かぐや姫は月ではなく富士山に帰った! ゆかりの地を歩く

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竹取物語というお話がある。平安時代に成立した物語で、日本最古の物語と言われている。竹から生まれたかぐや姫が月へと帰っていくお話だ。誰もが一度は読んだことがあるのではないだろうか。

この物語の舞台は候補となる場所がいろいろあるのだけれど、その一つが静岡県の「富士市」だ。富士市のかぐや姫は月に帰らない。富士山に帰るのだ。かぐや姫は富士山の神様だったのだ。

かぐや姫のお話

誰もが知る物語「竹取物語」。そこに登場するのが「かぐや姫」だ。この物語には竹からかぐや姫が登場するなど、印象に残るシーンが多々あるけれど、一番盛り上がるのは最後の月に帰るシーンだ。 

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月に帰ります!

全国に竹取物語由縁の地がある。京都の向日市や、奈良の広陵町、香川県の長尾町など数多く存在する。その一つに静岡県の「富士市」が挙げられるわけだ。富士市は名前からもわかるように、富士山を見ることのできる街だ。

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富士山

竹取物語にはそもそも富士山が登場する。帝が不死の薬などをもっとも天に近い山の頂で燃やすように指示する。それ以来、その山は「ふじの山」と呼ばれるようになる。この山こそが富士山なわけだ。

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富士市に来ました!

かぐや姫ゆかりの地 

富士山の街のかぐや姫。信憑性を感じるじゃない。かぐや姫がいたとしてもおかしくないじゃない、ということで富士市を訪れた。ここにはかぐや姫ゆかりの地があるのだ。それを見て周り、かぐや姫を感じたいと思う。 

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竹採公園に来ました!

竹採公園には「竹採塚」というものがあり、「竹採姫」と刻まれた石が鎮座している。ここはかぐや姫が育った場所と言われている。またこの場所は明治時代初期まで無量寿寺の境内で、臨済宗中興の祖と呼ばれる白隠禅師の供養塔も建っている。

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竹がたくさんありますな!

その白隠禅師の白隠談をまとめた「無量寿禅寺草創記」で、かぐや姫が誕生し、育った地とされている。つまり、ここでかぐや姫は生まれたし育ったのだ。今私はかぐや姫生誕の聖地にいるわけだ。

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竹採塚です!
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竹採姫と刻まれていますな!

公園内は竹で囲まれており、孟宗竹が多かった。孟宗竹は一般的には江戸時代に日本で広がったと考えられる。かぐや姫の時代は「真竹」がこのあたりに茂っていたのだろう。光っている竹はないかと探したけれど、何も光っていなかった。なんならこの日は雲が多かった。

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竹が美しいですよ!

竹取翁を祀り、かぐや姫が顔を映した

次は「滝川神社」を訪れた。江戸時代以前は原田浅間社や新宮、父宮などと呼ばれていたそうだ。父宮と呼ばれたのがポイントで、かぐや姫の養父である竹取翁を祀ることから来ている。 

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滝川神社
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竹取翁を祀ります

滝川神社から少し歩くと、「鏡石」というものもあった。小栗判官物の主人公であり、絶世の美女と言われる「照手姫」が湧水の中の石を鏡として容姿を整えたと言われる。この石を「鏡石」と言う。

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少し歩くと、
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鏡石がありました!

照手姫は室町時代の人物だけれど、かぐや姫もまたここに姿を映したと言われている。水は美しく、覗いてみると確かに私の姿が朧げに映った。ただ映ったのは絶世の美女ではなく、寝不足の男の顔だった。そう私だ。

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鏡石

博物館とかぐや姫

富士市には「富士山かぐや姫ミュージアム」が存在する。名前にかぐや姫とついているのだからかぐや姫である。2016年に現在の名前になったそうだ。富士市の歴史はもちろん、かぐや姫のことも詳しく知ることができる。 

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富士山かぐや姫ミュージアムに来ました!
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確信したね、かぐや姫は富士市生まれだと!

また富士市ではかぐや姫に因んだ商品も販売されている。それはなぜかって、ここがかぐや姫の生まれた街だから。温泉地に温泉まんじゅうがあるように、かぐや姫が生まれた場所にはかぐや姫に因んだものがあるのだ。

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洋菓子の家mimiの、
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竹取ロール!

竹の葉っぱをなめらかに細かく粉末状にしたものが入ったロールケーキだ。富士山麓の卵、静岡県内の牛乳が使用されおり、かぐや姫にふさわしいロールケーキと言える。たぶんかぐや姫もアフタヌーンティーに食べたいって言うと思う。知っていれば五人の貴公子の一人に「竹取ロール」と課題を出していた気がする。

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美味しそうでしょ!

食べてみるとこれがとても美味しかった。竹の葉の粉末を食べたことがなかったのだけれど、風味がよく、苦味はない。なんだろう、爽やかなのだ。5月の風と言えばいいのだろうか。本当は冬の寒い時期に撮影したけれど、そんな爽やかな風を感じた。

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そして、こちら!

富陽軒の駅弁「弁当竹取物語」。今回は新富士駅で購入した。かぐや姫の故郷である富士市が詰まったお弁当で、ゆで落花生ごはんや、海の幸、山の幸が、それはそれはかぐや姫のように艶やかにあしらわれている。

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艶やか!

これを先の竹採公園で食べた。かぐや姫が生まれ、育った場所で食べる竹取弁当。格別な美味しさであった。実家で食事をしている感じだ。かぐや姫の実家で食事。なかなかない機会だと思うけれど、それが可能なのだ、富士市では。

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美味しい!

富士山に帰るかぐや姫を体験

見返し坂と呼ばれる場所がある。これは富士山に帰るかぐや姫が別れを惜しみ、何度も自分が育った街を見返した場所だ。先にも書いたように富士市のかぐや姫は月には帰らない。富士山に帰るのだ。その道中の素晴らしき感動スポットと言える。 

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見返り坂を目指して歩く

場所としては先の竹採公園の北方付近の高台だ。坂道を登っていく必要がある。この辺りには、「赫夜姫(かぐやひめ)」という地名も残っている。またここに「昭和自動車学」もあるのだけれど、その住所は「静岡県富士市比奈かぐや姫」と完全にかぐや姫。住所にもかぐや姫はいるのだ。竹の中だけではないのだ。

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昭和自動車学

私は富士市に初めて来たので、かぐや姫とは異なり、この街に惜しむものはない。地域的にも地下水が豊富なので、製紙業が盛んということはわかる。街を走っていると、大きな煙突から白い煙が出ている。

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製紙業が盛んな街

かぐや姫の時代に製紙業が盛んだったはずはないので、もっとのどかな景色が広がっていたのだろうと思う。その景色を見返り坂でかぐや姫は何度も見たのだ。富士山に帰るので、そこからでも見えただろ、と思うけれど、たぶんそれでは小さすぎるのだ。

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見返り坂に来ました!

見返り坂の前に囲いの道というのもあって、そちらも上り坂だった。随分と歩いた気がする。私はそんな道を歩き見返り坂にやってきた。かぐや姫の気持ちになって、生まれ育った街を見渡そうではないか。私は今、かぐや姫なのだ。

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見返り坂で見返ります!
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何も見えねぇ!

全然街が見えなかった。畑と電柱。惜しめない。見返しても惜しめない。だって見えないから。当時といろいろ変わったのだろう。わかることは、今は惜しめないということだ。とても惜しめない。見えないから。

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惜しめないよね!

こうしてかぐや姫は富士山へと帰って行ったのだ。もしかするとかぐや姫も、惜しめないぞ、と思って何度も振り返ったのかもしれない。ここなら惜しめると期待して振り返ると惜しめない。今度こそと思って振り返ると惜しめない。だから何度も見返したのかもしれない。

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かぐや姫、目がうまいことなっていてかわいい!

かぐや姫は富士山

月を見るとかぐや姫を連想することがある。これからは富士山を見てもかぐや姫を連想して欲しい。だって、かぐや姫は富士山に帰り、富士山の神様になったのだから。ちなみにこの日は雲が多くて、全然綺麗に富士山が見えなかったです。

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雲が多い日の富士山!

 

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