【ゲーム別GPU性能総比較】「VALORANT」をGPU 21種類で性能検証!

PC Watch

VALORANTの検証では、射撃場の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している

 本連載では、GeForceとRadeonシリーズのGPUを多数使い、特定のゲームのフレームレートを一斉比較していくことで、どのGPUが自分にとってのベストチョイスであるかを示していく。第4回目はCPU内蔵のGPUでもプレイできる描画負荷の軽さから、幅広い層に人気を集めているFPS「VALORANT」だ。

 用意したGPUは主にハイエンドからミドルレンジでGeForceは14種類、Radeonは7種類の合計21種類のビデオカードだ。取り上げるGPUとそれを搭載するビデオカードの製品名およびスペックは、使用したPCの環境も含めて、記事の最後にまとめている。

 テストの条件だが、VALORANTはグラフィックに関してまとめて設定を行なうプリセットは用意されていないため、グラフィック品質の各設定は「高」または「オン」とし、アンチエイリアスは「MSAA x4」、異方性フィルタリングは「16x」と可能な限り高画質になるようにした。なお、モニターのリフレッシュレートと同期するVSyncはオフにしている。

グラフィック品質は基本「高」または「オン」に設定して描画負荷がもっとも高くなるようにしている

 このゲームはベンチマーク機能を備えていないので、プラクティスモードの屋外射撃場を選び、一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。今回はその測定結果から、フルHDと4Kの平均フレームレートを掲載する。

【使用ドライバ】
NVIDIA : GeForce Game Ready 516.40
AMD : Adrenalin 22.5.2

 描画負荷の軽いゲームなので、最高画質設定でも高フレームレートが出やすい。平均60fps出れば十分という考えならば、今回のテストした21種類のGPUすべてがクリアできている。そのため、組み合わせるモニターによってベストなGPUが変わると言ってよいだろう。

 フルHD解像度のゲーミング液晶で現在最大クラスのリフレッシュレートは360Hz。それを生かし切れるGPUと見た場合はGeForceではRTX 3000シリーズならRTX 3060以上、RTX 2000シリーズならRTX 2060 SUPER以上が必要。RadeonではRX 5600 XT以上が必要だ。

 ちなみに、グラフには掲載はしていないがフルHD解像度では最小(1%)のフレームレートがどのGPUでもあまり変化しないのが特徴的だった。ほとんどが230fps前後に集中しており、ハイエンドGPUが最小フレームレートの底上げにつながらない。

 4K解像度のゲーミング液晶ではリフレッシュレート144Hzが主流だ。それを生かすには平均144fps以上が必要となる。GeForceではRTX 3060 Ti/RTX 2060 SUPER以上、RadeonではRX 6600 XT/RX 5700 XT以上が当てはまる。4Kの最高画質でもミドルレンジクラスのGPUで144Hzが十分生かせるのは、軽いゲームならではだ。

 フルHDと異なり、4KではGPUのグレードに合わせて最小(1%)も下がっていく。ただ、RTX 3060 Tiで見ると平均183.7fps、最小(1%)で145.1fpsと、どのGPUでも平均に対して最小が極端に落ち込まないのが、このゲームの特徴と言える。

 グレードごとに見ると、GeForceではRTX 3060 Ti、RTX 3060、RTX 3050の間で大きく平均フレームレートが下がっている。それぞれメモリバス幅は256bit、192bit、128bitなのでCUDAコア数やブーストクロックよりもバス幅がフレームレートに影響しやすいようだ。

 Radeonでもメモリバス幅256bitのRX 5700 XTと192bitのRX 5600 XTの間で平均フレームレートが大きく下がっている。

ゲーム別GPU性能総比較 記事一覧

使用PCはCore i9-12900K搭載のマウスコンピューター「G-Tune XP-Z」

 この連載で使用しているPCはマウスコンピューターのハイエンドゲーミングPC「G-Tune XP-Z(プレミアムモデル)」だ。

マウスコンピューターの「G-Tune XP-Z(プレミアムモデル)」。メモリはDDR4-3200が32GB、ストレージには1TBのNVMe SSDと4TBのHDDを搭載。価格は56万9,800円から

 CPUはCore i9-12900K(16コア24スレッド)、マザーボードはZ690チップセット、CPUクーラーは36cmクラスの簡易水冷を採用しており、ビデオカードの性能測定をする上でCPUが可能な限り、ボトルネックにならないようにしている。電源も1,200Wとこちらもどのビデオカードと組み合わせも不安のないものだ。

 なお、CPUのパワーリミットについてはLong Duratin Power Limit(PL1)が125W、Short Duratin Power Limit(PL2)が241Wに設定されていた。

使用したビデオカード一覧

 ここで使用している多くのビデオカードは定格クロックで動作しているが、一部OCモデルも含まれている(GPU一覧表のブーストクロックが括弧内のクロックよりも高いものがOCモデル)。

 ASUSのROG STRIXシリーズにはBIOS切り換えスイッチが搭載されているが、すべてパフォーマンス用の「Pモード」に設定。ツールを使うことでブーストクロックをより高められる製品もあるが、今回はツールを使わず、すべてデフォルト状態でテストを実行した。

 また、NVIDIAのResizable BAR、AMDのSmart Access Memoryは有効にできるGPUはすべて有効にしている。

【表】使用GPU一覧
GPU 製品名 シェーダー数(CUDA・SP) メモリバス幅 ビデオメモリ ブーストクロック
(定格)
カード電力
(定格)
GeForce RTX 3090 MSI GeForce RTX 3090 VENTUS 3X 24G 10,496 384bit GDDR6X 24GB 1,695MHz
(1,695MHz)
350W
(350W)
GeForce RTX 3080 Ti MSI GeForce RTX 3080 Ti VENTUS 3X 12G 10,240 384bit GDDR6X 12GB 1,665MHz
(1,665MHz)
350W
(350W)
GeForce RTX 3080 MSI GeForce RTX 3080 VENTUS 3X 10G 8,704 320bit GDDR6X 10GB 1,710MHz
(1,710MHz)
320W
(320W)
GeForce RTX 3070 Ti MSI GeForce RTX 3070 Ti VENTUS 3X 8G 6,144 256bit GDDR6X 8GB 1,770MHz
(1,770MHz)
290W
(290W)
GeForce RTX 3070 MSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC 5,888 256bit GDDR6 8GB 1,755MHz
(1,730MHz)
220W
(220W)
GeForce RTX 3060 Ti ZOTAC GeForce RTX 3060 Ti 8G GDDR6 HDMI/DP*3 4,864 256bit GDDR6 8GB 1,665MHz
(1,665MHz)
200W
(200W)
GeForce RTX 3060 ZOTAC GeForce RTX 3060 12G GDDR6 HDMI/DP*3 3,584 192bit GDDR6 12GB 1,777MHz
(1,777MHz)
170W
(170W)
GeForce RTX 3050 メーカー不明 GeForce RTX 3050 2,560 128bit GDDR6 8GB 1,777MHz
(1,777MHz)
130W
(130W)
GeForce RTX 2080 SUPER ASUS ROG-STRIX-RTX2080S-A8G-GAMING 3,072 256bit GDDR6 8GB 1,830MHz
(1,815MHz)
250W
(250W)
GeForce RTX 2080 ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING 2,944 256bit GDDR6 8GB 1,860MHz
(1,710MHz)
245W
(215W)
GeForce RTX 2070 SUPER ASUS ROG-STRIX-RTX2070S-A8G-GAMING 2,560 256bit GDDR6 8GB 1,800MHz
(1,770MHz)
215W
(215W)
GeForce RTX 2070 ASUS DUAL-RTX2070-O8G-MINI 2,304 256bit GDDR6 8GB 1,650MHz
(1,620MHz)
175W
(175W)
GeForce RTX 2060 SUPER ASUS DUAL-RTX2060S-O8G-EVO-V2 2,176 256bit GDDR6 8GB 1,695MHz
(1,650MHz)
184W
(160W)
GeForce RTX 2060 ASUS DUAL-RTX2060-O6G-EVO 1,920 192bit GDDR6 6GB 1,755MHz
(1,725MHz)
183W
(160W)
Radeon RX 6900 XT ASUS TUF-RX6900XT-T16G-GAMING 5,120 256bit GDDR6 16GB 2,335MHz
(2,250MHz)
300W
(300W)
Radeon RX 6800 Radeon RX 6800リファレンスカード 3,840 256bit GDDR6 16GB 2,105MHz
(2,105MHz)
250W
(250W)
Radeon RX 6700 XT Radeon RX 6700 XTリファレンスカード 2,560 192bit GDDR6 12GB 2,615MHz
(2,581MHz)
230W
(230W)
Radeon RX 6600 XT ASUS ROG-STRIX-RX6600XT-O8G-GAMING 2,048 128bit GDDR6 8GB 2,607MHz
(2,359MHz)
160W
(160W)
Radeon RX 5700 XT ASUS TUF 3-RX5700XT-O8G-GAMING 2,560 256bit GDDR6 8GB 1,905MHz
(1,905MHz)
225W
(225W)
Radeon RX 5600 XT ASUS ROG-STRIX-RX5600XT-O6G-GAMING 2,304 192bit GDDR6 6GB 1,750MHz
(1,560MHz)
150W
(150W)
Radeon RX 5500 XT ASUS DUAL-RX5500XT-O4G-EVO 1,408 128bit GDDR6 4GB 1,845MHz
(1,845MHz)
130W
(130W)

Source

コメント

タイトルとURLをコピーしました