これまで新聞を購読することは、社会人の常識とされていた。しかし、2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「大学時代、日本経済新聞を毎日1時間かけて隅々まで読んだことがある。だが、それを続ける意味を見出せず1カ月でやめてしまった。情報の速度が飛躍的に上がった今の時代、新聞に書いてあることはすでに時代遅れだ」という――。
※本稿は、ひろゆき『ひろゆきのシン・未来予測』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。
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なぜ「新聞」が軽減税率の対象になったのか
2019年の消費税改正では「軽減税率」が導入されました。消費税が10%に上がる中で、食料品などの必需品は8%に据え置かれたのです。
外食は10%なのにテイクアウトの場合は8%で計算するなど、あちこちで混乱が起きましたが、そもそも2%の差ってそんなに大きいのでしょうか。
1カ月の食費が5万円の家庭なら、2%はたかだか1000円。このために、システムが複雑になって余計なお金がかかります。そして、そのお金は税金から支払われます。国民としては、もっと冷静な判断をするべきだったんじゃないかと思います。
しかし、やはり税率が上がれば国民の消費マインドは冷え込み、売り上げが減るというので、その軽減税率グループに必死で入ったと思われるのが「新聞」です。
おそらく、業界挙げて相当なロビー活動を行ったのでしょう。購読者へ値上がりを知らせることで、解約のきっかけを与えることを恐れたのです。結局、新聞の消費税は8%に据え置かれました。
そもそも、軽減税率に縋り付かねば生き残れないのであれば、もはや新聞の役割など終わっているといえるのではないかと思うのです。
減少に歯止めが効かない理由
実際に、新聞は消滅の危機にあるようです。
日本新聞協会が発表している日本の新聞の発行部数は、1997年がピークで5376万5000部。それが、2018年には3990万1576部と、21年間に4分の3に減っており、減少に歯止めがかかっていません。
今はみんな忙しくて、出社前に自宅で新聞を読む時間などなかなか取れません。電車の中で新聞を読む人もほぼ皆無になりました。
かといって、帰宅後の夜の時間に朝刊を読んでも意味がない。多くのビジネスパーソンにとって、せいぜい職場で取っている新聞に目を通すくらいでしょう。
日経新聞を読む意味を見出せない
元毎日新聞社記者の河内孝さんは、日本の新聞は、ビジネスモデルを変えなければ生き残れないと言っています。
発行部数も広告収入も減っていることはもちろん問題なのだけれど、一番の危機は、インターネットの時代を生き残るビジネスモデルが見つかっていないこと、見つけようともしないことであると河内さんは指摘しています。
インターネットで誰もがつながっている時代になって、SNSなどでいろいろ情報を共有し合っているときに、メディアが「第四権力」などと威張って、上から情報を流す時代は終わったと。
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僕自身、大学時代に、日本経済新聞を取って毎日隅々まで読むということをやっていました。広告まで含めて全部目を通すと、どれだけ集中しても1時間程度かかります。かかる時間と得られるものを考えたときに、続ける意味を見出せずに1カ月でやめてしまいました。
ましてや、情報の速度が飛躍的に上がった今の時代、新聞に書いてあることはすでに時代遅れもいいところです。日経新聞を読みこなせば賢くなるとか、ビジネスに役立つ情報をキャッチできているとか考えている時点で、かなりまずいでしょう。