中央に穴の空いた丸くて黄色いもの、それこそがパインアメだ。しかしどうだ。2021年7月20日より近畿エリアのセブンイレブンで販売されている『パインアメアイスバー(税込108円)』には、そんなパインアメの面影はどこにもない。
“バー” と名に付くくらいなのでピンときたかもしれないが、こちら、棒状なのである。しかしこれではよもや、パイン飴としてのアイデンティティが崩壊しているのではないか。心配になった記者は早速購入し、その実態を探ろうと試みた。
・セリアロイルが販売するアイスバー
ただのパインならば棒状もアリだ。しかしこれはパインアメ。繰り返して申し訳ないが、パインアメといったらドーナツ型が定石である。
『パインアメアイスバー』の販売者は、どうやらセリア・ロイルのようだ。 “給食でおなじみのムース(Mousse)” などで知られる、福岡県の会社だ。そんなセリア・ロイルと、かつてコラボしていたパインアメアイス。
その際は、まんまパインアメ型だったのに、今回はどうして……! 煮え切らない思いを抱えながらも『パインアメアイスバー』を開封する。
・まさしくパインアメ
漂うはパインアメの香り。見た目はアメに比べると不透明さのある黄色だ。中心に粗めの氷が、そしてその周りをシャキッとした氷が取り囲む。ガブっとかじるとシャリ、そしてジョリ。
むむむむむ。この食感は暑い季節にはたまらない。口に入れた瞬間、体全体がひゅっと冷却される感覚を味わうことができる。パインアメアイスバー、なかなかやりおるな!!
味も非常に近しいように思われるが、どうだろう。試しにパインアメを食べて、アイスバーを食べると……ふむ! ほぼほぼ同じだ。若干、アイスの方が駄菓子っぽい甘みがあるものの、まさしくパインアメ。これはウマい!
・作り手の気遣いを感じた
そして食べ進めるにつれ、とんでもないことに気が付いてしまった。この『パインアメアイスバー』……めちゃめちゃ食べやすい。実は以前に、パインアメ型のアイスも食べたことがあった記者。
あれはあれで大変美味しかった。なんなら再販してほしい。しかし食べやすさで言えば、棒が付いているパインアメアイスバーの方が勝っている。手がべたつくこともなく、片手でサクサク食べられてしまうのだ。
食べる前はパインアメ型でないことが疑問だったが、食べ始めてみると、この形にはこの形なりの理由があるのだと気づけた次第。棒状であることは、食べやすいようにという、作り手の気遣いと優しさが込められていたのだろう。
実際に触れる前に答えを出してはいけないな、と反省だ。色いろな発見と気付きを与えてくれた『パインアメアイスバー』に感謝である。冒頭に書いた通り、販売は近畿に限られるが、見かけることがあれば手に取り、その優しさを感じてみてほしい。
参考リンク:セブンイレブン「パインアメアイスバー」
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.