2023年5月16日、イーロン・マスク氏がCNBCの金融ジャーナリストであるデビッド・フェイバー氏のインタビューに応じました。インタビューの中で、マスク氏は「Twitter上での自身の過激な発言」や「在宅勤務」について自身の率直な意見を述べています。
Elon Musk: CNBC interview with David Faber
https://www.cnbc.com/2023/05/16/elon-musk-cnbc-interview-with-david-faber.html
Elon Musk: Work from home ‘morally wrong’ when some have to show up
https://www.cnbc.com/2023/05/16/elon-musk-work-from-home-morally-wrong-when-some-have-to-show-up.html
Elon Musk: I will say what I want even if it loses me money – The Verge
https://www.theverge.com/2023/5/16/23726317/elon-musk-tweet-controversy-conspiracy-theory-cnbc
Musk says ‘so be it’ to consequences of his tweeting
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/musks-says-consequences-tweeting-rcna84758
2022年11月にTwitterを買収したイーロン・マスク氏は、これまでテキサス州で発生した銃乱射事件に関する陰謀論を自身のアカウントで拡散したり、犯罪や人種に関する信用できない理論をリツイートしたりしてきました。
こういったマスク氏のTwitter上での過激な言動について、顧客を失い経営する会社に損害を与える可能性があるにもかかわらず陰謀論をツイートしたり、人種差別的で反ユダヤ的だと批判されるようなツイートを投稿したりするのはなぜかと問われました。
Elon Musk on Tuesday said that if his inflammatory tweets scare away advertisers from Twitter, he will accept that. “I’ll say what I want, and if the consequence of that is losing money, so be it.” https://t.co/0Pi3Yl8Jo2 pic.twitter.com/rpZ3Ff8Dw0
— CNBC (@CNBC)
マスク氏はしばらく沈黙したのち、1987年に公開された映画「プリンセス・ブライド・ストーリー」のマンディ・パティンキン演じるイニーゴ・モントーヤが父親を殺した男と対峙するシーンのセリフを引用。
さらに、「言うべきことは言うつもりです。その結果、お金が失われるなら、それはそれで構いません」と語り、Twitter上での自身のスタンスを変えるつもりはないと明言しています。
上場企業のCEOとしてマスク氏がTwitter上で発言できることには限界があります。その影響で、マスク氏がテスラに関する誤解を招くツイートを投稿した際、同社の株主はマスク氏を訴訟しました。なお、当該ツイートによりマスク氏とテスラは証券取引委員会から合計4000万ドル(約55億円)の罰金を科せられています。
テスラのイーロン・マスクが詐欺容疑で証券取引委員会に訴えられる – GIGAZINE
マスク氏はTwitter上でますます存在感を強めていますが、ますます自由なツイートを投稿できなくなってきているのも確かです。同氏の経営する企業の株主などは、再三にわたってマスク氏にツイートを減らすよう懇願してきましたが、マスク氏がツイートを減らすことはなく、今回の発言からみてもマスク氏のTwitter依存を止めることは難しそうです。なお、マスク氏はテスラの訴訟において「テスラに関する情報をツイートするときは弁護士などの審査を受けること」と命じられており、同氏はこれを不服として裁判所に異議を申し立てていたのですが、裁判所に申し立てが却下されてしまいました。
イーロン・マスク氏がツイートを制限される「Twitterシッター」裁判で敗訴、ツイートを投稿する時は審査を受けよと裁判所 – GIGAZINE
by Alpha Photo
他にも、マスク氏はシリコンバレーやアメリカ全土のハイテク労働者の間で重大な懸念を引き起こしている「在宅勤務からオフィスへ復帰することは義務化されるべきか」について自身の見解を述べています。
マスク氏は「在宅勤務という概念そのものが『パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃない』というマリー・アントワネットの偽の名言のようなものです。これは単なる生産性の問題ではありません。(在宅勤務は)道徳的に間違っていると思います」と発言し、在宅勤務を否定しました。
マスク氏はサービス労働者が引き続き出勤して対面での仕事を続けているのに対して、ハイテク労働者だけが在宅勤務を続けるのは偽善的だと言及し、「在宅勤務とかいうクソみたいなものは道徳的にどうかと思う」と述べています。
なお、マスク氏に買収される前の段階では、Twitterは新型コロナウイルスが終息したあとも従業員の在宅勤務を認めるとしていました。
Twitterは新型コロナ終息後も従業員の自宅作業を認める – GIGAZINE
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