FPS/TPS好きの高校生が360Hz液晶を初体験! その感想とは
筆者の息子は現在高校生。ゲームが(それなりに)遊べるレベルのPCも持っているが、手軽に遊べる、登録しているフレンドが多い、といった理由からゲームは主にPS4でプレイしている。プレイするタイトルは、Apex Legends、フォートナイト、レインボーシックス シージが中心だ。PS4なのでフレームレートは最大60fps、使っているディスプレイもリフレッシュレート60Hzの一般的なものだ。ゲーミング液晶に興味はあるそうなので、AORUS 17の360Hz液晶を体験してもらうにはうってつけだ。
ゲーミング液晶でよく聞くのは、60Hzと144Hzの違いは分かるけど、それ以上はあまり分からないという意見。現役バリバリの高校生ゲーマーはどうだろうか。ということで60Hz、144Hz、360Hz設定でそれぞれプレイしてもらうことにした。プレイしたのは、PC版のApex Legendsとフォートナイトだ。
数時間プレイしてもらったが、「60Hzより144Hz、144Hzよりも360Hz、とその違いが分かった。よりスムーズに画面が動く360Hzはホントにスゴイ!」とのことで、若いプレイヤーには確実にその違いが体感できるレベルだったようだ。それだけに、360Hz液晶が活かせる高フレームレート設定がキモとなってくるだろう。
フォートナイトでは、「エモートのアニメーションがなめらかなのがうれしい」と言う。撃ち合いでの有利、不利ばかりに目が行きがちだが、フォートナイトではエモートでアピールしたりコミュニケーションを取ったりすることも多いだけに、360Hz液晶でエモートがなめらかになるのは思いのほかおもしろいようだ。
また、高リフレッシュレートとはちょっと離れるが、PS4でのプレイに比べて重くなるシーンがないことに感動していた。PS4のApex Legendsでは、オブジェクトが多くなると処理が重くなってラグが発生することもめずらしくないようで、何をしても描画がスムーズなのは高性能なゲーミングノートならではの強みと言える。「これでずっとプレイしてたい!」と率直な感想を述べていた。
基本性能もチェック。普段使いのPCとしても優秀な性能を誇る
ゲームにおけるポテンシャルは以上の通りだが、普段使いのPCとしての性能はどうだろうか? PCの基本性能を測定する「PCMark 10」、CGレンダリングでCPUパワーを見る「CINEBENCH R23」、ストレージの最大速度を測る「CrystalDiskMark 8.0.4a」と定番のベンチマークでその実力を見てみよう。
PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべて大幅に上回っており、特にDigital Content Creationがひときわ優秀だ。高性能なゲーミングノートはクリエイティブ用途でも活躍できることが分かる結果だと言えよう。
CINEBENCH R23のスコアは、デスクトップ向けの第11世代Coreシリーズの上位モデル、Core i9-11900Kを十分上回るもの。第12世代のCoreプロセッサはシングルコアの性能も優秀だ。CrystalDiskMark 8.0.4aは、シーケンシャルリード6995.41MB/s、シーケンシャルライト5000.17MB/sはPCI Express 4.0 x4のNVMe SSDとして十分優秀だ。ストレージの速度で不満を感じることはないだろう。
次に、GIGABYTE CONTROL CENTERアプリで「Ai BOOST」をあえてOFFにして、手動で動作モードを切り替えて性能や挙動の違いを比べてみた。テストにはゲーミング性能を総合的に計測できる3DMarkを使用している。
ファンを常に高回転させて高クロック動作を維持しようとする「TURBO MODE」のスコアが優秀だ。その代わり動作音は常に大きい。「CREATOR MODE」と「GAMING MODE」は状況に応じてファンの回転数を上げる。負荷が小さいときは静かなので、使い勝手としては一番よい。「MEETING MODE」と「POWER SAVING SILENCE MODE」は、CPUとGPUのクロックを落とすためスコアは大きく下がるが、ファンの回転数も上がらないため動作音はかなり静か。Web会議や外出先で使う場合には重宝するだろう。
インターフェイスについては後述するが、ゲーミングノートなので当然ゲームでの性能の高さに注目されるところではあるものの、基本性能が高く、必要とあれば静音動作に特化して利用することができたり、高性能のWebカメラや豊富な拡張性も備えていたり、といったところも合わせて考えると、ゲーム以外の用途、たとえば、リモートワークや自宅学習などへの適正も高く、総合力としても優秀。“ゲームだけ”にとどまらないところも本機の魅力だ。
長時間のプレイも安心の冷却システム
システム全体の消費電力を確かめておこう。OS起動10分後をアイドル時、3DMark Time Spy実行時の最大値を3DMark時とした。電力計にはラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を使用した。
CPUとGPUの両方に負荷がかかる3DMarkでは消費電力がかなり高くなるのが分かる。ACアダプタが240Wなので、フルに電力を使って性能を出していると言ってよいだろう。温度とクロックはどうだろうか。サイバーパンク2077を20分間プレイしたときのCPU/GPUクロックと温度をモニタリングアプリの「HWiNFO64 Pro」で測定した。
59枚のブレードを持つ2つのファン、5本のヒートパイプなどで構成されているWINDFORCE Infinity冷却システムは実に優秀で、CPUはクロックが上がった一瞬だけ温度が80℃台に入っているが、それ以外はほぼ75℃前後、GPUも最大76.9℃とゲームプレイ中という高負荷な状況が続いても基本70℃台と長時間のゲームプレイも安心と言える。温度が上がるとCPU、GPUともに微妙にクロックを落として発熱を抑制するなど、温度とパフォーマンスのバランス管理もよくできている。高い負荷がかかる時間が比較的長くなりがちなゲームプレイ時にはこのバランスのよい温度管理の動作が効果を発揮してくれそうだ。
30万円と高価なようでトータルコストで見るとオトク
AORUS 17は30万円前後とゲーミングノートとしても高価な部類には入るが、同レベルの性能を自作PCで実現しようと考えた場合、CPUはCore i5-12600K、GPUはGeForce RTX 3060 Tiクラスが必要。そこにマザーボードや16GBのDDR5メモリなど各種パーツ、キーボードにフルHDの360Hz液晶まで含めると30万円弱と、ほとんど変わらない価格になる。コンパクトで置き場所にも困らず、持ち運びもできるという利便性まで考えると、AORUS 17のコストパフォーマンスも納得のレベル、ノートならではのメリットがプラスの価値となると言える。
ノートPCでもゲーミング性能に妥協したくないというコアなゲーマーはもちろん、ゲームでも仕事でも快適にPCを使いたいという人にも向いている。高性能なゲーミングPCながら、シンプルなデザインで場所を問わず使いやすいのも魅力的な1台だ。
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