ECプラットフォーム「STORES」を展開するヘイは10月12日、キャッシュレス決済サービス「STORES 決済(ストアーズ決済、旧Coiney)」における電子マネー決済手数料率の引き下げを発表した。
「Suica」「PASMO」といった交通系ICカード決済の手数料率3.24%を、10月13日から1.98%に引き下げる。9月1日から10月29日まで実施する「決済端末0円キャンペーン」とともに展開し、電子マネー決済導入に対する店舗の課題解消を狙う。
狙いを説明する谷塚氏
STORES 決済の利用データによると、2021年以降の決済における電子マネー利用率が上昇。特に飲食店などの「グルメ」カテゴリーでは、2020年4〜6月期と比較して180%上昇したという。ヘイのプロダクトマネジメント本部で決済プロダクトオーナーを務める谷塚憲三氏は、「非接触」決済のニーズ向上を紹介する。
グルメカテゴリーでの電子マネー比率の変遷
一方、STORES 決済の利用店舗に対するアンケートでは、「会計のスピードが早い」「衛生的」といったポジティブな意見がある反面、「決済手数料が高い」「専用の決済端末が必要」「導入の手続きが大変そう」などのネガティブな意見があるという。
電子マネー決済導入前の店舗へのアンケート
電子マネー決済導入後のアンケートでは、ポジティブな比率が向上するだけでなく、「導入がかんたん」といった意見が増加。“店舗の許容する手数料の上限は2%台”という経済産業省の調査もあり、決済手数料が大きなボトルネックになっていると説明する。
店舗の許容する手数料上限は2%台
「決済端末料金をゼロ円にするキャンペーンの実施に加え、導入後だけでなく導入時もサポートできるよう、仙台のサポートスタッフ体制を大幅に強化している」(谷塚氏)。手数料、端末、手続きというそれぞれの課題を解消できる体制を整備し、電子マネー決済、ひいてはキャッシュレス市場全体を促進するとコメントした。