Microsoftが機械学習でEdge上の低品質ムービーの解像度を上げる「Video Super Resolution」を発表

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Microsoftが、ウェブブラウザのEdge上で低品質ムービーの解像度を機械学習で向上させるための技術「Video Super Resolution(VSR)」を発表しました。記事作成時点ではMicrosoftのInsiderプログラムでEdgeのCanaryチャネルを利用するユーザーの一部がVSRによるムービーのアップスケーリングを体験できます。

Straight from the cutting edge
https://www.microsoftedgeinsider.com/en-us/whats-new


Microsoft Edge’s AI upscaling feature can improve low-resolution video – The Verge
https://www.theverge.com/2023/3/6/23627080/microsoft-edge-video-upscaling-ai-super-resolution-vsr

Microsoft Unveils Its Own Version of Nvidia’s RTX Super Resolution | Tom’s Hardware
https://www.tomshardware.com/news/microsoft-unveils-its-own-version-of-nvidias-rtx-super-resolution

Microsoftによれば、VSRは機械学習を利用してブロック状の圧縮ノイズを除去してムービー解像度を上げる技術で、YouTubeなどのストリーミングプラットフォームで低解像度のムービーを鮮明かつクリアな状態で視聴できるというもの。


機械学習による映像のノイズ除去とアップスケーリングには一定の計算能力が必要であることから、VSRを利用するには「NVIDIA RTX 20/30/40シリーズ、あるいはAMD RX5700~7800シリーズのGPUを搭載していること」「PCがAC電源に接続されていること」が求められます。

また、元のムービーの解像度は720p未満で、高さと幅の両方が192ピクセル以上であること、さらにPlayReadyWidevineといった著作権保護技術で保護されていないムービーであることも、VSRの条件となっています。ただし、720p未満の解像度のムービーをVSRでどこまでアップスケーリングできるのかは不明です。

Edge向けに映像アップスケーリングの機能がリリースされるのはこれが初めてではありません。2022年6月に、MicrosoftはXbox Cloud Gaming向けのストリーミング映像を改善するクラリティブースト機能を発表しています。

また、VSRと同様の機能をMicrosoft以外の企業も開発しています。例えば、IntelはChromiumベースブラウザ向けの映像アップスケーリング機能を開発しています。また、NVIDIAはMicrosoftのVSRと同じような機能を持つ「RTX Video Super Resolution」を2023年3月に発表しました。NVIDIAのRTX Video Super ResolutionはGeForce RTX 30/40シリーズ搭載のPCでのみ利用可能となっていますが、ChromeとEdgeで利用可能です。

低画質のYouTubeやNetflixなどあらゆるウェブ動画を高解像度にアップスケールできるドライバーをNVIDIAがリリース – GIGAZINE


NVIDIAは「アップスケーリング中はPCのパフォーマンスがわずかに低下する可能性がある」ことを明らかにしていますが、MicrosoftはVSRがPCパフォーマンスにどこまで影響を与えるのかを明らかにしていません。

なお、MicrosoftのVSRは、記事作成時点でMicrosoftのInsiderプログラムでEdgeのCanaryチャネルを利用するユーザーの一部が利用可能で、機能を有効にするとアドレスバーにHDアイコンが表示されるとのことです。

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