3月から、アメリカのラスベガスの空港にて、米国運輸保安局が「セルフ保安検査」のテスト導入を実施しています。
空港混雑を緩和する次世代的な取り組みと期待される一方で、セルフレジや自動ハムスライサーの失敗など、自動化に懐疑的な見方もありますが、さて。
セルフ保安検査とは?
米国運輸保安局が導入するセルフ保安検査。開発は米国土安全保障省の科学技術総局が担当しました。
有人だろうとセルフだろうと、保安検査の内容に変わりはありません。今までの検査の流れは、セルフになっても同じです。乗客は機内持ち込み荷物やポケットの中身をトレーに乗せ、それをX線検査で確認、搭乗者自身もボディスキャンチェックをうけます。
ボディスキャンがちょっと独特。透明の自動ドア&スクリーンのあるエリアで行なわれます。
セルフ保安検査場を取材したアメリカの現地メディアによれば、髪にクリップをつけていた女性はこのボディスキャンがうまくいかず、数回やり直すシーンも。
セルフ検査で困った場合は、マシンから職員に連絡、リモートで助けてもらえるということです。(現状、セルフ保安検査レーンが導入されるだけで、既存の有人チェックのレーンもあるため、リモート職員以外も現地にいます…。今後、完全無人化を目指すのかはわからず。)
セルフにする狙いは?
「ラスベガスのInnovation Checkpointのテストで、価値あるユーザーデータやインサイトを収集し、他の空港での検査場でも試作機を導入するかを模索する機会がえられます」と、プレスリリースで語った米国運輸保安局担当者。
保安局がセルフに期待することはなんでしょう? 答えはシンプル、セルフレジと同じで人員削減です。
保安検査場職員は労働環境がよくない(長時間、低賃金、etc…)と言われており、米国運輸保安局にとって人を確保するのは常に課題の1つとなっていました。これがセルフチェックで改善される兆しが見られれば、テスト導入大成功で拡大されていくかもしれません。
もちろん、セルフレジと同じく、逆に人の手がかかってしまうというリスクもあるのですけれど…。
Source: TSA