ヤフーは1月31日、4月1日からの新経営執行体制への移行と、代表取締役社長の異動（内定）を決定したと発表した。
代表取締役社長 CEO（最高経営責任者）として、同社の取締役 専務執行役員 COO（最高執行責任者）を務める小澤隆生氏が就任する。
ZHD 代表取締役社長を兼務する川邊健太郎氏（左）と、ヤフー 代表取締役社長 CEOに就任する小澤隆生氏
2018年にヤフーの代表取締役社長 CEOに就任した川邊健太郎氏は、2019年10月の持株会社体制への移行に伴い、Zホールディングス（ZHD）の代表取締役社長を兼任している。また、ZHDは2021年3月にLINEと経営統合し、経営統合効果の最大化、ZHDグループ全体のシナジー創出などを目指している。
ZHDグループの中核企業となるヤフーが、メディア事業やコマース事業、フィンテック事業などのさらなる成長を加速させるため、新たなCEOによる迅速かつ機動的な意思決定と、業務執行ができる新経営執行体制へ移行する。なお、小澤氏の優れた戦略性と改革力、リーダーシップ、そしてヤフーの事業成長の実績などを評価したという。
小澤氏は、インターネットショッピングサービス「Yahoo!ショッピング」のストア出店料などを無料化した、2013年10月の「eコマース革命」での新ビジネスモデルの導入のほか、アスクル、ZOZOの連結子会社化などを実現。ヤフーの事業構造を変革させ、メディア事業に加えてコマース事業の成長、事業の多角化に貢献し、ZHDのeコマース取扱高を、2012年度の1兆6023億円から、2020年度には2倍以上である3兆2268億円までに成長させている。
加えて、川邊氏とともにキャッシュレス決済サービス「PayPay」の立ち上げや、ZHDとLINEとの経営統合推進によるZHDグループの成長をけん引。コロナ禍となった2020年と2021年には、ヤフーのCOOとして“ユーザーファースト”なサービス提供を推進し、ヤフーのインターネットサービス利用ランキングで2年連続の1位（ニールセン デジタル調べ）を獲得している。
就任にあたり小澤氏は、「1990年代にインターネットサービスで起業してから、今でも変わらない『良いサービスを提供し、社会に貢献する』『良い会社をつくって、社会に貢献する』という思いがある。良いサービスを提供するためには、『ユーザーファーストに徹底的にこだわること』と『そのサービスに携わる社員と社員の家族のウェルビーイング（幸福）の向上』が重要だと考えている。
新生ヤフーでは、『！（びっくり）』や『おもしろさ』にもこだわりたい。情報技術を通じて、人々や社会の課題を解決する良いサービスや、日本をもっと便利にする良いサービスの提供に加えて、『！』や『おもしろい』と思ってもらえるユーザー体験を提供し、さらなるヤフーの成長を実現する」とコメントしている。
なお、川邊氏は、「小澤次期社長は、私が宮坂前社長から受け継いだ経営執行体制ではCOOとして、メディア事業、コマース事業、フィンテック事業など、幅広い事業領域を管掌し、成長をけん引してきた。2020年10月からヤフーで開始した、時間と場所に捉われない『ヤフーの新しい働き方』などの検討、導入に携わっており、社員と社員の家族のウェルビーイングの向上についても強い思いを持っている。小澤次期社長なら、これまでヤフーが築き上げてきたものを受け継ぎ、さらなる進化、飛躍をさせて、『良いサービス』『良い会社』をつくり、『社会に貢献』してくれると確信している」とコメントしている。
