ハムカツはおいしいし、たまごでとじたものはおいしい。つまりこれもおいしいにちがいない。
期待に胸を膨らませながら早速ファミマに行ってきた。
小さい頃はハムというものは薄いのが当たり前だと思っていた。
あのペラペラした状態こそがハムであり、そのハムを分厚く切って食べるというのはタブーのように思え、ずっとなんとなく避けてきた。
はじめてハムカツを食べたのは大学生の頃、池袋の一軒め酒場でだったと記憶している。
そこから時を超えて今、ハムカツに再会し、その魅力に気づくことができた。
ファミリーマートさんありがとう。40周年おめでとうございます。
いつも通り出汁で玉ねぎを煮て、具を入れてたまごでとじる。
卵とじ丼って簡単でおいしくて画期的なレシピだ。最初に考えた人は天才だと思う。
お出汁のやわらかい香りに混ざってハムカツの「脂だよ!!!」という感じの匂いがする。
これが吉と出るか凶と出るか。
ハムカツが完全に卵とじから浮いてしまっている。
それぞれがおいしい味付けなので、おいしくないということではない。
でも別々の食べ物を口に入れているな~という気分だ。
購入時にソースがついてきたし、そもそも卵をとじることを想定している食べ物ではない。
勝手にとじているのはこっちである。どんな味でも完全にこちらの責任だ。わかっている。わかっているんだけども。悔しい。
ソースカツ丼というやつがある。
子供の頃、カツ丼といったらたまごでとじるものだろう、という固定観念を打ち砕いてくれた料理だ。
ハムカツをごはんに合わせるにはたまごでとじではなく、このソースカツ丼的な食べ方のほうが向いているのだと思う。
濃い味だし、めちゃくちゃ喧嘩をすることもないだろうと一縷の望みをかけて付属のソースをかけてみる。
やっぱりハムカツにはソースなのかもしれない。
ハムの脂感を調和するのはやさしいお出汁ではなく、力強い中濃ソースなのだ。
しかし濃い味になったことで必要になってくるのが箸休めの存在だ。
ソース系の食べ物にはやっぱりキャベツ。これはもう法律で定めてもいいと思う。
結果としては、ソースとキャベツのサポートによって、おいしく完食できた。
しかし今回初めて「たまごでとじる」という調理法が通用しないホットスナックに出会ってしまった。
当たり前だが、お店が推奨している食べ方が一番おいしくいただけるのだと思う。
近年付け合わせの野菜やお漬物のありがたさが身に染みることが多い。
特に今回のキャベツは崇め奉りたいほどであった。
揚げ物、ソース、キャベツ。これらは三位一体であり、不可侵である、というのが今回の学びだ。キャベツ、ありがとう。
もし今度たまごでとじるとしたら、ソースと合わせることのないホットスナックがいいかもしれない。あきらめないぞ。