従来のアナリスト調査では困難な100万超に及ぶビッグデータを分析し、これまで見過ごされてきた新興国小型株の新たな投資機会を追求する「ビッグデータ新興国小型株ファンド(1年決算型)」。
2019年10月31日に設定された同ファンドの特徴や魅力について、日興アセットマネジメントの山本氏と、実質的な運用を担当するビッグデータ運用の先駆的存在「アクサ・インベストメント・マネージャーズ」斎藤氏に話をうかがった。
資産運用サポート部長
山本 直紀
山本
昨今、投信業界では米国を中心とする先進国の株式ファンドが売れ筋ファンドとなっています。もちろん過去にはインド株やブラジル債券ファンドなども人気がありましたが、「新興国」と言うより、単一資産への投資ですよね。
まずお聞きしたいのが、現在の環境下で新興国株式への投資機会はあるのか、ということです。
齋藤
確かに、これまで新興国への投資というと、比較的分かりやすい単一国、単一資産に注目が集まっていたと思います。ただ、最近の中国株などが例に挙げられると思いますが、少し状況が悪くなると、新興国は一気に人気が下がってしまうことがあります。価格変動が非常に大きいがために、投資家はなかなか長く持ち続けられないというのが、実のところなのかもしれません。
一方で、新興国全体の経済成長率は、先進国に比べて高くなるであろうと、多くの投資家の皆さまは考えていらっしゃるのではないでしょうか。にもかかわらず投資に躊躇してしまうのは、短期の値動きと長期の成長期待という両側面で悩ましいと思われたり、あるいは新興国全体を広く見渡してもあまり色が見えず分かりづらいから、ということなのかもしれません。
「新興国株式」投資の魅力とは?
山本
新興国への投資では、やはり経済成長の“伸び代”であったり、成長企業の増加であったり、消費の拡大などに期待した長期投資という観点が大事だと私も考えます。
齋藤
営業部長
齋藤 邦行
足元の新型コロナウイルスをめぐる動きは、あと数年は付き合っていくことになると思いますが、長期的な視点に立つと、新興国ではダイナミックな変化が起きています。人口が14億人を超える中国や13億人を超えるインドでも、これまで貧困層の人たちの消費活動というものは経済規模として還元されませんでしたが、ここへ来て経済に参加できる人の数が劇的に増えてきています。
ですから、まさに新興国の人口がそのまま経済規模へと変わっていくような変化が、ここ10~20年の間に一気に起こる可能性があります。
山本
新興国では、インフラが整っている日本や先進国などとは全く違った過程を経て、様々なサービスなどが浸透し経済活動を拡大させている様子が見られますよね。
例えば、銀行口座を持っている人は少ないけれど、世界的なデジタル化の流れを先取りし、携帯電話の普及率や配車アプリの利用数などは日本を上回っています。もともとインフラが整っていなかったから、これまでの慣習にとらわれないんですよね。
全く新しいサービスも、躊躇なく人々に受け入れられて一気に拡がりをみせる。若い世代の消費に下支えされた成長は大きなポテンシャルですね。
齋藤
米国の高成長企業の“伸び代”も、実はそうした新興国の成長力に依存しているのではないかと思います。実は、当社がビッグデータを利用してリサーチしている新興国の小型株には、地元の“おらが自慢”企業といいますか、地力のある地元企業が含まれています。
先進国の成長企業と世界的に名の知られていない地元企業は、あまり競合関係にないので、双方がともに成長していくことができる領域だと思います。
山本
日本のホンダもソニーも、元は小さな町工場からスタートして大企業になりました。新興国の中にも、いまは小さいけれど今後大きく成長する企業があるはずで、おそらく日本よりもそうした企業は多いのではないかと思いますよね。ユニコーン企業の数も、日本より東南アジア諸国のほうが現状でも多いですし、そういった中小企業を発掘できるというのは、ビッグデータを利用したリサーチならではですね。
齋藤
そうですね。まだ名の知られていない新興国小型株を見つけ、投資をしていく魅力はそこにあります。ただ注意したいのは、全ての企業に伸び代がある訳ではないということです。そのため、常に銘柄をウォッチし続けることが大事です。
中国のように、自国の需要だけでいきなり世界的大企業にまで成長した事例というのは、他の新興国では今後ほぼ出て来ないと思います。
山本
新興国全体の株式時価総額を見ると、中国株が占める比率が圧倒的に大きいですよね。
齋藤
はい。新興国全体を捉えようとすると、どうしても時価総額が大きい中国や台湾、韓国の大手テクノロジー企業などの大型株が大部分を占めるため、大企業へのエクスポージャーを取らざるを得ない、という問題にぶつかります。そこで、当社では、新興国の小型株に限定してリサーチ・運用することにしたのです。すると当然ながらですが、ビッグプレーヤーは少なくなって、非常に多くの国の様々な業種に分散投資できるということが確認できたのです。
「ビッグデータ新興国小型株ファンド」について
山本
新興国株投資で、ユニークかつ高いパフォーマンスが期待できるファンドを組成できないかと考えていた時に、齋藤部長からそうしたお話を聞き、実にユニークで面白そうだと思いました。そして、2019年10月31日に設定したのが、「ビッグデータ新興国小型株ファンド(1年決算型)」です。
また、過去のデータを元に行なったシミュレーションの結果において、リターンだけでなく、投資効率(シャープ・レシオ)が優れていたのも魅力でした。一般的に、新興国は『ハイリスク・ハイリターン』になりがちですが、この「ビッグデータ新興国小型株ファンド」は、リスクがコントロールされていて、投資効率が非常に良いことが分かりました。そんな経緯で「是非、一緒にやりましょう」となった訳です。