さくらインターネットは8月19日、衛星データとAI画像認識技術を活用して新規駐車場用スペースを自動検出する駐車場検知ツール「Tellus VPL」（アルファ版）を、衛星データプラットフォーム「Tellus」の公式ツールとして無料で提供すると発表した。
衛星データプラットフォームのTellusは、クラウドで衛星データを分析できる日本発の衛星データプラットフォーム。経済産業省の「政府衛星データのオープンアンドフリー化・データ利活用促進事業」として、開発・運用に取り組んでおり、「宇宙アセットを民主化する」というビジョンを掲げ、衛星データを利用した新たなビジネスマーケットの創出を目指している。
今回無料で提供するツールは、さくらインターネットが、AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発をするRidge-iおよび、駐車場予約アプリ「akippa」を運営するakippaの3社で研究開発したもの。衛星データやアプリケーション、アルゴリズムなどのツールを利用・売買できる機能「マーケット」において、アルファ版の無料提供を開始した。
「Tellus VPL」の新規駐車場用スペース解析結果イメージ
同ツールを開発した背景には、akippaが抱える課題があるという。akippaは、全国の空いている月極や個人の駐車場、空き地など全国累計4万6000拠点（2021年8月時点）を駐車場として一時利用できるシェアリングサービスを提供している。しかし、新規駐車場用スペース開拓は、地図で候補地を探して、担当者が現地に出向いて営業活動する場合も多く、多大なコストを要しているという。
そこでこのツールを利用すれば、衛星データから新規駐車場用スペースとして活用できる候補地を見当がつけられるようになり、新規駐車場開拓における営業活動の効率化が期待できるとしている。
開発にあたっては、Tellusの開発・利用を促進するさくらインターネットがプロジェクトの企画および、衛星データの提供を担当。Ridge-iが機械学習・ディープラーニングの技術を使い、衛星データから新規駐車場用スペースの候補地を検出できるプログラムを開発した。akippaでは、ビジネスにおける同ツールの本格的な活用に向けて、駐車場開拓パートナー（代理店）との連携を今後順次行っていくという。