1週間屋久島に行っていた私(中澤)。屋久島の自然は素晴らしかったが、船で鹿児島に戻ってきた時はそれはそれで安心した。たち並ぶのは杉ではなくビル。見慣れた光景がそこにあり、港から出た瞬間こう思わずにはいられなかった。「日常に戻ってきたなー!」と。
こうなったら、昼飯はいつも行ってるチェーンで食べたいものだ。そこで鹿児島中央駅近辺を散策したところ、餃子の王将があった。これは渡りに船。一刻も早く食べたいので速攻で入店したところ、あれ? なんかいつもの王将と違うような……?
・メニューに違和感
最初に違和感を覚えたのはメニューをである。まず、デザインが普段行ってる京都王将よりも大分素朴なのだ。京都王将のメニュー表ってもっと赤とか黄のカラフルさがあったように思う。
とは言え、全ての店舗が本社から配られている形式をキッチリ使っているとも限らないので、あくまでちょっと引っかかった程度であった。本格的に驚いたのはメニューの内容を見た時……
トリチリ(529円)なんてあったっけ?
っていうか……
プルコギ焼飯(897円)は確実に初めましてだぞ!
・トリチリを食べてみた
よく見たらセットも京都王将とは違う。これは一体……? 残念ながら、プルコギ焼飯は販売終了しているとのことだったので、トリチリを注文してみた。どうやら、鶏の唐揚げのチリソース和えのようだが……
予想通りの味だ。唐揚げにチリソースかけたらこんな味だろうなって味であり、ビックリするようなウマさとかではないのだが、なんとなく癖になる。チリソース自体の味は若干コクが薄めだが、マヨネーズをつけたら、まろやかさでそこが補完されてテリヤキマヨネーズみたいな味になった。
・食べなれたメニュー
初めてだけど、素朴なウマさにはどことなく王将っぽさを感じる。では、普段私がよく食べるメニューの味はどうなのか? 焼飯(499円)と餃子(234円)を食べてみると、この2つは結構違った。
まず、餃子は皮がモチモチで、いつもの京都王将ほどカリカリではない。餡も多めで、個人的にはより家庭的な味のように感じた。
しかしながら、もっと家庭を感じるのが焼飯。パラパラで中華的な方向性の京都王将の炒飯に比べ、この焼飯は昭和から平成初期にかけて日本のオカンが作っていたタイプのそれだ。
具体的に言うと、卵が少なめなのか、コーティング感と味は薄めで米を焼いたニュアンス。調味料の味よりも米の甘みが前に出てくるところに家庭料理みを強く感じる。
・これはこう!
言わずもがな、方向性としては真逆であり、いつもの京都王将に比べ味が地味で、何かひと味足りない気すらする。そこで試しに、トリチリのチリソースをかけて食べてみたところ……
ウンマッ!
トリチリがマヨネーズで補完されると前述したが、焼飯はトリチリで補完された。地味な味だからこそ、ちょうど空いてるところにピースがハマる。このコンビネーションは、他の王将にはない味と言えるだろう。
・謎の王将の真相
それにしても、チェーン店の地域差にしては、ちょっと違いすぎな気もする。そこで店を出た後、改めて店名をよく確認してみたところ……あっ!
鹿児島王将って書いてある!!
王将は王将でも京都でも大阪でもない。こんな王将があったのか。そこで調べてみたところ、大阪王将は言うまでもなく、同じ「餃子の王将」の屋号を掲げる京都王将とも別会社の模様。確かに公式サイトの企業情報を見ると、運営会社も違うし、社長も別人だ。
・隠れ名物
看板メニューと言われているのは天津飯(540円)で、甘口の醤油を使った餡の味が独特なのだとか。さらには、天津飯の米を焼飯にした天津焼飯(734円)というメニューもある。ひょっとしたら、あの焼飯の味は、餡かけみたいなプラスαありきの味付なのかもしれない。
なお、サイトの店舗一覧を見ると、2022年8月現在、鹿児島王将は鹿児島県に7店舗と宮崎県に1店舗のみ。まさに、鹿児島が誇る隠れ名物と言えるだろう。鹿児島に行った際は食べてみてくれ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 餃子の王将 中町店
住所 鹿児島県鹿児島市中町1-3
営業時間 11:30~15:30、17:30~21:15
定休日 水曜日、お盆年末年始