現実に作用する身体性のあるバーチャル技術の研究・開発を行うイマクリエイトは6月15日、新潟大学と医療現場で必要な手技を学習できるバーチャル空間を共同で開発したと発表した。
高度な技術や知識が要求される医療の現場では、実践に基づく学習が必要不可欠だが、世界的な感染症の流行で、外出や実習が制限されている。
そこで、実践に近い学習機会を用意するための手段として、新潟大学のバーチャルテクノロジーを活用したコンテンツ開発に取り組んだという。
今回開発したのは、医療現場で必要な手技のうち、代表的な7つ(腹部視診、腹部聴診、腹部打診、心電図測定、血液ガス検査、下腿浮腫の検査、血圧測定)について、自らの身体を使って一連の動作を体験しながら学習できるバーチャル空間技術。
動画やテキストのような見て学習するタイプのコンテンツではなく、バーチャル空間上の患者に対して、同じくバーチャル空間上にある医療器具を使って学習を進めるという、実際の実習に近い体験が得られるのが特徴。
患者のズボンを下げる動作や聴診器から聞こえる音、採血の場面ではシリンジに逆流する血液など、実際の診療を忠実に再現しているという。
バーチャル空間内にはガイドが表示され、指導者が横に付き添うことなく繰り返し自習できるのも、現実の実習にはないメリットだとしている。