先日は外出先でのファイルの受け渡しに「近距離共有」機能やUSBメモリーを利用したが、PCが機能に対応していなかったり、USBメモリーを持っていない時もあるだろう。そんな時にはiPhoneを利用するという手もありそうだ。
……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから326日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は「Documents」というアプリを使って、3つの手段でiPhone-PC間でファイルをやり取りしてみた。
2月6日(月):ファイルをiTunes経由でiPhoneにコピー
今日は自宅でテレワーク。午後から外出の予定があるので、作業中のファイルをUSBメモリーにコピーしようとしたところで、ふと思いついた。仕事用のファイルはiPhoneに入れた方が、Face ID認証がある分だけセキュリティ強度がアップするし、いちいちUSBメモリーを持ち歩く手間も減らせるのではないだろうか?
iPhoneをUSBメモリー代わりに利用するための方法はいろいろあるが、中でもよく使っているのがiTunesの「ファイル共有」機能だ。iPhoneアプリの中にはPC間でファイルを相互にコピーできるものがあり、iTunes上でドラッグ&ドロップするだけと簡単に操作できる。
今回は日ごろから利用している「Documents」というアプリを使うことにした。iTunesを起動したPCに、iPhoneをLightning – USBケーブルで接続。あとは、iTunesのツールバーにあるアイコンからiPhoneを開き、「ファイル共有」から「Documents」を選択。「Documentsの書類」欄にファイルをドラッグ&ドロップすればコピーは完了だ。iPhoneからPCにファイルを書き戻すときも、同じようにドラッグ&ドロップ操作をするだけでよい。
Lightning端子の転送速度はUSB2.0相当と言われているので、USB2.0対応のUSBメモリーと同じ感覚で利用することができるだろう。ただ、iTunesの設定によっては、PCにiPhoneを接続するといきなりバックアップが始まってしまうので、そこに時間を取られることもありそうだ。
2月7日(火):iPhoneに残ったファイルの削除も忘れずに
昨日は1GBのファイルをiPhoneとPCの間でやり取りしたわけだが、この操作は基本的にコピーになるため、ファイルをPCに移した後もiPhoneにファイルがまだ残っている。無駄に容量を使うのももったいないので、削除しておいた方が良いだろう。
iTunesのファイル共有機能を経由して「Documentsの書類」にコピーしたファイルは、「Documents」アプリの「マイファイル」画面にある、「iTunesのファイル」フォルダに保存される。このファイルは「Documents」アプリのドキュメントビューアー機能や、他のアプリを利用して開くことが可能だ。
なお、この画面からはファイルの削除もできるが、削除したファイルは「最近削除した項目」というフォルダに30日間保存される。これはWindowsでいうところの「ごみ箱」のようなもので、すぐにでもiPhoneのストレージ容量を空けたい場合には、ここから完全に削除しておくとよいだろう。
2月9日(木):PCの共有フォルダを利用する第3のコピー方法
以前、iPhoneから簡易NASへの接続に「Documents」アプリを使ったことがあったが、実はこれと同じ方法でiPhoneからWindowsの共有フォルダにアクセスできる。PCの電源さえ入れれば、あとはiPhoneから勝手にフォルダ内のファイルを閲覧・コピーすることが可能! ……ここまで色々なやり方でiPhoneをUSBメモリー代わりに使ってきたが、この方法が1番スマートかもしれない。
ただ、この方法を利用するには、PCとiPhoneが同じLANのネットワーク上にある必要がある。さらに、iPhoneから接続するPCをIPアドレスで指定するため、PCのIPアドレスを固定しておく必要もあるだろう。
なお、IPアドレスの固定方法については、Wake On LAN(WoL)の回で紹介しているので、ぜひ参考にしてもらいたい。
アプリ「Documents」の機能を見直したことで、3種類の方法でiPhoneをUSBメモリー代わりに使えるようになった。LAN環境のない場面ではケーブルを使う、固定IPが設定されていない場面では「Wi-Fi Transfer」を利用するなど、状況に合わせてこれらの機能を利用していきたい。
とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。