ドラゴンが球を吐き出し続ける装置が無意味なのにずっとやってしまう

デイリーポータルZ

編集部から送られてきたのは木製のキット。組み立てるとドラゴンのおもちゃになるようだ。めちゃくちゃ大変だったけど楽しいものができた。

編集部から送られてきた3つの箱

編集部からたびたび厄介な物が送られてくる。(以前送られてきたもの→その①その②その③)今回送られてきたのは3つの箱だ。

ひときわ目を引くのが、ドラゴン。

このドラゴンの箱は、マーブル・ラン・ドラゴンという。木の板を組み合わせて作るキットのようだ。ハンドルをまわすとレールの上を銀の球が転がるらしい。楽しそう。

目安時間4時間パーツ数260個。おそろしいことが書いてある。

問題は、私は工作が大の苦手ということだ。大事な広告案件なのにこの私に本格的な工作キットを送る編集部、あきらかな人選ミスである。

初手から詰みかける

ひとまず開封してみた。

レーザープリンターで加工された木製の板と分厚い説明書。4時間で終わるわけがない。

まずはらせん状のレールを作る。説明書を読むと…

Fragile(もろい)と書いてある。(付属の説明書は英語ですが、WEBで日本語版も見られます

Fragileと書いてあるし、その上にはなんかごちゃごちゃ書いてあって物騒だ。とはいえ木材である。そんなに簡単にパキっとはいかないであろう。

あっ……。(ピンボケからにじみ出る焦燥感)

「もう終わりだね……君が小さく見える……」オフコースのさよならが脳内で流れ、目の前の景色が一気にセピア色に染まる。まさか初手から詰むなんて…。

こうなったら、アレをやるしかない。

いつか使うことになるとは思っていたが、まさか1回表から登板するとは。

そこからは今年一番の集中力で慎重に組み立てた。

できた。オレンジの枠はボンドで修復した部分。意外と目立たない。

 しかし、後に気づいてしまう。壊れやすい部品には予備が用意されていたことに。

「+」の印のついた部品は予備パーツだ。ボンド要らなかった…。

ここまでの工作下手ムーブを振り返って気づいたことがある。説明をちゃんと読まずにトライアンドエラーで乗り越えようとして、すべてが裏目に出ている。

最大の難関

説明書とにらめっこしながら作業を進める。

レールができた。

作業自体は楽しいのだが集中力も必要。ものすごく精神をすり減らす。 

逆に酒の力も借りてみる
土台もできた。ここまでで製作開始から2時間経過している。

しかし、このあと、最大の難関が待ち受けていた。

歯車を組んでいく工程。爪楊枝に歯車を差し込んでいく。

似て非なる歯車が何種類もあり、向きも表裏・左右で異なる。間違え方が何通りもあるのだ。

一度くみ上げた歯車が機能せず、すべてバラしてリセットしたりもした。泣きそう。

本当にダメかと思った。当たり前だが、全部のパーツを説明通りに正しく差し込む必要がある。それがどれほど大変なことか。

製作開始から4時間後、なんとか歯車が完成した。

そして合体

いよいよ終盤戦である。これまで作ったものを合体していく。

土台に歯車をくっつける。やばい構造物。
左右のレールも取り付ける。その他のパーツも取り付けたら、完成。​​​

結局トータル7時間ぶっ通しで作業した。つかれた~。

工作への苦手意識があった私でも、「説明書をちゃんと読む」を実践することで完成させることができた。これは自信につながる。

まだ動くかはわからない。まぁ動かなくても十分立派なオブジェだし、自分もここまでよくがんばった。動いても動かなくてもオッケー!

時刻は夜12時を回っていた。今夜はもう寝て、動かすのは明日にしよう。 

いったん広告です

動くのか

翌朝。改めてドラゴンと対面する。

正面。どっしりしていてかっこいい。

※編集部より アクリル部分の色は本来はクリアカラーです(製品ページ参照)。緑色なのはほりさんが組み立て時にアクリルの保護シートに気づかず組み立てたためです。 (緑の方がかっこいい説もある)

後ろ姿は意外とスリムでキュート。
このレールの感じもたまらん。やっぱり動いてほしい。ボールが転がる様を見たい。

果たして、動くのか。

[embedded content]

動いた!!!

おおっ。

カラカラと音を立てながら歯車がまわり、銀の球を持ち上げる。球はドラゴンの口から吐き出され、左右のレールを伝って流れ落ちる。

なんだろうこの無意味装置は。

でもなぜかずっとやってしまう。

それ以来、テレビを見ているときなど、手持ち無沙汰になったときは必ずこの装置で虚無を回している。何の意味もない。私がハンドルを回して溜めた位置エネルギーを、銀の球がコロコロと転がりながら消費していくだけだ。ししおどしと同じかそれ以下の無意味さである。(ししおどしすら「ししをおどす」という大義名分がある)

しかし、それがよいのだ。

コスパや合理性ばかりを追い求める我々に、この無意味龍(ミーニングレスドラゴン)が警鐘を鳴らしてくれている。

やればできる

いいおもちゃだと思う。工作は7時間もかかったしあきらめそうになったが、完成したことで自信につながった。できた装置の無意味加減も面白かった。大人の暇つぶしに持ってこいだ。

残りの2つの箱も簡単に紹介しておこう。

こちらは、簡単な謎を解くと開く秘密箱。バースデーケーキがテーマになっており、中にプレゼントを入れられるようになっている。

 

こちらは、自分で作るタイプの秘密箱。クリスマスがテーマになっている。15分程度で作ることができる。

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マーブル・ラン・ドラゴンは、機械仕掛けの迷路です。
木製の工作キットになっているので、組み立てから楽しめます。

 

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