CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は6月25日と26日の2日間、東京都にある東京ドームにて行われた「ラブライブ!サンシャイン!!」をテーマにしたライブイベント「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock ‘n’ Roll TOUR~ <WINDY STAGE>」の模様をお届けする。
「ラブライブ!」は「みんなで叶える物語」をキーワードに、楽曲、アニメ、ライブなどオールメディアで展開するスクールアイドルプロジェクト。「ラブライブ!サンシャイン!!」は、2015年にプロジェクトが始動。静岡県沼津市を舞台に、浦の星女学院で結成されたスクールアイドルグループ「Aqours」が活動する姿を描いた作品となっている。
メンバーの声を担当するキャストが、作中と同名のグループとしてステージに立つライブイベントもシリーズ恒例。Aqoursとしても、2017年に初のワンマンライブを開催。それ以降も精力的に実施され、2019年にはアジアツアーも行うなど、国内外で人気を集めている。
2019年6月の5thライブ以降は、新型コロナウイルスの影響もありオンラインライブなどを展開。2021年末に2年半ぶりとなった有観客ライブを経て、2022年は久々となるナンバリングを関した6thライブが開催。2月にバンテリンドーム ナゴヤで<OCEAN STAGE>、3月にベルーナドームで<SUNNY STAGE>が実施された。
この<WINDY STAGE>は追加公演として開催されたもの。Aqoursの東京ドームでのワンマンライブは、2018年に開催した4thライブ以来約4年ぶり2度目。当初2020年に予定していた6thライブツアーでは、東京ドームも含まれていたが中止となり、改めての開催が実現する運びとなった。
公演は新型コロナウイルス感染対策ならびに感染拡大予防ガイドラインに沿う形での有観客開催となり、客席から発声をともなう声援は控える形となっていた。そのため、コール&レスポンスやメンバーからの問いかけ、曲中の盛り上げやパフォーマンスには、クラップ(拍手)を送ったりコンサートライトを振る形で応えていた。あわせて、公演の模様はオンラインでの有料生配信も実施。Twitterでも視聴者のコメント投稿で盛り上がりを見せていた。
出演したのは、高海千歌役の伊波杏樹さん、桜内梨子役の逢田梨香子さん、松浦果南役の諏訪ななかさん、黒澤ダイヤ役の小宮有紗さん、渡辺 曜役の斉藤朱夏さん、津島善子役の小林愛香さん、国木田花丸役の高槻かなこさん、小原鞠莉役の鈴木愛奈さん、黒澤ルビィ役の降幡 愛さんの9人。両日とも約3時間半におよぶステージを行った。
今回は4thライブと同様に、アニメの音楽を担当した作曲家の加藤達也氏を指揮者として、ライブのために編成されたオーケストラ「浦の星交響楽団」も登場。メンバー登場前のオープニングや劇伴の生演奏、さらに一部楽曲ではAqoursとの共演もあり、ライブの盛り上げに一役買っていた。
さらに外野側に設けられたメインステージには、その横幅いっぱいまであるような“超横長”と言える巨大スクリーンが設置。メインスクリーンとサブスクリーンの役割を柔軟に果たすだけではなく、9分割してメンバーを映し出したり、画面いっぱいに広がる演出もあるなど、見た目にも迫力あるものとなっていた。またメインステージのほか会場中央やバックネット側にもサブステージが設置され、メインステージと会場中央のサブステージを繋ぐような、外周を回る通路も設けられていた。
25日のDay.1公演では、アキバレポーターによる場内を盛り上げるナレーションや、大きな拍手で迎えられた浦の星交響楽団による生演奏とメンバー紹介映像のオープニングを経て、ライブがスタート。その1曲目は、WINDY STAGEのテーマソングとして制作された「なんどだって約束!」。同曲のCDジャケットで描かれている新衣装で登場し、約束を示す小指を立てたり結んだりする振り付けを織り交ぜながら、東京ドームでの再会を喜び合うように歌う。続けての「未体験HORIZON」では、同曲のアニメPVを映し出しながらスクリーンでは花丸が、ステージでは高槻さんが中心となり、ラブライブ!シリーズの特徴でもあるシンクロパフォーマンスを展開。終盤にはアニメPVでも象徴的な、黄色の蝶の紙吹雪が多数舞上がっていた。
曲終わりの第一声は「みんなー!ただいまー!」。4thライブでは初めて東京ドームに立てた喜びとともに、また戻ってくることをメンバーそれぞれが口にしていただけに、この言葉にもひときわ力が入っているように感じるものに。そして伊波さんから、4年ぶりに約束の場所である東京ドームへ戻ってきたことを高らかに宣言すると、大きな拍手が沸き上がっていた。浦の星交響楽団やメンバーの自己紹介、冒頭2曲の感想とともに新衣装の紹介といったトークを経てライブは進行。
キャストによる実写PVが制作されたのも記憶に新しい「DREAMY COLOR」では、個々のパフォーマンスを9分割してスクリーンに映し出す光景も。そのあと歌われたのはTVアニメ2期第9話挿入歌の「Awaken the power」。オリジナルは、同作に登場する2人組スクールアイドル「Saint Snow」との合同ユニット「Saint Aqours Snow」によるものだが、ここでは1年生メンバー(小林さん、高槻さん、降幡さん)の3人での披露に。トロッコに乗り込みさらなる盛り上げを生み出すように歌えば、TVアニメ1期第9話挿入歌である「未熟Dreamer」は3年生メンバー(諏訪さん、小宮さん、鈴木さん)が落ち着いた雰囲気で曲の世界観を作り出していた。
9人によるソロ曲を披露するパートも設けられた。今回はDay.1とDay.2に分かれて、「LoveLive! Sunshine!! Second Solo Concert Album」に収録されている新規ソロ曲をそれぞれ歌った。
伊波さんが、千歌の元気と前向きな気持ちを伝えるように「OKAWARI Happy life!」を歌えば、逢田さんは「Love Spiral Tower」を、椅子を使ったセクシーなダンスを見せながら魅惑の雰囲気を醸し出すようにパフォーマンス。降幡さんは白を基調とした衣装で登場し、バラード曲「1STAR」で歌声を響かせる。曲途中では登場時の衣装を脱いで、青を基調でキラキラとした衣装にチェンジする一幕も。小宮さんは和風とテクノを織り交ぜたような「MOTTO-ZUTTO be with you」を歌う。白の和服風ステージ衣装で登場し、間奏では赤の照明に彩られたステージでのダンスで魅了していた。