うず高く盛られているものを見ると気分があがる。
それは白ご飯だったり、かき氷だったり、居酒屋のポテトサラダだったり、残土だったり髪の毛だったりとさまざまだ。
そして、それを見るとわたしはいつも思うのだ、回してみたいと。
ローストビーフ丼専用のローストビーフ塊400gを買いました
先日、大好物のローストビーフの400g塊を買った。
もともと、私は普段から、赤身牛肉の塊が手に入ればローストビーフを作って食べるという生活をしている。
まず、肉に専用シーズニングをまぶし、「ピチットシート」で2~3日間ほど脱水。フライパンでさっと強火で焼き、「だいたい良い感じかな」ってぐらい火を通したあと、アルミホイルとタオルで二重に包み余熱を通す。
これでもかとうす~く切って、お手製のポン酢とニンニクで食べればこの世の至福だ。大量のネギやオニオンスライスがあるときは丼にする。
「もう当分いいや」となるまで食べなければ気が済まないほど赤身肉が大好きだ。
ある時、先輩ライターさんからのお誘いで、長崎県平戸市の特産品ショップのお手伝いをすることになった。
そこでこの限定のローストビーフのかたまり肉の存在を知り、一目ぼれしてしまったのだ(現在は完売しています)。
メーカー側的には、「丼にしてくれ」と言っている。ローストビーフ丼専用肉といって言っていい。ビジュアルもとても素晴らしい。
この丼は「回す」しかない!
まさにこれは肉のスカートじゃないか。見たことある。結婚式のドレス選びのとき、こういうデザインのドレスがあったもの。
そういえば小さい頃、可愛いスカートを買ってもらって、お姫様気分でクルクル回ってたっけな。
やっぱりこれは、回さなければならない。
しかし、どうやって回したらいいんだろう。夫に「グルメ番組とかでなかったっけ、料理が回るやつ」と聞いたところ、「あれはたぶんカメラが回ってるんじゃないの」と言われ愕然とした。だからあんなに綺麗に回れていたのか。でもいやだ、わたしはどうしても自分で回したい。
試行錯誤をしたところ、答えはまさかのデイリーポータルZにあった。乙幡さんの記事に、着物で「あ~れ~」でぐるぐる回るための道具としてテレビの回転台が出て来たのだ。
その記事を参考に、ダイソーで回転台を購入した。住宅エリアの中にある大型店に行ってきたのだが、PC用品などが並ぶ棚にバッチリ置いてあった。一番小さい直径22㎝をチョイス。
これで丼をキラキラと回すことができるはずだ!
まずはローストビーフ丼を作ります。
我慢できなくて、切ってる途中に2枚ほど食べました。
はい!できました。
なんとなくてっぺんは花の蕾のようにしなければと本能が働いたのだが、きっと飲食店で見たことがあるんだ。無意識に崩してたことが申し訳ない。
うん、よく見ると、チューブトップドレスに見えないこともない。これは回し甲斐がありそうだ!
さきほどの回転台に、ビニールテープを貼りつけて、いざ。
回った!ちょっとぎこちないけど、なんとかぐるっといける。
とても綺麗だ。そして輝いている。いま、あなたが一番綺麗だよ、と言いたい。
良い丼は、高さに関係なく回してみよう。そう思った。
貴重な平戸和牛、とってもおいしかったです
なお、食べたお肉は「平戸和牛」。長崎和牛の中でも希少価値の高いブランドだ。旨みのある赤身と網の目のように入ったサシが、まさかというほど口の中でとろける。
薄く切ったのに、1枚あたりの食べ応えがずしりと重いのだ。あれ、わたし今ステーキ食べてるんだっけと言わんばかりに。梅干しシートのお肉版と言ったところだろうか。
これまで湯水のようにローストビーフを食らっていたわたしだが、グルメ漫画のように丁寧な咀嚼とリアクションをもって食べ進めることになったのである。
実はこのローストビーフ丼、2人前で400g。食べ慣れているので楽勝と思っていたが、最終的に夫とシェアしなければ完食できなかった。
友人の結婚式でたらふく食べてきた時のような、ほんわりとした余韻に包まれながら手を合わせました。
ごちそうさまでした。
著書「佐世保の自由研究」を出しました
これまで、「デイリーポータルZ」やブログ「ヤマモトチヒロのブログ」で執筆公開させていただいた記事11本をまとめた本を作りました。
記事公開後、取材先を改めて訪ねたお話も掲載しています。
平熱な愛着を持つ地元を面白がるために細々と書いている記事ですが、「ちょっと聞いてくださいよ」と皆さんにお伝えしたくもあるのです。一緒に面白がってやってくださるとうれしいうれしい。
佐世保にゆえんがある方もない方も、どうぞお手に取ってご覧ください!
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