新社名「LINEヤフー」に決まった理由、CLOVAはChatGPT対抗のAIに育つ?–ZHD会見

CNET Japan

 Zホールディングス(ZHD)は4月28日、傘下のLINEやヤフーなど5社の合併後の新社名を「LINEヤフー」にすると発表した。また、2023年度は「効率化の年にする」と述べ、新体制では中途採用の凍結を含め300億円規模のコストを削減し、二桁成長の実現に向けた原資を捻出するという。


ZHDで代表取締役社長 CEO Marketing & Sales CPOを務める出澤剛氏

 合併は2023年10月1日を予定している。新社名がLINEヤフーに決まった理由について、ZHDで代表取締役社長 CEO Marketing & Sales CPOを務める出澤剛氏は「全く新しい社名も検討したが、最終的にはシンプルかつ認知度の高いブランド資産を活用することにした」と述べた。日本におけるLINEの認知度は98%、ヤフーの認知度は94%に達しているという。

 同社の2022年度通期の売上収益は、過去最高の1.67兆円を記録した。一方、PayPayの連結を除くと成長は対前年度で大幅に鈍化した。


売上収益は過去最高の1.67兆円を記録したが、PayPayの連結を除くと成長は大幅に鈍化

 出澤社長は「市況は依然として厳しい」として、2023年度に300億円規模のコスト削減に取り組むと表明した。具体的には、オフィスを紀尾井町などに集約し固定費を削減するほか、中途採用の凍結、業務委託費の見直し、役員報酬の削減、マーケティング費用の絞り込みなどを実施するという。

 重複事業の再編によるコスト削減では、「LINE LIVE」や「GYAO!」の「LINE VOOM」への集約、日本での「LINE Bank」のプロジェクト中止など、すでに発表している取り組みを挙げた。

ChatGPT台頭、LINE CLOVAの今後は

 「ChatGPT」が注目を集める中、独自の大規模言語モデル「HyperCLOVA」を開発する「LINE CLOVA」事業については、ワークスモバイルジャパンに吸収合併し、NAVERと再編を図るという。

 ZHDで代表取締役 GCPO(Group Chief Product Officer)を務める慎ジュンホ氏は「CLOVAはグローバルでは競争に勝てないかもしれないが、膨大な国内データを持っており、国内向けに優れたサービスの提供を目指している」と述べた。また、出澤社長はAI戦略について「直近の動きはスマホ革命以上かもしれない。Clovaを中心としたやり方もあるし、外部連携するやりかたもある」と付け加えた。

 サービス間のID連携については、LINEとYahoo JapanのID連携を10月に、2024年度中にPayPayとのID連携をそれぞれ実施する。

 ID連携によって、LINEとYahoo、PayPay間で広告の横断的なレコメンド可能になる。加えて、出澤社長は「IDの一体化で、それぞれのユーザーに適切なサービスを案内できる。それによって新しいサービスを知ってもらい、アクティブになっていただける」と述べた。さらに、3サービスの横断的なマイレージプログラム「LYTプレミアム会員」にも注力するとした。

  ID連携後のPayPayと「LINE Pay」の棲み分けについて出澤社長は「現状でも役割分担できている。ID連携後は、LINE Payの中でPayPay送金ができたりとか、ステップを踏みながらPayPayとLINEのつながりを増やしていく」とした。

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