「やよい軒」と言えば定食のご飯おかわり自由。だからお腹いっぱい食べたい時は「やよい軒」に行く。白米万歳! 炭水化物万歳!! 日本人なら米を食え米を! ところが先日、「やよい軒」に異色すぎる新メニューが爆誕してしまった。
2021年9月17日より新たに仲間に加わった、その名も『筋肉定食』。ネーミングからも分かるように、どんな内容なのかサッパリ分からない謎の定食である。なので普通にスルーしようと思っていたら、当編集部のサンジュンからいきなり呼び出しを食らってしまった。一体どうしたというのか?
・やよい軒の新メニュー
「やよい軒」に来い──。先輩からの雑な呼び出しに従い、編集部最寄りの店舗へとやって来た私(あひるねこ)。サンジュンはまだ着いていないようだが……。すると向こうの方から見覚えのある男が近寄ってきた。
サンジュンである。
──サンジュンさん、「やよい軒」まで呼び出して一体何の用事ですか?
「セイセイセイ。サンジュンではない。タンクトッパーサンジュンと呼んでくれ。今日の俺の服装を見てもらえば、答えは おのずと分かるはずだが?」
よく分からない人のためにご説明すると、タンクトッパーサンジュンとは2019年7月の記事に登場した謎の筋肉キャラで、それ以来一度たりとも出てきていないどころか、考案・執筆した私からも存在を忘れ去られた哀れな男である。おそらく覚えている人は皆無だと思われるが……。
TS「セイセイセイ! それ以上言うなチキンボーイ!! とにかく、新メニューの『筋肉定食』なら俺に任せておけ。このタンクトッパーサンジュンが『筋肉定食』の正しい食べ方をボーイに伝授してやるぜ」
そう言うと、TSは店の中へ入っていった。注文したのは3種類ある『筋肉定食』の内の一つ、『皮なし鶏もも肉のステーキ』だ(税込790円)。と言っても、見た目は普通の定食のようである。一体これのどこが筋肉……って、う、うわーーーーー!
ご飯がサラダになっとるーーーーーー!!
TS「セイセイ。主食のご飯をキャベツサラダに変えることでカロリーを抑え、同時にタンパク質を多く摂取できるのが『筋肉定食』の特徴なのだ。この『皮なし鶏もも肉のステーキ』のカロリーは、『やよい軒』の定食の中でもっとも低いという415kcal。見ろボーイ、俺の筋肉も喜んでいるぞ」
タレはにんにく醤油かぽん酢のどちらかを選択し、その際、岩塩も一緒についてくる。ステーキは皮が取り除かれているものの、分厚くて食べ応えがありそうだ。鉄板には肉と一緒に野菜もたっぷり盛り付けられている。
TS「メインの前にまず生野菜を食べるのがタンクトッパー流だ。食物繊維の働きによって、血糖値の上昇を緩やかにできるぞ」
先にサラダを片付けたTSは、ナイフも使わず豪快にステーキにかじりついている。私も実際に食べたが、柔らかくジューシーで、皮がなくても物足りなさは感じない。なるほど、おいしくヘルシーに食べられるという意味では、たしかに筋肉に優しい定食と言えるだろう。ところが……次の瞬間だった。
TS「セイ……」
そう言うとTSは、おもむろにサラダが入っていた茶碗を手に持ち、急にその場から立ち上がったのだ。どこへ行くのだろうか? 後ろからついていってみると……
そう、まさかの……
ご飯おかわりである。
・意味不明
な、何ィィィィィィイイイイ!? いやいやいや、なんでご飯食ってんだよ! サラダに変更したんじゃなかったのかよ!!
TS「セイセイセイ。何を慌てているんだボーイ。たしかに俺は定食のご飯をサラダに変更した。が……実はこの『筋肉定食』は、サラダを選んでもご飯のおかわりは自由なのだ! 繰り返す、ご飯のおかわりは可! だったら食うしかねぇだろォォォォオオオオ!!」
・本当です
一瞬、何を言ってんだこのタンクトップバカはと思ったが、これは「やよい軒」が公式にアナウンスしている、「やよい軒」公式の仕様である。つまり『筋肉定食』とは、サラダとご飯を一度に楽しめる欲張りセット的なメニューだったのだ。
TS「にんにく醤油と『皮なし鶏もも肉のステーキ』の組み合わせはご飯がすすむな! ハッハッハ!!」
せっかく低カロリー・高タンパク質だったのに、ご飯をおかわりしまくったら意味がないと思うのだが……。ちなみに先述した415kcalとは、ご飯をキャベツにした場合の数値である(タレ・卓上調味料・漬物も除く)。各自、十分注意していただきたい。
TS「白米最高ォォォォォォォオオオオオ!」
・筋肉と相談だ
ご飯もサラダも両方食べられる『筋肉定食』。考え方によってはお得なメニューだろう。しかし、ご飯おかわりに はしゃぐTSの姿を見ていると、何やら重大なバグを内包しているような気もしないでもない。おい俺の筋肉、本当にそれでいいのかい? どっちなんだい?