全国各地で催されている「朝市」。その中で最大級の規模と言われているのが、「舘鼻(たてはな)岸壁朝市」だ。青森県八戸市の舘鼻漁港で行われている朝市で、ただ歩いて回るだけでも1時間かかるという。
実際に行ってみたところ、いまだかつて見たことのない総菜を発見した。それは「せんべいの天ぷら」である! せんべいを揚げるの!? 味が気になったので食べてみたぞ!
・日本最大級の朝市
この朝市の歴史は意外にも浅く、2003年に始まったのだとか。毎年3~12月の毎週日曜日、午前3時頃~9時まで、漁港に多くのお店が軒を連ねている。なお、全長800メートルに約300店舗が出店しているそうだ。
会場の一般入り口には体温チェックと消毒が設けられており、基本的にマスクの着用が求められる。
ようやく日が昇り始めた午前6時半にもかかわらず、まるで祭りのような賑わい。さすが日本最大級の朝市!
漁港なので海の幸はもちろん、農産物もたくさん並んでいる。
青森といえばりんご! さまざまな品種が、都内では考えられないような値段で売られている。キズモノは袋にいっぱい入って500円とかお買い得! 持ち帰りのことを考えなければ本当に買って帰りたいくらいだよ。
揚げ物屋さんもあちこちにあってどこも賑わっている。パックにパンパンに入った から揚げが美味そう!
朝は寒いから、この手の焼き物で身体を温めたいところ。
在日米軍の三沢飛行場にあるためか、軍物の衣類も販売していた。
なぜか布団も売ってるぞ! そのほか手作りの雑貨や骨董品。時には車の販売もされることがあるのだとか。ほんとに何でもある!!
ちなみにこの日は7時半から舘鼻岸壁朝市公認アイドル「Pacchi(パッチ)」のライブが行われた。彼女たちには「日本一朝早く会えるアイドル」というキャッチコピーがついている。そうだろうねえ、彼女たちより朝早くライブするグループはいないものね。
彼女たちの元気な歌声が朝市に響いていた。
・コーヒーとモツチゲ
ひと通り様子を見たところで、まずはコーヒーを飲むとしよう。出店しているコーヒー専門店は意外と多い印象だった。八戸にはコーヒー好きが多いみたい。
早朝の屋外で飲むモーニングコーヒーは最高! 天気もいいからテンション上がる!!
お次は前日に入ったバーで、隣のお客さんに勧めてもらった「キムチの大東」。
ここのチゲ鍋で身体を温めるといいってことだったので、「モツ入りチゲ」(税込500円)を頂くことに。
モツも野菜もたっぷり入ってる! ピリリと辛味が効いていて、一口食べればお腹の底からアツくなる。シミるわ~!!
・せんべいの天ぷらだと!?
とにかく店数も品数も多い。目移りしちゃって何を買ったら良いのかわからないよ……。そんななかで、私の目を捉えたのが「せんべいの天ぷら」(税込300円)である。え? せんべいを天ぷらにするの!?
これだけはどうしても味を知りたい! と思い1パック買って帰った。あいにく八戸に滞在している間に食べる時間がなかったので、東京まで持ち帰ってしまったよ……。
見た目は、デカいさつまいもの天ぷらみたいかも。
食べると、しっとりとした歯ざわりで硬いピザ生地を食べているような感じかな? ほどよい塩加減でそのまま食べても美味しい。醤油やソースをたらしても合いそうだ。
そもそもこの地域の「南部せんべい」は米を原料にした「米菓」のせんべいと異なり、小麦粉を原料にしている。したがって、郷土料理のひとつに挙げられる「せんべい汁」のように、おかず感覚でせんべいの天ぷらも食べられているのだろう。
いずれにしても朝市は歩くだけでもとても楽しいので、八戸に観光に訪れる予定の人はぜひチェックして欲しい。
・今回訪問した催しの情報
名称 舘鼻岸壁朝市
場所 青森県八戸市新湊 館鼻岸壁
期間 毎年3~12月 毎週日曜日(臨時開催あり)
時間 午前3時頃~9時
参考リンク:舘鼻岸壁朝市、VISIT HACHINOHE
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24