いももちをご存じだろうか。
ほぼジャガイモだけで作られているのに、妙にもちもちしたあいつだ。
おいしい。
おいしいのだけど、そのボリューム感、甘くもしょっぱくもある味、郷土料理らしからぬ高カロリーで、おやつ/おかず/ごはんの間をさまよっている気もする。
もしかしたら、日本の食卓を彩るユーティリティプレイヤーとしてもっと化けれるんじゃないか。
そんないももちの拡張レシピを6種類作ってみた。
いももちアンケートをとりつつ、まずは基本のいももちを作る
北海道の郷土料理というふれこみのいももち。
関東出身者にとっては、なぜ郷土料理なのにこんなに高カロリーなんだろうという疑問とともに、いまいち食べ時がわからずにいる。
おかずにしては炭水化物然としてるし、おやつにしては腹持ちがよすぎるし、ごはん(主食)にしてはまだまだ謎の存在だ。
いももちをいつ・どう食べるか。
読者の皆様にご協力いただきアンケートをとった。(合計147票!ありがとうございます!)
その結果をおり交ぜながら、実際に食べて検討していきたい。
これからいももち拡張レシピを考えていきたいのだが、その前にまず基本のいももちの作り方をおさらいしたい。
いももちは素直だ。油も、タレも、肉の旨味も素直に吸う。どんどん吸収する。
だから、料理によっては油の量の細かな調整が必要になってくる。意外と繊細な料理なのだ。
いももちの一般的な食べどきと、その拡張レシピ6選
ところでそんないももち、一般的にはどんなタイミングで食べられているのだろうか?
おやつとしてが一番多かったが、おかず、つまみ、主食など、いろんなシチュエーションにいももちは馴染むことができる。
だからこそ、いももちはまだまだ可能性に満ちあふれてる気がするのだ。
①肉汁を吸え!ステーキの付け合わせにいももち
さて、最初はいももちの何でも吸う性質をいかした料理である。
次のアンケート結果からヒントを得た。
ジンギスカンなど肉の旨味と合うという回答も複数あったため、ステーキソースを作る際に投入してみたい。
予想以上にソースを吸ってしまうが、その分いももちに旨味がたまっていくはずだ。
旨味だらけのマッシュポテトといった感じで、味はもう間違いないおいしさだ。
ただ、ソースと一緒に焼くと水分を吸ってカリっと感が薄れるため、先に表面を揚げ焼きにしてから投入するすれば向かう所敵なしになりそうだ。
どちらにしろ、方向性は大正解だった。
②マックのハンバーガーにもいももち
今度はいももちの揚げ物としての側面に注目したい。フライドポテトをもっとジューシーに食べたいときこそ、いももちの登場だ。
フライドポテトのカリっと感にくわえて、ジュワッと油があふれてくる。子供に人気の味だと思う。ラードやごま油などに代えてもおいしそうだ。
ひとつ工夫をするなら、しっかりとキッチンペーパーなどで油を切った方がいいかもしれない。
すこし前にアイダホバーガーというハッシュポテトを挟んだバーガーがあったが、あれの進化版みたいな味だ。
ビーフパティの食感を邪魔せず、ほどよいカリっと感とジューシーさが追加されるので、ハンバーガーのランクが1~2段上がった気になる。
③丸めて煮込む家庭の味。肉じゃが風いももち
家庭のジャガイモ料理といえば肉じゃがだ。
アンケートでは北海道の人たちから「おばあちゃんの味」という回答がいくつもあり、それぞれの家庭の味として根付いているようだ。
そんないももちの家庭的な側面を拡大解釈してみた。
煮る時間が短いと片栗粉っぽさ残るため、弱火でじっくりと煮た方がよい。
ちょっと似た料理が思いつかない新食感。ふわふわ、トロトロしており豚肉やにんじんとの食感の違いを楽しめる。
ジャガイモと思って食べると面食らうけど、別の料理として料亭とかにあってもよさそうな気がする。
いももちは焼く、揚げるだけでなく煮るという選択肢も正解だ。
④朝ごはんに、ベーコンエッグ&チーズいももち
今度は主食としてのいももちだ。
ワンプレート料理の最後の方って、皿の上でいろいろ混ざっておいしさがすごい状態になる時があるけど、いももちは最初からそれを体現している。味の完全食である。
⑤干しエビ入りお好み焼き風いももち
主食でもあり、おかずでもあり、おやつにもなるお好み焼き。
まさにいももちのためにあると言ってよいかもしれない。
見た目に違わず味もほぼお好み焼きで、もちもちした食感が特に活きている。ジャガイモや山芋入りのお好み焼きはすでに存在するので、今回つくった料理の中でも万人向けだ。
そしていくらでも拡張しがいのあるレシピだと思う。
⑥餅としての面目躍如、おしるこいももち
丸餅に焼き目をつけてお汁粉にいれるのが感じを、そっくりそのままいももちでやってみたい。
焼いたことでしっかりとモチモチ感が出ており、いももち本来の素朴なおいしさが楽しめる。
ふつうの餅に比べるとさっぱりしていて、炭水化物の罪悪感が少ないのもよい。
ジューシーないももちも美味しいけど、素焼きが一番もちらしさを楽しめるかもしれない。
おやつとしても、おかずとしても、ごはんとしても、つまみとしても、イモとしても、モチとしても楽しむことができるいももち。
いくつか拡張レシピをつくってみたが、まだまだそのポテンシャルを活かしきれていない気がする。
皆さんのいももち拡張レシピもぜひ教えてください。
(アンケートに対する沢山のご回答、本当にありがとうございました!紙面の関係で簡単にしか取り上げられませんでしたが、いももち愛のつまった回答ばかりで、すべて楽しく読ませていただきました。)