回ってようやく1本を買えた」「うちの地域は全滅」などの声が非常に多い。完全に「週プロかファミマの回し者説」が濃厚だが、そこまで言うなら確かめてみよう。
・どうせ売れてへん
というわけで、「どうせ大量にあるだろ」とタカをくくりつつ近所のファミマに出かけてみたところ……
な、ないだと……?
まだ発売から2日しか経っていないのに全滅だと……? 念のため店員さんに聞いてみたところ「昨日まではあったんですけどねぇ」とのこと。うそん、誰が買ってくんや……!
仮に『ワンダ 週刊プロレス缶』が売り切れるとしたら “後楽園ホール店” だけだと思っていたが、実際に私が出かけた1発目のファミマでは週プロ缶が売り切れていた。こ、これは……?
・8軒回ってみた
で、その後も結局、ファミマを8店舗巡回した結果、『ワンダ 週刊プロレス缶』が残っていたのは4軒! ピッタリ1 / 2の確率で週プロ缶は売り切れていた。もしかしたら「そもそも入荷していない説」も否めないが、ファミマ限定商品であることを考えるとその可能性は低いハズだ。
また、驚くことに週プロ缶が残っていた4軒のファミマでも「三沢缶」と「ハンセン缶」だけは最後まで発見できなかった。さすが、三沢。さすが、ハンセン。特に三沢は鬼籍に入ってから12年が経つが、その雄姿は多くのファンの胸に刻まれているのだろう。
なお、個人的な感想を1つ述べさせてもらうと、今回選出された12の表紙に異論があるワケではないものの「コンバット豊田」が表紙を飾った「命短し、リングに恋せよ乙女」が入っていなかったことは納得していない。というか、あれを超える週プロの表紙ってないだろ。
その他、タイガー・ジェット・シンが馳浩をトロントの池に突き落とした「お前、何してるんだ?」あたりも捨てがたい。そういう意味で週プロ缶は、まだまだ豊富にネタがあるハズ。これは第2弾もある……のだろうか?
とにもかくにも、『ワンダ 週刊プロレス缶』は実際に結構売れている、特に「三沢缶」と「ハンセン缶」はかなり品薄と申し上げていいだろう。『ワンダ 週刊プロレス缶』は税込123円、全国のファミリマートで発売中だ。
参考リンク:ファミリーマート公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.