文房具を数多く展開しているコクヨ。その中で筆者が数年前にTwitter上でツイート見かけ、「オッ」と思ったアイデア商品が、キャンパスノート“ハーフサイズ”だ。通常のノートを上下に真っ二つに切ったようなこの製品は、キーボードの手前に置きっぱなしにできる。PC作業をしながらこのノートにアイデアをメモしたり、逆にそのアイデアメモを参照しながらPCに入力するといったシチュエーションに最適である。
つまり、ノート(ペーパー)のくせに(ペーパーレス化のための)PCとの相性が抜群なのだ。
PCは日々デジタイザや手書き技術が進化していて、いかに「紙に近い書き心地」に近づけられるか努力を重ねている。しかしやはり紙の書き心地には到底かなわない。だからこそPCと相性のいい紙が必要なのだ。なので筆者はこのキャンパスノートの“ハーフサイズ”のコンセプトがものすごく気に入った。
しかし、残念ながら筆者は紙のノートを使う機会はまったくと言っていいほどない。キーボードの手前に置きたいのは、紙のノートではなく、キーボードだ。
理由は、単純に2台のPCを操作する機会が多いから。特に、PC本体やパーツのレビューでは、ベンチマークソフトを操作し、ベンチマークが終了してからそのスコアを記録するといったことは多発する。こういったシーンでどうしても操作先の切り替えが生じるのだ。
ちなみに2台のマシンを切り替えて操作する方法として以下のものも考えられるが、筆者の場合あまり現実的ではない。
- Mouse without Borders→当然だが、キーボード/マウスを繋いでいるマシンが起動していないと使えない。業務終了してメインマシンの電源を落としてから、検証マシンで検証作業を続けることもあるので望ましくない
- リモートデスクトップ(VNCなど)→入れるのが手間だし、画面のストリーミングで性能ロスが考えられるため性能検証には向かない
- USB切替器→切り替え後、デバイスの認識から始まるので数秒のロスがあり、思考が中断される
結局、もう一対のキーボード/マウスを置くのがベスト、という結論に至ったのである。
しかし当然のことながら、キーボードの手前にキーボードを置くと、奥のキーボードを操作する際には手前のキーボードをいったんどかしたり、手のひらが手前のキーボードに当たらないよう腕を浮かして操作することになる。これもなかなかしんどい。
というわけで辿り着いた先が、サンワサプライの後付けキーボードスライダー。これなら、使う時だけサッと引き出して使い、使わない時はサッとしまってメインキーボードの操作に戻れる、と思ったわけだ。ちなみに筆者が使っているゲーミングデスクは中央手前がえぐれているような形状となっているため、今回はその幅に収まりそうな幅51cmのモデル「100-KB004」を選択した。
キーボードスライダーとしての使い勝手だが、HHKBのようなコンパクトなキーボードを置くにはまったく不足のないサイズで、マウスも隣に置いて操作できる。フルサイズキーボードだとマウスを置く場所はなくなるだろう。奥行きも十分確保できており、手のひらを置いてゆったりタイピングできる。“キーボードの手前にキーボードを置く”という目的は、難なく達成できてしまった。これで2台のマシンを操るのもラクラクだ。
ちなみにスライド機構は純粋に左右のレールにハマった可動パーツが動く仕組み。左右にややガタつく印象があるので、両手でしっかり持って引き出したり入れたりした方がスムーズであった。
筆者の場合、メインのキーボードをやや左寄りに置いている関係で、メインのキーボードをタイピングしている時に、机の天板に引っ掛けるクランプの部分が左の腕に当ってしまった。幸いこのゲーミングデスクは、大型のマウスパッドでこの部分を隠してしまうのでそこまで気にならない。気になるユーザーはクランプの厚みに合う薄手の板を入れて高さを揃えた方がいいだろう。
ちなみにキーボードだけでなく、8型程度までのUMPCやタブレットを置くこともできる。必要な時にサッと開いて情報を参照したいというニーズにも好適ではないかとは思う。
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