東日本電信電話(NTT東日本)は1月24日、自治体や中小企業、大学などに向け、DXの導入などをワンストップで支援する新会社「NTT DXパートナー」の設立を発表した。
代表取締役社長に就任する矢野信二氏(左)と代表取締役に就任する長谷部豊氏(右)
NTT DXパートナーはNTT東日本の100%子会社で、1月31日に設立予定。NTT東日本グループが持つDX推進ノウハウやアセットを活用し、DXコンサルティングからデジタルプラットフォームの実装や推進までワンストップで支援する。新会社の代表取締役に就任する長谷部豊氏によると、売上収益は「2025年度単年度で収益100億円以上」を見込んでいるという。
長谷部豊氏
具体的な支援内容は、(1)DXコンサルティングを中心とした事業変革支援、(2)ソフトウェアおよびアプリなどの開発、運用、保守、(3)クラウドを活用したデジタルプラットフォームなどの構築、運用、保守、(4)業務・顧客データなどの収集・分析および提供・販売、(5)DX人材育成および育成のためのノウハウ提供、(6)人材派遣事業など。
新会社の代表取締役社長に就任する矢野氏によると「日本におけるデジタル化、DXは、諸外国と比較しても大きく立ち遅れているのが実情」という。人材やノウハウ不足に悩まされている中小企業においては特に顕著であるといい、矢野氏は「中堅、中小企業が地域社会経済の基盤となっている日本では喫緊の課題」とした。
矢野信二氏
また、長谷部氏によると、設立背景の1つには、デジタル技術やデジタルサービスの進展、SDGsなどのサステナビリティに関する社会課題、コロナ禍による「新たな生活様式」への転換などの複数要素から、人々の消費行動や価値観が変化していることがあるという。加えて、企業の業種などを超えて共創するケースも増えており「効率化を目的としたIT化から、デジタルやデータを活用したDXの推進が求められている」と長谷部氏は説明する。
DXへの取り組みに関しては、従業員数3000人以上の大企業では6割超が「すでに取り組みを始めている」と回答したが、従業員数300人未満の中小企業では3割弱に留まっているという調査結果もある。また、自治体においては約2割がDXの取り組みに着手していると回答しており、8割の自治体はDXに着手できていないというデータもある。
大企業では6割超がDXに着手しているが、中小企業は3割弱のみに留まる
自治体の8割がDXに未着手という
長谷部氏によると、こうした中小企業や自治体の現状は「DX専門人材が不足している」ことが背景にあるという。NTT DXパートナーでは、中小企業や自治体と連携し、人材派遣なども含めた支援を行っていくという。