Apple製品が世界的な供給不足で2021年末～2022年にまで発送が遅れる状態に

2021年9月15日に開催された新製品発表イベントでiPhone 13シリーズ・第6世代iPad miniや第9世代iPadなどが、さらに同年10月19日に開催された新Mac発表イベントではHomePod mini・第3世代AirPods・独自開発SoCのM1 Pro＆M1 Maxを搭載した新型MacBook Proが発表されました。しかし、2021年秋に発表されたこれらのApple新製品の供給が追いつかず、発送が遅延して年末商戦に大きな影響を及ぼす可能性があると報じられています。

Apple’s (AAPL) Device Shortages Threaten Record-Setting Holiday Season – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-10-21/apple-s-device-shortages-threaten-record-setting-holiday-season

Shipping estimates for Apple’s Polishing Cloth pushed into January | AppleInsider
https://appleinsider.com/articles/21/10/20/shipping-estimates-for-apples-polishing-cloth-pushed-into-january

Apple Hit by Global Shortages as Orders Delay Until December | Tom’s Hardware
https://www.tomshardware.com/news/apple-hit-by-shortages-products-sold-out

特に供給不足が深刻化しているのはiPhoneで、iPhone 13 Proは発売から1カ月が経過しても色・構成・サイズによっては入手が困難になっているとのこと。経済紙のブルームバーグによると、Appleは2021年におけるiPhone 13の生産目標を1000万台削減しており、供給がさらに厳しい状況になっているそうです。実際にアメリカのAppleストアからiPhoneやiPadを注文した場合、発送が11月19日から11月29日となっており、最悪の場合は12月にまで延期してアメリカでの商戦契機である感謝祭やブラックフライデーにも間に合わない可能性もあります。

また、AppleのM1 ProやM1 Maxを搭載した新型MacBook Pro、2021年9月のイベントで発表されたApple Watch Series 7も記事作成時点で注文すると発送が12月中旬になるほど遅れている状態です。一方で、旧型のM1搭載MacBook Airは数日以内に出荷されるとのこと。

さらに、Apple関連のニュースサイトであるApple Insiderは、2021年10月のイベントで発表されたApple公式のポリッシングクロスはただの布でしかないにもかかわらず、さまざまな国や地域で売り切れが続出しており、出荷時期が2021年12月から2022年1月にまでずれこんでいる状態であることを指摘しています。

発売直後のApple製品の発送が遅れるのは今回に始まったことではありませんが、2021年の遅れは例年の比ではない、とブルームバーグは述べています。Appleストアの実店舗でも製品在庫が不足している状態が続いており、Appleストアの従業員はブルームバーグの取材に対して、「2021年の遅れは通常ではありえない状況であり、店舗ではイライラする客を対応することも増えた」と証言しています。

ブルームバーグによれば、Appleの製品売上は前年比7％増の約1200億ドル(約13兆7000億円)になると予想されているとのこと。経済アナリストであるダン・アイブス氏は「2021年はAppleが製品アップグレードによって過去最大の恩恵を享受できるはずの年でしたが、供給不足を乗り越えなければならないのは誰も口にしたがらないほど重大な問題です」とコメントしています。