POPが好きなのだ
どちらかといえば、恵方巻と触れ合う機会の少ない人生を送ってきた。納豆巻きのようなシンプルな巻き寿司が好みなので、具沢山な恵方巻きには積極的に手を伸ばしてこなかったのだ。
だけど、恵方巻のPOPは大好きなのだ。
こんなにでかい必要はあるの?とつい尋ねたくなる大きさ。尋ねたら「理由はないけど、もちろんだ!」と即答してくれそうな力強さ。
通行の邪魔にならないようにしつつ、多くの目に留まりそうなベストポジションを陣取って、ぷらぷら宙を舞う姿がなんとも勇ましい。
年が明けて、コンビニ(特にセブンイレブンでよく見る)で見かけ始めると、いよいよ冬も深まってきたなぁとしみじみする。
もし私が他の国で生まれていたら、アメイジングなジャパニーズカルチャーですと自国のwebメディアで紹介していたと思う。誇るべき謎文化である。
そんな巨大恵方巻、
自分用のがあったら楽しいに違いない。
お気に入りの1本が完成しました
……というわけで手作りしたのがこちら。
これを見て、少しでも「欲しい!」と感じた人がいたら、ぜひマイ巨大恵方巻を手に入れて欲しいので作り方を紹介したい。
材料(1個分)
・厚紙(黒)…四六判(788mm×1091mm)くらい・1枚
・厚紙(色自由)…四六判(788mm×1091mm)くらい・1枚
・すし飯…1合くらい
・恵方巻っぽい具材…適量
ちなみにもし東京近郊か名古屋に住んでいるのなら、いちおしの厚紙購入先は世界堂(画材専門店)だ。世界堂のホスピタリティはすばらしい。わたしのうすぼんやりした要望から、必要な紙の種類をあっさりと割り出し、スマートに包装をしてくれた。
あまりの接客のすばらしさに感動して泣くかと思った。最近めっきり涙もろいのである。
構造は大きく分けると、海苔とお米の部分の2種類だ。
海苔の部分は、海苔のテクスチャーをあらわした方がかっこよく仕上がるけど、黒色の厚紙だけでも結構それっぽく見える。
お米の部分はまず、実物の写真を撮るところから始まる。
ここで注意したいのが、本物の恵方巻のように、海苔で巻いてはいけないということ。ごはんがどこまでも続いているような写真のほうが、使いやすいのである。
ご覧のとおり、けちって具を少ししか用意しないと、とってもさみしい印象になるので注意が必要だ。
そんなこんなで画像を整えたら、A3サイズで出力して……
コピーした米の画像にコンパスで円を描く。その線に沿ってまあるく切ったら、厚紙に貼り付けて、のりしろを作る。
のりしろと黒い厚紙を、テープなどでつなぎ、くるくる円柱状に巻き上げたら完成だ。
文字を取り付けたい場合は、毛筆っぽいフォントで「恵方巻」と書き、ひと文字ずつA3で出力するといい感じだ。
厚紙に貼り付けると、見栄えがぐんとよくなる。
恵方巻にはカモフラージュ力がある
ひとつ、いいことを発見した。
恵方巻が注目を集めてくれるおかげで、コートの下に着ているズボンが寝巻きだということに気がつかれにくい。たぶん。
……と、撮影をしていたら、周囲で遊んでいた子ども達が寄ってきてしまった。
これってもしかして、食育の一環になってたりしないだろうか。そう思って「食育」を調べたら、「食べ物や食事に関する知識を学び、食への興味関心を育むことで、子どもたちが一生を通じて健康的な食生活を送れるようにするための教育」と出てきた。
全く違うわけでもなさそうだが、なんか違う気がする。
家に置くと景色がちょっと華やぐ
それで今、恵方巻は我が家の一角に置かれているのだが、これが妙にしっくりきている。朝起きて、恵方巻が置いてあるのを見るとうれしくなる。間違いない。これはいいものだ。
一番似ている心境は、切り花を飾るときの気持ちだ。気持ちを華やかにするためだけに置くのにぴったりなんである。円柱型なので、置きやすいのもいい。
食べられない方の恵方巻づくり、わたしとしては、生活に彩りを添えたいと願うすべての人におすすめしたい。
……賛同を得られるかは謎だけど。