アプリ市場分析のApp Annie、証券詐欺の疑い–約11億円の罰金で和解

CNET Japan

 米証券取引委員会(SEC)は米国時間9月14日、モバイルアプリ業界のデータプロバイダーであるApp Annieと創業者のBertrand Schmitt氏を証券詐欺の容疑で調査していた件で、同社とSchmitt氏が罰金の支払いに合意したと発表した。SECによれば、同社とSchmitt氏は「App Annieによるオルタナティブデータの収集方法について、詐欺的な手法と重大な不実表示」を行っていたという。

 App Annieのデータはさまざまな業界で広く利用され、多くのニュース記事で引用されてきた。同社とSchmitt氏は合計1000万ドル(約10億9000万円)以上の罰金を支払うことで合意したと、SECは述べた。

 SECがオルタナティブデータのプロバイダーを証券詐欺の容疑で告発するのは、今回が初めてのことだという。和解金の内訳は、App Annieが1000万ドル、Schmitt氏が30万ドル(約3280万円)となっている。

 SECの告発内容は、App Annieが市場データの集計方法と利用方法について相手企業に虚偽の説明をしたというものだ。モバイルアプリのパフォーマンスに関するデータの販売では最大手に名を連ねるApp Annieは、データ提供元の企業に対し、その情報を第三者に開示したり、事前に集計や匿名化をせずに統計モデルに使ったりすることはないと保証していた。

 しかし、App Annieは2014年終盤から2018年半ばにかけて、集計や匿名化を行っていないデータを使って予測を調整し、証券会社に販売する上での価値を高めていた。SECによると、App AnnieとSchmitt氏は証券会社がそれらのデータに基づいて投資判断を下すことを認識しており、各企業の決算発表の前にそのデータの利用方法について証券会社と意見交換することもあったという。

 同社はSECとの和解を受けて声明を出し、過去3年にわたり運営を改善してきたと説明した。それには新たな最高経営責任者(CEO)と経営陣の任命、データ予測の構築方法の変更、全社的なコンプライアンス文化の構築などが含まれる。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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